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緑色岩

緑色岩
 正式な名称は、緑色岩類といいます。海底火山が噴火し、放出された火山灰や溶岩がその熱と海水との作用によって緑色になってできた岩石です。 写真のように、暗い赤紫色になっていても緑色岩です。
 ふつうは、堆積岩の地層中に挟まれてくるので、凝灰岩の一種と考えられ、輝緑凝灰岩と呼ばれていました。岩石の産状を調べてみると、 枕状溶岩水冷自破砕溶岩などの構造をもち、 明らかに溶岩であるといえるもがほとんどであることがわかってきました。それではまずいということで、シャールスタインという名称も使われたこともありました。 しかし、それらの名称は定着せず、最終的に、岩石の色の特徴から、緑色岩という名称で落ち着いたようです。
 最近の研究では、大阪府北東部の山中の地層は、緑色岩で始まりチャート、頁岩、砂岩と順番に相変化する一連の地層が、 繰り返してできていることがわかってきました。この繰り返しの一つの単位になる部分を「コンプレックス」とか「ユニット」といいます。 それぞれのコンプレックスでは、同じ時代の地層が、下から順にまっています。さらに、コンプレックスの境界を調べてみると、水平に近い断層面を持つ断層で接していることがわかりました。
 これらの構造から次のようなことが推定されます。まず、かなり広い範囲に緑色岩・チャート・頁岩・砂岩の順に地層がたまります。 ある場所にたまった地層の下に、隣の地域にあった地層が運ばれてきてもぐりこんでいきます。ある程度もぐりこむと、 さらに隣にあった地層がその下にもぐりこんでいくということを繰り返していきます。ところで、 その場所はどこだったのでしょうか。ある程度の広さがあって水平方向に動いている場所として海洋底が考えられます。 中央海嶺付近で海洋底が作られます。この時、玄武岩質の海底火山活動が起こりますので、緑色岩ができます。続いて、大洋の真ん中では、 チャートがたまります。陸に近づいてくると泥がたまり、海溝にぶつかる頃になると大陸から運ばれてきた砂がたまります。 このようにしてできたわけですが、地層が下にもぐりこんでも、上に乗り上げても同じような結果になります。 しかし、上にあるコンプレックスの方が早い時代に堆積が終わっているので、「下にもぐりこんだ」が正解でしょう。
 一般の緑色岩は、中央海嶺で作られたものが多いのですが、珊瑚礁を作る石灰岩がついてくることから火山島であったことがわかるものや、 フォッサマグナの中などの海底だったとわかっている玄武岩質の火山によるものもあります。


分 類: 火成岩(火山岩)?
岩石名: 緑  色  岩  
産 地:大阪府高槻市本山寺



 高槻市本山寺の、緑色岩の露出している崖では、水冷自破砕溶岩・枕状溶岩の構造が見つかっています。従って、ここの岩石は玄武岩質の火山岩とした方がいいでしょう。




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