2015/2/16-19 流氷ツアー
1月の終わりくらいから、北海道付近に低気圧がずっと居座っていました。このままでは天気がよくならないのではと心配していたのですが、やっとどいてくれそうな雰囲気になってきました。ほっとした気持ちで出発です。
12時ちょっと前に関空に到着、搭乗券をもらい荷物を預けてから軽く昼食を取り、搭乗口へ。手荷物の重さは12kgで余裕でクリア。搭乗開始を待っているときに、預けた荷物の保安検査がなかったことが気になりだしました。聞いたところちゃんとやっているということで一安心。あとは新千歳までひとっ飛び。座席は通路側だったので読書に専念することに。機内のアナウンスでは富士山・アルプス・白山が見えているとのこと、残念みられない。飛行機では条件のいいときに窓側の席にあたったことがないような。
新千歳では、ツアー客がそろうのを待って出発。添乗員さんが言うには、前日のツアーグループは、悪天候のため知床までたどり着けなかったとのこと。脅かさないでよ。でもガイドさんによると、気温は+で暖かめとのことこちらはラッキー。途中のトイレ休憩は、砂川ハイウエイオアシスで、時刻は5時ちょっと前、入ってしばらくすると、閉店の音楽が。たしか昨年5月に来たときは、ここに名物販売員森くま子さんがいたような。店のあたりを見るも看板がなくなっている。あきらめたのですが、誰かが見たという情報が入ったので、戻ったところで、それらしき人が帰りがてら我々に挨拶をしてくれました。
砂川での休憩時間は、閉店の影響もあって、予定の半分で終了。あとは一路、層雲峡へ。動き出してすぐ、空は暗くなり始め、何も見えない世界へ。意外と早く高速から降りて一般道に降りたと思ったら、一部通行止めだったようです。層雲峡到着は7時近くになっていました。
荷物を整理して、夕食会場へ。中国語かハングルかわからないけれども、外国語が飛び交っていました。バイキング形式で、一見豪華そうでしたが、種類も意外と少なく、カニは味がないか塩辛いなど今ひとつでした。
食後は、徒歩で「氷瀑祭り」へ。5分ほどで到着。協力金300円を払って中へ。入り口付近には、4−5mほどのかまくらが並んでいて、中には一つずつ氷像がおいてありました。氷の透明度が高くきれいに写らなかったので写真はありません。それと、かまくらも中からの光で照らされてきれいでしたが、写真で見ると透明感がなくきれいではなかったので、これもなしです。
入ってまもなく、花火大会が始まりました。ある旅行会社がスポンサーでしたが、○は大丈夫か心配になりました。うわさでは、毎日スポンサーが変わっているとのこと、なら納得できます。比較的手ぶれの少ない1枚をUPします。カメラのオートフォーカスがうまく作動しなかったので、手動に切り替えて撮っています。
奥にあるのは、建物風の氷の造形。実際にどこかの建物を模しているようです。表面にはつららが至る所に見られます。木でできた枠組みから垂れ下がっています。建物のような枠組みを作り、水をかけて凍らせて作ったように見えます。
中には迷路のような通路があり、通り抜けることができます。氷がきれいにカットされていますから、少しずつ整形しながら作り上げたものとみえます。照明の配置など、事前に完成図を想像しながら作っていることに関心しました。
途中、撮った写真が何となくぼけている思っていたら、手ぶれではなくピンぼけが原因とわかりました。オートフォーカスに戻すのを忘れていたためです。設定の戻し忘れはよくします。気をつけないと。このあと、ぐるっと一回りしてから宿に戻りました。
途中星が見えていなかったので、露天風呂にゆっくりつかってから寝ることにしました。露天風呂で、同ツアーの人に、星が見えると教えてもらいましたが、ほんのわずかで大阪と変わらないようでした。今回の星見はお預けです。
寝不足気味の朝です。夜中布団の中は暑く汗をかくくらいだったのに、布団をどけると寒く何度か目を覚ましました。部屋が乾燥していたのか、のどがいがらっぽくなっていて、水を飲みに起きるのも何度かありました。それでも、いつもの旅行の時のように早起きして、散歩をすることにしました。ツアーでは、ゆっくり自由にものを見られるのは宿到着後か、朝早くしかありませんから、絶対に欠かせないと思っています。6時はまだ薄暗く、出発が7時30分なのであまり時間がとれませんが、回れる範囲はあまりないので、ちょうどいいくらいです。
昨晩見た、氷瀑祭りの会場の方へ。カラフルなライトアップはなく、氷のうす青色の世界になっていました。人もいないので何か寂しい感じです。夜の写真に比べて、つららの様子がよくわかります。つららのモンスターといった感じです。
温泉街の方を見ると、黒岳が見えます。左の山がロープウェイの黒岳駅、温泉街からまっすぐロープウェイが伸びています。昨晩は、駅舎の明かりが見えていました。右側の白い山が黒岳。まだ日は昇っていないようです。
旅館の壁にできていたつららです。大阪では見ることがないので、思わず撮ってしまいました。今ひとつでしたね。
旅館に戻り、朝食会場へ。どうもここにいる日本人は我々のツアーだけのようでした。
宿を7時30分に出発して、近くの流星・銀河の滝へ移動。記念写真を撮影。時間が無駄なだけで無くても困らないんだけど、業者の都合でメニューに入っています。
右写真が、銀河の滝です。凍っています。
周りの山です。雪をかぶった針葉樹と、樹氷のついた落葉樹とそれぞれがきれいでした。空の色もきれいで、そのコントラストも見事でした。針葉樹・広葉樹が両方あるところは少なく、そういう1枚です。樹氷は今ひとつです。
足下を流れる石狩川も、一部表面が凍り雪をかぶっていました。凍っているとこ、いないとこの境界が趣のある曲線を作っていて、神秘的でした。川の流れと無関係にできているのが不思議です。
しばらく時間をとったあと、網走方面に向けて出発です。
途中大雪湖から石北峠を通ります。大雪湖からは大雪の連山がきれいに見えました。山の名前が気になりますが、それはまた後ほど。青空の色も一段ときれいでした。凍った大雪湖は、平原のようです。
ガイドさんによると、石北峠ではダイヤモンドダストが見られるそうです。隣に座った人とそんなの無理といい合っていたのですが、バスがカーブを曲がる一瞬空に虹のようなものが見えました。明らかにダイヤモンドダストによって作られた幻日です。その後バスは幻日を撮りやすいようになかなか向きを変えてくれませんでした。右はラストチャンスの一枚でした。ポールが入って残念と思ったものの結果オーライでした。
もう一つ、太陽が山の端に出入りする一瞬もきれいだったので、写真を撮ろうと狙っていました。これも、唯一(正確には2回目、1回目は撮ろうと思った時)のチャンスに撮ったものです。よく見ると、太陽の位置から下方向に光の帯のようなものが見えています。
色が気になりますが、太陽柱のようにも見えます。しっかり観察しておくんだったなと後悔しています。
幻日・太陽柱については本体の方で解説していますので参照してください。
朝バスに乗ったときに、添乗員さんからよい知らせと悪い知らせがあるとの報告がありました。よい方は、流氷観測船が動いていること、悪い方は、乗る予定のJR釧網線が不通でのろっこ号には乗れないとのことでした。前日のツアーは、吹雪で近寄れもしなかったのに比べてラッキーというべきなのか。一路網走に向けて走り続けます。途中、温根湯の道の駅と端野のドライブインでトイレ休憩を取り昼前に網走港に到着。ここで、記念写真を撮るというのに写真屋さんが来ていない。その前にも、昼ご飯がどうのと添乗員さんが慌てていたような。ちゃんと打ち合わせといてよ。
名物というどら焼きを小腹に入れて、流氷船へ。写真は、乗ったのと同じ型のオーロラ号。昨夏にウトロから知床岬まで運んでくれた船です。冬場は、網走にやってきています(夏の方がアルバイトかな)。
船に乗り込んだら当然デッキへ。海面を見ていると、港口の方から流氷のかけらが流れてきます。その合間をウミネコが遊んでいました。
よく見ると、小さな鳥が泳いできますが、時々海の中に潜っていました。目の後ろに白い斑点が見えるのでカイツブリかなと思いましたが、海にいるのはなんか変です。あとで調べるとシノリガモのようです。別の方向からも、似たような鳥がやってきました。時々潜るのですが、シノリガモほど頻繁ではありません。似たような行動をとっているので同じ種類かと思いましたが、だいぶたってから首の特徴が全然違うことに気がつき、ウミウとわかりました。
船が出航して、いよいよ流氷の観察です。氷は、大きな蓮の葉のような形をしたものもあるのですが。ほとんどが小さく砕かれたようになっていました。
すぐにわかったのですが、船は湾内を4−5回回るだけで、外に出て行くことはありません。カーブしている模様は船が通ったあとです。船が閉じ込められる危険があることはわかりますが、周回ごとに、大きく回るとか工夫してほしいと思いました。
すぐ近くの手すりに、オオセグロカモメがとまりじっとしていました。カモメはカラスと同じであまり好きになれないのですが、ポーズをとっているので、一枚だけ撮ってあげました。
船着き場に戻るときに、対岸のテトラポットの上にオジロワシがいるのを教えてもらいました。向こうをむいていますが、時々左に首を振っていました。バスの発車時もまだいたそうです。
船から降りたのは、1時過ぎ。近くの海鮮市場で昼食です。1時間の休憩があったのですが、毛ガニに悪戦苦闘している間に終わってしまいました。他に何を食べたのか思い出さないのはよくない兆候かな。海岸の流氷は砂を巻き込んでいるせいか、黒い色をしていました。
食後の予定ですが、のろっこ号に乗れなかった分代わりに、濤沸湖の水鳥・湿地センターによりました。まずは近くの湖の縁へ。10羽ほどのオオハクチョウが凍った湖面上で休んでいます。
えさをもらっているせいか、近づいても逃げていきません。時々遠くを飛ぶ、白鳥も見えます。
カモも2羽いました。氷の柔らかいところを歩いているのか、時々深みにはまりよたよたとしていました。図鑑で比べてコガモのように思えましたが、自信はありません。
水鳥・湿地センターの建物内では、遠くにいるキツネが話題になっていました。単眼鏡(ネイチャースコープ)で大きく見ることができるので、のぞいていました。威力は絶大でした。写真には、中央に茶色の点のように写っています。モニタに映し出せるようになっていたのですが、操作に手間取っている内に出発時刻になり見るのをあきらめました。
あとは、斜里の町を通って、宿のあるウトロに向かいます。途中の道路は遠くまでまっすぐ続いています。写真左側の影は、うとうとしている添乗員さんの頭です。いろいろお疲れ様でした。
その4 2月17日夜 知床ウトロ
知床半島に入ってからは、オシンコシンの滝や押し寄せる流氷(席の反対側だったのよく見られなかった)のほか、崖にへばりつくようにエゾシカもいました。日が沈むのは早く、宿に着く頃には薄暗くなり始めていました。
部屋の中は暑く、とりあえず暖房を切りました。あとで調節の方法を確認したのですが、これ以上下げることはできないようです。暗くならないうちに、流氷も見ておきたかったので、近くの夕陽台まで出かけました。雪かきがされていないかも、といわれましたが、展望所までは圧雪がなされていました。遊歩道側に足跡があったのですが、へたに歩くと雪にめり込んで大変でした。景色はかなり暗くなっています。流氷上に黒い筋のようなものが見えますが、この時点で何かは不明です(翌日判明します)。闇に包まれないうちに宿に戻ります。
宿で夕食、バイキングでしたが、メニューはいっぱいありました。中でも気に入ったのは、サンマ(もう一つの名前を忘れた魚も)のなれずし(あとでバスガイドさんから聞いたのですが)です。酸っぱさがスカットし爽快です。種類が多かったのと、列が長かったのとで取り過ぎてしまい食べきれませんでした。昔なら食べ切れる量だったのですが、胃袋が小さくなっているようです。料理長さんごめんなさい。
食後は、オーロラファンタジーの会場へバス移動。場所は、昨夏に遊覧船オーロラ号に乗るために車を止めたところで、船乗り場近くです。開始とともに、司会役のぬいぐるみ2匹が現れ簡単に紹介などをしたあと、ショーの開始です。
ショーは、会場近くで、いぶして流した煙にレーザー光線ををあてて光らせてみせるもの。ちょっとは考慮しているかもしれないけれども、やっていること自体は、天文ファンにとっては環境破壊(光害)といえます。
それ以外にも、昔オーロラが見られた時のことを再現したというのだけれども、今は太陽の活動期が終わりかけていてこれからはしばらくは期待できないものの、北海道でも多ければ年に数回は見られるし、このようなものになれていると本物のオーロラを見落としてしまう可能性もあります。
とはいっても、どの程度目くじらを立てて異議を申し立てるべきなのか、天文ファンとしては付け焼き刃のような者にはわからず、軟弱にも、感動している一般観客に迎合して楽しむことにしました。大きな体育館やドームでやった方が、煙の制御もやりやすくきれいにできるのにという思いはあります。
何枚か写真を載せます。
すべて手ぶれを気にせず、手持ちで撮っています。オートフォーカスではピントが合わずマニュアルフォーカスにしています。どの距離に合わせても、あまり写り方が変わらなかったので、レーザー光源がぼけて見えない位置に合わせています。水色の物体はクリオネのようですが、写真ではちょっと気持ち悪いです。最後のハートマークは写真撮影用のサービスだそうですが、誰も前で記念写真を撮らず、一斉に帰ってしまっていました。
帰り道にあった、ゴジラ岩も照明が当たっていて、雪をかぶっているように見えたのですが、適正露出で写真を撮ってみると、普通の岩でした。
このあと、旅館送迎のバスをゴジラ岩近くの店で待ったのですが、翌日歩いたら10分で帰れた距離を、なんと50分も待たされました。かなりの遠回りをしていたのもその原因の一つにあります。
宿に戻ったのが遅かったのと、雲が出ていて星が見えなかったので、ゆっくり温泉につかって寝ることにしました。暑かった部屋はとりあえず暖房は低にし、カーテンは全開、二重窓の内側の窓をほんの少しだけ開けて温度調整をすることにしました。あと、昨晩、のどががらがらになったので、対策としてバスタオルを水でしめらせ、タオル掛けにかけて布団に入らずに寝ました。
その5 2月18日朝 知床
朝は、快適といえないまでもそこそこの寝覚め。6時前に朝の散歩に出発。今日の出立は8時半と遅いのでゆっくりできます。町まで降りて、海岸に沿って時間の許す限り北側へ行けるところまで行くことにします。
ウトロ港入り口の三角形の岩を過ぎたあたりで、上空を尾の白い鷲が飛んでいるのが見えました。急いで望遠レンズをカメラに付け替えましたがそのときは遙か彼方、強引に撮影した一枚です。オジロワシもオオワシもどちらも尾が白いそうです。この時点ではどちらか判明しません。
海面が見えていますが、海が見えるなぐらいにしか思わず、流氷の写真を撮りながら北上。その後は、飛んでみえるのはカラスだけでした。所々で流氷の上に降りていました。右写真、盛り上がった流氷の山の上にカラスが止まっています。
もうそろそろ折り返さないとというあたりで、山側の斜面にエゾシカが雪の中でうずくまっているのが見えました。寝起きだったのでしょうか。こちらを向いて警戒しています。
気にせず近づいていくと右下の建物の影から、たくさんの鹿が移動してきて、総勢10頭の大きな群れになりました。しばらく、にらめっこのような状態を続けていたのですが、朝食に引き返さないとという時間になっていたので、戻りました。
途中、夕陽台によって、海の様子を高台から撮って戻りました。昨晩の写真と大きく違っているところがあったのですが、このときもまだ、海が見えるというぐらいにしか思っていません。
宿に戻って、朝食のバイキングです。昨晩の食べ過ぎを反省して少なめにしておきます。でも何があったかよく覚えていないなぁ。
8時半に出発です。2つ目の目玉企画「ネイチャーガイドと行く知床」が始まります。でも、待ち合わせの道の駅についたのですが、肝心のガイドさんが来ていません。電話で呼び出されて、慌てて駆けつけてきました。
最初の観察地点は、朝いったところの少し先、道路脇に注射帯のあるところです。最初の説明では、流氷が一気に流されて溶けたとのこと、どうも昨晩の流氷の上に見られた黒い筋は流氷が離れていく裂け目だったようです。
また、近くの斜面にはたくさんのエゾシカがいること、林の中でもいとも簡単に見つけていました。川向かいの崖にもいるとのことよくわかりませんでした。
説明の間にカモ(種類は不明)が並んで飛んで行きました。
次は、知床自然センターへ。プユニ岬のカーブからは、流氷がなくなっている様子がよく見えました。
自然センターからは、硫黄山の見えるところへ。山頂だけが雲の中です。ここしばらくは見えず久しぶりとのこと。羅臼岳は裾野だけで今ひとつでした。
あとは雪にはまって遊んだり、林の様子を見たり、キツネの足跡を見たりしたあと、自然センター内を見学(夏にも来たのでコメント無し)。
道の駅まで戻り、横にある世界遺産センターで知床の自然のビデオを見、館内を見学。オジロワシとオオワシの違いが詳しく解説されていました。今まで見た鷲がオジロワシであることをここで教えてもらいました。
18日の移動行程は、知床から十勝川温泉です。実はこのコース、昨夏日高から知床に抜けたコースと全く反対のコースになります(十勝川温泉は寄っていないが近くを通っている)。前回は、寄りたいところ(オンネトー)があったのと、道に迷うリスクを恐れて遠回りしたこともあって、全く同じではないけれども、ほぼ同じコースになります。
知床半島では海岸に流氷や雪景色を見ながら走っています。途中枯れた木の枝にいるオジロワシを見つけました。運転手さんが気を利かせてバスを止めてくれたのですが、残念ながら太い枝の向こう側です。バスがゆっくり動いていたので、一瞬現れた時の写真です。
隣に座った鳥好きのツアー仲間がもっと前へだしてと言っていましたがそうすると他の人が見づらくなります。ツアーなので少しは我慢を。バスはこのあと海別(ウナベツ)岳、斜里岳(3枚目の写真)を横目に見ながら走ります。残念ながら山頂部は雲の中です。
途中、オオワシが道横の木の先に止まっているのが見えたのですが、カメラのレンズは標準、付け替えるまもなく行きすぎてしまいました。
知床国道と斜里国道の交わるあたりの店で昼食です。メニューは鮭のちゃんちゃん焼き(かろうじて思い出した)、名前の由来の説明もあったが、結局はよくわからないとのこと。我々の到着時刻に合わせて作ってくれていたようで、暖かいものが食べられました。
バッグが満杯なのでこれ以上荷物を増やしたくないけれども、お土産も何か買わないといけない頃になってきたので、ちょっとだけショッピング。甜菜で作ったシロップがあったのでこれを買うことに。他にも2つほど選びました。
このあたりの道路は、碁盤の目のようになっていて、しかもものすごくまっすぐ、斜めに横切る道路は45度で角が合わさっています(とスマホの地図を出しながらツアー仲間が教えてくれました)。知床国道は、すぐ先で膨らんで直線には見えず、斜里国道はちょっと行ったところで向きを変えています。もう一本交わる道路が直線的だったのでこれをアップします。
店をあとにして、次の休憩地摩周湖展望台へ向かいます。途中上空を鷲鷹系の鳥がゆっくり飛んでいるのを発見。急いで望遠レンズに付け替えて撮影。そのときにはかなり遠くなっていました。種類はわかりません。下から見ると、広げた羽は真四角で、尾の先は広がらずまっすぐで、全体に真っ黒で尾は白くありません。形はチュウヒ類に似ていますが、これほど黒い種類はいません。他に、キツネも見つけ、叫んだら、バスを止めてくれたのですが、席の位置からは林の影になり、写真は撮れませんでした。
その後、屈斜路湖・硫黄山(アトサヌプリ、アサトヌプリと覚えていた)を横目に見て通過、摩周湖展望台に到着です。摩周湖は凍っていると事前に言われていましたが、
実際には凍っていませんでした。屋上の展望台に行く階段が封鎖されていたのですが、集発前に開けられたとのこと、上って摩周湖は見たのですが、後ろの屈斜路湖側を見るのを忘れていました。気がついたときには、発車直前、あきらめました。
摩周湖から次の阿寒湖までは阿寒横断道路を通ります。峠を越えて、双湖台を通るあたりまで、木々の樹氷がきれいでした。何枚か写真を撮ったのですが、バスの蛍光灯が映り込んでいたのがたくさんありました。きれいな樹氷が見えそうなところを速く判断して、近づいた一瞬にどこを撮るか探し写真に収めるのは結構大変でした。熟練の技が必要です。まだまだですね。
坂を下りきるとすぐ阿寒湖に到着。湖畔の遊覧船乗り場近くでトイレ休憩です。湖面は凍っていて、ワカサギを釣っていると思われるテントや、湖面上を走るスノーモービルなどが見えます。雄阿寒岳・雌阿寒岳が見えるかと探したのですが、雲の中でした。
下水管の中を温泉水が流れているためか、道路上のマンホールの上の雪だけが溶けて、ふたが見えていました。3種類ほど違ったものが使われているようです。写真はそのうちのスズランのものです。スズランは昔は北海道にはたくさんあったそうです。
阿寒湖を過ぎると、一度、足寄でトイレ休憩を取ったもの、そこから、高速を走れば宿のある十勝川温泉までもう一踏ん張りです。途中めぼしいものはなかったようです。時々現れる民家がかえってめずらしいもののように見えましたが。
18日の宿は十勝川温泉。バスが高速を降りる頃には、辺りは暗くなっています。宿に近づいてくると、添乗員さんから、今後の行動についての説明。6時から食事で…。もうすぐ6時です。全員からブーイングが。ついてなるべく早くと訂正あり、納得。彩凜華会場の行き方やら、翌日の出発時刻の説明とかいろいろありました。
もうまもなく、宿に到着です。彩凜華会場の案内があり、そこのイルミネーションがきれいでした。その交差点を曲がってすぐに宿に着きました。
部屋に入って、荷物を整理し、部屋の様子とか景色とか一通りチェックしてから、夕食会場へ。懐石料理でした。うっ、何がでていたか思い出せない。お品書きを見ながら食べていたはずなのに..。気を取り直して話を進めます。
食事が終わったら、彩凜華の会場へ。宿から送迎バスがあるのですが、10分くらいのところだし、昨日のこともあるので歩いて行くことにします。先ほどのイルミネーションを過ぎ、緩い坂道を上ってすぐに会場のある十勝川公園へ到着。地図で見たより、距離がありました。
彩凜華の会場に、円錐形のテントのようなものがたくさん並べられていて、それぞれが、中からのライトで色とりどりに照らされています。なんと呼んでいいのかわからないのでコーンと呼ぶことにします。コーンはまぶしすぎず、かといって間を歩くのには十分な明るさでした。
スタンプラリーがあるというので挑戦することに。売店で、カードを100円で購入します。数字が2つ書かれていて、その数字のボックスを探し、スタンプを押してくるというシステムです。カードでもらえるホットミルクを飲んでラリー開始。これだけで元が取れます。
コーンの間を歩いていると、音楽が変わり、いきなりコーンが暗くなったり、別の色になったりし始めました。音楽に合わせて、コーンが作る光のダンスを見せるのが催しの目玉のようです。見ていても飽きがきません。
コーンの広場を抜けて高台へ、そこに、やぐらのようなものがあり上から見られるようになっていました。土台がぐらついていて、ちょっと怖いけれども、恐る恐る上に。下にあるやぐらからの方がきれいに見えます。
近くに花時計(ハナック)があり、ライトアップされてこれもきれいでした。
そこから、コーンの広場の横を通り、入口側へ戻ります。途中、光のトンネルがあり、通り抜けました。LEDも明るすぎず、なんとか通り抜けることができました。
抜けた先は、光の動物園。シカ・ハクチョウ・ウサギ・クマといった光のオブジェが迎えてくれます。なかなかよくできています。
映像を、吹きかけた息に当ててみるという、催しもあったのですが、みんな適当にやって、何のことなのかわかないようでした。何とか理解できたので手本を示したのですが、そこにたってとか、日本語で指示を出すのに苦労しました。というのもその場には、韓国・中国系の人の方が多いように思えたためです。自分ばっかり息を吹きかけていて、結局肝心な映像を見ることはできませんでした。
それぞれの旅館からの送迎バスも続々と到着したせいか、会場に人があふれてきました。人混みを見ても仕方ないので、ラリーの抽選をして帰ることに。ちなみに、該当の数字のあったところは、入口からもっとも遠い2つ。抽選の結果は最下等で景品は絵はがきでした。最悪です。見つけられず、うろうろしまわら無かっただけでもよかったと思うべきなのか。
宿までまっすぐ帰らず、川の方を迂回しながら帰ります。この道から帰れるかと不安になったもののちゃんと帰ることができました。川向こうの空が明るくなっています。帯広の町の明かりだそうです。
今晩も曇り空、星は見えないので、温泉にゆっくりつかって寝ることに。結局、3晩とも星はNOでした。温泉は、モール温泉といって特別な藻類がいるのが特徴とか。探してみたのですがよくわかりませんでした。
19日の朝も散歩に出かけます。実は前日の晩、十勝川温泉見所マップを見ていると、エコロジーパークにタンチョウ・オオワシ・オジロワシが来ると書いてあるのを発見。十勝川沿いのアクアパーク(ハクチョウ飛来地)のどちらに行こうか迷いました。出発が7時半と早く、どちらかを選ばないといけない状況です。ネットで調べようにも、パソコンの利用時間が終わっています。彩凜華に行った時のことを考えると、エコロジーパークは遠そうです。ということで、アクアパークに決定しました。
アクアパーク(河原)についたときもまだ薄暗い時間です。
ハクチョウの鳴き声はするものの姿は見えません。川岸に近づけるとこまで行きましたが、何もいません。足下の雪の上にはハクチョウの足跡がいっぱいついています。
近くにエサを入れておく箱があって、そこから取ってハクチョウにあげてね、というシステムらしく(何も入っていませんが)、それなら、ここにハクチョウの足跡が多いのも納得できます。
姿が見えないので、下流の方に向かって歩いて行くことに。だいぶ歩いたところで、足下の雪がふかふかになってきたので、引き返すことに。今度は、川岸に近いところを歩きます。
だいぶ戻ったところで、向こう岸近くの水面に白い点のようなものが見えました。双眼鏡で確認すると、ハクチョウでした。全部で5羽います。鳴き声の聞こえていたところの対岸です。しばらく見ていると、ツアー仲間が一人やってきました。鳥の話をかわしていた人です。向こう岸に5羽いることを教え、観察を続けました。
見ていると今度は、向こう岸の上をハクチョウが群れになって飛んできました。
どこまで行くのかと見ていると、ちょっと通り過ぎたあたりで、群れの大半が旋回を始めこちらの方にやってきます。ちょっと上流の方まで戻ったら今度は、着陸態勢に入り、川面に降りていきました。降りたのは、こちら岸のわりと近くの場所です。土手の影になっていて見えない場所なので、近くに移動することに。
ハクチョウが降りたのは、足跡のたくさんあったところの近くです。行ってみると女の人がいました。その人の近くに降り立ったようです。3人で観察することになります(話はしていませんが)。
見ていると今度は後ろの方で、クワァクワァと甲高い声が2回響きました。ハクチョウのグワァという低い声とは違います。振り返ってみると、2−300m向こうにタンチョウが2羽寄り添っています。つがいのようです。あとで、写真で確認すると少し羽を広げ、くちばしを広げ気味にして上を向けています。掲載したものは同じ向きをむいていますが、向き合っている写真も撮れています。どうもペアでダンスをしていたようです。最初の声で「鶴の一声」というのは納得ができました(二声でしたが)。
こうなると、もっと近くでというのが心情です。様子を見ながら近づくことに。向こうも警戒するいう距離になっても、女の人はすたすたと、近づいていきます。途中堤防から降りてきたご夫婦(声をかけたら、日本人に会えてうれしいとの一言が)もいっしょになりました。
女性が近づきすぎたのか、タンチョウは飛び立ってしまいました。飛んでいるところの写真はぼけています。流し撮影をした割には、地面の方がしっかり写っているので手ぶれ補正が働いたようです。解除する余裕はありませんでした。
ふつうはここで残念となるところなのですが、タンチョウの飛び去った先に、ハクチョウの集団がいて安心したのか、我々が元いたところに降り立ちました。不幸だったのか運がよかったのかよくわかりません。こちらにいる方が、タンチョウもリラックスしていて、近くで見ることができます。かの女性も、先ほどのことを教訓にしたのか、ハクチョウだけを見ていた時ほど近づきません。
ゆっくり見ておきたいところなのですが、出発時刻の30分前です。もうそろそろ離れないと、急いで宿に戻ります。 途中の水路には、カモの集団が。岸で2羽の見知らぬ鳥(目の上、生物学的に縦の方向にある白い筋とのど元が白いのが特徴、図鑑で該当するものは見つけられず)が跳ね回っています。これも後ろ髪を引かれながら宿へ。もうバスはきています。
部屋に戻って、荷物(昨晩整理しておいてよかった)と朝食券、部屋の鍵を持って、朝食会場へ。スクランブルエッグとウインナー、パンを数個(クロワッサンとグラノーラパン)、ジャム、牛乳を取って(皿を取るのを忘れていた)急いで食べます。早食いは教員時代に染みついた特技です。戻って10分もしないうちに、バスに乗りこめます。
出発前に、昼食の豚丼弁当をもらいました。弁当を入れるすき間がないので、詰め込むのに苦労しました。実はこの弁当、あとでも問題を引き起こします。というのは、加熱式になっています。昼食時刻は飛行機の中、ところが加熱装置は飛行機に持ち込めません。早めに加熱しておいて持ち込むか、手荷物に入れて飛行機を降りてから食べるかのどちらかです。はじめは、持って帰って夕食にでもしようかと思ったのですが、空港で気が変わり、手荷物を預けたあと暖め始め、セキュリティ検査直前に加熱装置を捨てることにしました。空港内をお土産などを見ながら回った後、加熱装置を捨てようとすると、バッグの中は弁当から出てきた蒸気で蒸れていて大変。ご飯などを支えている容器はふにゃふにゃで、加熱装置がないと形を保たない状態。加熱装置の分だけかさは大きいし、箸はべとべと、箱の中で中身がひっくり返ってぐしゃぐしゃ。それにちょっと冷め始めていたかな。大変な弁当でした。
話を戻します。弁当をもらったあとは、バスに乗って旅館を出発。空港を目指します。高速(音更帯広インターからかな)に入ったと思ったらすぐに、十勝清水インターで降ります。何かというと、日勝峠のドライブインでトイレ休憩。十勝平野や日高連山が見渡せるようですが、天気が今ひとつで山は見えず、平野もぼんやりとした感じです。トイレ休憩は別にここに寄らなくても、途中のSAで済ませれば、出発は、もう20〜30分ゆっくりできたのに..。ぼやかない。
休憩が終わって、バスは高速へ戻ります。途中石勝線の特急と並んで走ったりとか、トマムリゾートが見えたりとかありましたが(シカもいたらしい)、これといったものもなくバスは走り続けます。前も思いましたが、北海道の高速は退屈です。恵庭・樽前の山が見えてきたらバスは高速を降り、もうまもなく空港です。
空港に着いてからは、出発までの時間は少し短いもののいつも通りの手順です。搭乗券をもらって、手荷物を預けて..。ここでトラブル発生。弁当の件は先ほど書いたとおりなのですが、それ以外に、バッグの中に入っているバッテリーにクレームが。関空では問題なく通したのに何なんだと文句は言わず、カバンを開けて見せることに。その前に、カメラに入っている同じバッテリーを見せ、これと同じものが入っているというと、単三電池かという。乾電池だってバッテリーだろとはいわず、充電池だと答える。エ○○ープでしたからね。結局、バッグを開けることなくOKとなりました。それなら、形でわかったはず。乾電池型のリチウム電池ってあるのかなぁ。あとで気がついたのですが、単2アルカリ電池も入っていました。
空港内をぶらぶらしたあと、弁当の加熱装置を捨て、保安検査へ。難なくクリアするはずが、ここでもトラブル。ペットボトルを出せという。入れた覚えがないので、ないと答える。何回かやりとりしたあと、カバンを押さえると、ペットボトルの感触が。これはこちらのミスでした。それにしてもいつの間に入ったのだろう。弁当を入れ替えたときかなぁ。
搭乗口で待って、飛行機に乗り込みます。満席だそうです。座席は真ん中の席、何とか景色は見えます。でも、南下して苫小牧沖に出たあたりで雲の上へ、どこを飛んでいるかわからず、場所がはっきりわかったときは淡路島でした(鳴門海峡大橋が後ろの隅に見えた)。
空港を降りて、関空快速に乗ります。周りにいるのは、我々ツアーの5人以外は中国系の人みたいです。大阪で下車。電車降りたときに行き先を見ると天王寺。昔は京橋だったので、生野の人に行き先は京橋と教えてしまいました。間違っていました。ごめんなさい。
十勝清水を出てから、写真に撮るようなものがなかったので、今回はなしです。
−−ツアーについて−−
北海道は広いのはわかっていたのですが、今回はつくづく思い知らされました。1日目3日目の到着は遅くなり、2・4日目の出発は早いというようにせかされました。道東に空港がいくつかあるので利用できればと思ったのですが、大阪からの直行便はどの空港もないのですね。20年ほど前に女満別空港を利用したことがあり、そのときは2便はあったような気がします。空港の乱立で、旅客が分散し必要な数だけ維持するのが難しくなります。それに伴ってなのかどうかわかりませんが航空会社の経営破綻という事件も、直行便がなくなったことに関係しているような気がします。
ツアー自体が持つ問題もあります。今回のツアーでは、バス移動中の平均的な時間の使い方は1時間走って40分休憩というパターンです。これではどうしても移動に時間がかかってしまいます。ツアーは年寄りが多いので頻繁にトイレに寄らないといけないこと、ドライブインに止めると、心情的に、その店に便宜を図る必要も出てきます。(集合写真を2回も撮ったことも含め)ツアー料金を低く抑えることに役立ったのかも知れませんが、余裕があるように工夫があってもよかったのではと思います。観光地より、土産物屋に寄っていた時間の方が長かったのが実情です。
−−天気について−−
完璧に晴れたのは、2日目の午前中だけで、あとはずっと曇っていました。晴れたら晴れたで、雪がまぶしくなるので、案外よかったのかも知れません。残念なのは星が見られなかったこと。無理かなと思いながらも、天体写真撮影用の機材(総重量8kg)を持って行きましたが出番はありませんでした。実はこの機材、たいがい雲が広がることが多く旅行先では、未だにいい条件で使われたことがありません。
気温も、ほとんどが+(0℃以上)。寒すぎずラッキーです。といっても大阪の一番寒いときの最低気温ぐらい。持って行った防寒用具を出すことがなかったのはむしろいいことです。
靴も、安物の防寒シューズだったのですが、底が固くしっかりしていたおかげかほとんど滑らず、歩くのには快適でした。
−−日程について−−
前日までのツアーは、流氷船には乗れず、知床にはたどり着けず斜里の町で足止めを食らい散々だったようです。それに比べれば、のろっこ号に乗れなかったことは、問題になりません。どうせ1日遅れでも運休で乗れなかったのですから。
流氷が岸から離れていくのがみられた(これが見られたのもラッキー)ことから考えると、1日遅ければ、流氷が少なくなっていたかも知れません。次の週明けからまた、低気圧が停滞し始め天気が荒れているようです。流氷の時期は終わりだという話も聞きました。流氷が見られる少ないチャンスにあたっていたようです。日程的には最良だったのかも。
−−食事について−−
何を食べたのかをよく覚えていないのが最大の問題だと気がつきました。普段よりいいものを食べているはずなのに。質より量で(最近は量も減ってきているが)、グルメには興味がないのがいけないのだろうか。それとも、ひょっとして代わり映えのしないもの(マグロの刺身・エビの天ぷらなど)ばっかりだったのだろうか。次回からは記録を取ることにします。
−−その他−−
見ようと思っていたものは、星をのぞいてだいたい見ることができました。それ以外にも、ダイヤモンドダストに伴う現象や、タンチョウヅルなど予定外のものもいっぱい見られました。非常にラッキーでした。
2月の新月に近い日を選びましたが、今思うと春節です。中国韓国系の人が多かったのに納得がいきます。きてもらうのはいいことなのですが、通路をふさいで長々と写真を撮ったりとか、ちょっと考えてほしいなという場面に何回か遭遇しました。たまたまなのでしょうか。それとも思い過ごしなのでしょうか。
荷物は、登山用に買ったリュックに入れています。大きめだと思うのですが、出発前から、ぱんぱん。小さいためでしょうか、それともいらないものを入れぎなのでしょうか。今回初めて、天体撮影用機材を飛行機に載せました。重量もまだ余裕があるということがわかりました。次回は別荷物にして、今後も持っていこうと思います(電池はすぐ出せるようにしておかないと)。
旅行に行って、山の写真を撮ったら、その山の名前が知りたくなります。解説している掲示板のようなものがあったり、誰かが教えてくれると簡単なのですが、そうもいかないことの方がたくさんあります。流氷ツアーの写真ではどうやって確認したのか、解説します。自分なりに、簡単だったものから、かなり悩んだものまで、初級編から上級編と、勝手にレベルをつけて書いていきます。
まず、一番目の写真です。層雲峡温泉街の入口から、黒岳のロープウェイ方面を撮った写真です。左側の高い山と右側に雪をかぶった白い山が見えます。この山の名前を調べるために地図を開くことにします。国土地理院の地図です。
黒岳に近辺に、3つの高い山があります。黒岳と凌雲岳、それとその真ん中にある高まりで名前は書かれていませんが桂月岳です。層雲峡から見ると、左から黒岳、桂月岳、凌雲岳の順番に並びます。山は3つ見えませんから、凌雲岳は右側に高く見える手前の山に隠れていることになります。桂月岳・黒岳ともに北西側に崖があります。層雲峡から見ると右側になります。山の形では、判断しづらいところです。黒岳の方は北側に崖があり。右手前側にある崖に対応しそうなので、黒岳の可能性が高いといえます。もう少し検討します。
左側の黒岳ロープウェイの駅があるピークから、黒岳頂上まで尾根でつながっています。写真で見る限りは、一続きの山ではなく、別の山のように見えます。また、黒岳・桂月岳は標高がほぼ同じなので、同じくらいの高さに見えます。、ロープウェイの山は右側の山よりやや高く見えるので、黒岳がその陰に隠れているようにも見えます。それなら右側の山は桂月岳ということになります。
地図をよく見て決着をつけることにします。見ている場所から、ロープウェイの山の方向にロープウェイがまっすぐ伸びています。線を引く手間が省けました。今度は、この山から、黒岳頂上に向かう尾根に沿ってまっすぐリフトの線が延びています。この2本の線はまっすぐつながるのではなく、逆「く」の字型に曲がっています。ということは、黒岳はロープウェイの山の右側に見えることになります。それでは、別の山に見えるのはどうしてでしょうか。二つの山は同じ高さに見えるので、つながって見えるなら、二つの地点の間の等高線の間隔は一定になります。ところが、地図を見る限り、リフトのあるあたりは傾斜が緩く、リフトが終わってから黒岳の間は傾斜がきつくなっています。つまりリフトの終点あたりは二つの地点より低く見えその結果、二つの地点は別々の山に見えるということです。当然桂月岳は、右手前側の山に隠されて見えていません。
従って、右側の雪をかぶって白くなった山は、黒岳になります。
次回は、もう一つの写真について検討します。続く..。
さて、バスが層雲峡から大雪湖に着きました。走り続けていますが、ガイドさんから解説が入ります。「今日は天気がよくて、雄大な大雪の山々がよく見えています。××が原、××岳……などが見えます」一度にたくさんの山の名前をいわれても覚えきれません。どの山を指して言っているのかもわかりません。まぁ後で調べればいいや、となります。
旅行記の写真は山が半分くらいしか写っていないので1分ほど前にとったこちらの写真にします。この山はたぶん知っている人にとっては何かすぐわかると思います。ところが初めてなのでわかりません(昨夏きていましたが雨でした)。戻って調べることになりました。写真の右端に、近くの山の斜面が写っています。この山の反対側斜面横にも、真っ白な雪をかぶった山が見えていました。斜面の山は、大雪湖の対岸に見えていた樹海トンネルの山です。
右側にも大雪の山が見えるから、大雪の山の北半分ではなく、樹海トンネルの山の分だけ南側を。地図を見ると高根ヶ原の文字が目に入ってきます。「××が原」に一致します。他に××が原はありません。これで一つ解決。尾根の向こう斜面にあるというのが気になりますが。これが端っこにあるとして、写っているのはそこから南に続く山。平ヶ岳、忠別岳、五色岳があります。なんかそんなような名前を言っていたような。よしよし。
ところが問題が発生します。地図から読み取れるこれらの山の形は、写真に写っている山に比べて、ぺっちゃんこのようです。写真では山からこちら側に向かって尾根が伸びていますが、地図では東向き、左側に振っていないといけません。こちらがわに伸びる大きな尾根は、忠別岳の尾根から分岐した1本だけ。山の高さも、真ん中の忠別岳が一番高く見えるはず。全く地図にあいません。別の場所を探そうにも、もっと南の山は、五色岳のかげになって見えると思いません。該当する山がなくなって完全にお手上げ状態です。
ほとんどあきらめかけていたのですが、旅行記に載せた写真を見ていて、一つのことに気がつきました。何かというと、湖面に落ちる山の影が、右に伸びています。ちょっと手前に振れているように見えます。撮影した時間帯と合わせて考えると、カメラの向いている方向は、南南東。調べた山はさらに左にありますから、方角は南。地図を開いて確認すると、ぴったりの山があります。東大雪の山々です。写真で見えるのは音更山(1932m)、そこから手前に伸びる尾根の曲がり具合もぴったり一致します。当然、山の険しさも。石狩岳(1967m)はちょっと遠い分低くなります。左に高くなる山の形もぴったり、ということで写真は音更山付近の東大雪の山と決定しました。
そこまでわかって、2つ目の写真を見直すと東側に低いところが結構な幅であり、大雪−東大雪の間の鞍部に相当すること、つまり一連の山ではないことが確認できます。気がつかなかったのは、最初に見えたときに、間を樹海トンネルの山が遮っており(これも予想外に大きかった)一続きの山に見えたこと、バスがカーブで曲がるたびにあっちが見えたりこっちが見えたりして、どれくらい離れているかどの方角が見えているのか感覚的につかめなかったこと、「雄大な大雪の山々」と解説があったことにより、さらに両方が一続きの大雪山系と解釈してしまったことにあります。
間違った思い込みがなければ、非常に簡単だったと思います。行き詰まったときは、思い込みをいかに突き崩していくかが解読への一歩と言うことにします。それには、地形以外の特徴を読み取ることも必要になるかも。
この写真も、今回の旅行中、大雪湖から石北峠に抜ける途中、大雪の山々がきれいに見えたときの写真です。前回の写真とほぼ同じ時刻に撮っています。
山の名前を調べる場合、どこにいるかが大事になってきます。その必要はないのですが、前回はやらなかったので、一応確認しておきます。まず、左下の白く平らなところは、大雪湖が凍りその上に雪が積もったものです。その白い部分の上の線は横にまっすぐで柵のようなものが見えます。ここにダム(堤)があると考えらます。右下には、水路の流量調整装置のようなものが写っています。これは、ダム上に作られることが多いのですが、大雪湖の場合ダム上に国道が走っている関係で、ダムの内側に設置されていると思われます。このようなことから、だいたいどのあたりにいるかがわかりました。ダムを上ってきて、ダムを少し越えたあたりです。
ここで、地図を用意したいのですが、地理院地図で、説明に必要な範囲を示すと、細かい等高線が表示されず役に立ちません。大きく伸ばし継ぎ合わせたものとか、市販の地形図、登山用の地図を持ち出さないといけません。地図の表示は省略させてもらって、手元にある地図を使って解説させてもらいます。地図を読む上でどのようなことがヒントになるかを知ってください。
黒っぽいところは、樹木が見えているところで、それほど高い山ではないことがいえます。左側に裾だけが、移っている山は、湖面に接しています。この山に対岸へ行く道路(ダム)がぶつかっています。このことから道路がトンネル(樹海トンネル)でくぐり抜ける山(1007m)とわかります。その右側に続く尾根は、1007mの山の背後に連なる尾根で1072mのピークなどが写っています。このことから、だいたい真西の方向を向いているといえます。
地図で大雪ダムの真西を付近の高いところを見ると、赤岳から白雲岳にかけての地域があります。その付近は、平坦な場所が広がっています(火砕流台地っぽいなぁ)。写真と一致します。
山の稜線を見ると、ゆっくり曲がっていて、左3分の1位のところが一番高くなっています。地図からすると、小泉岳(2158m)のようですが、地図から予測される断面図ほど険しくありません。下から見上げているのと、山頂付近が平らこととで、山頂は手前の斜面に遮られ見えていないようです。
小泉岳の近くには、白雲岳、東岳、赤岳などがあります。それらがどこに見えているのか検討することにします。
続く..(ここまでは簡単でしたが)
小泉岳からの尾根と東岳が写っていることわかったので、さらに細かいところを知るために、地理院の地図を使うことにします。下に表示させます。山を眺めているのは、ほとんど真東(右)からになります。
写真から位置を押さえられそうなところは、前回の写真の左側にあります。特徴をつかみやすくするため縮小率を少なくした写真を載せます。
写真でわかるのは、手前に向かって三角形の尾根が続いていることです。地図からは、小泉岳の南東の標高2100m付近から東に延びる尾根(2016mの尾根と呼ぶことにします)が読み取れます。この尾根でしょうか。だとすると、その北側(右)に東岳(2067m)が見えるはずです。雪山を背景に、なんかそれらしき高まりがあります。尾根の方が高いのが気になりますが、もっと高いところから見え始めているとすると問題はありません。それでいいのでしょうか。
三角形の尾根をもう一度確認してみます。そこから下の方に目を移すと、右寄りのところに、尾根を切るような幅の狭いはっきりとした谷が見えます。地図では、2016mの尾根にはこのような谷はなく、むしろ東岳の下(右)1800mあたりのところから深く狭い谷が突き刺さるようにできているのが読み取れます。つまり、三角形の尾根は、東岳を通る尾根になります。一番高く見えているところが東岳頂上でしょう。そうすると2016mの尾根がどこにあるかを確認しないといけないのですが、後に回します。
その前に右側に見えていた山のような高まりについて考えます。これは何なんでしょうか。地図には、東岳・赤岳の北東には、東平が広がっています。非常に平坦なので、山などなさそうです。しかし、この中もわずかに、尾根・谷状の起伏があります。注目したいのは、東平と書かれている南東にある東に延びる小さな尾根です。この尾根は、左右に並行して走る谷とともに手前(東)側にある崖によって断ち切られています。これを斜め下から見上げれば、尾根の端っこは山のように見えます。これで、山のような高まりの正体がわかりました。山のような尾根と呼ぶことにします。
拡大写真の、右端まで押さえられたので、今度は背後の稜線に目を移すことにします。稜線が一番高く見えるところがどこか考えます。写真では、東岳と山のような尾根との間、山のような尾根よりにありますので、地図でそのあたりをまっすぐ西に追っていって、はっきり押さえられるのは、小泉岳の北側に延びる尾根の途中にあるり2109mになります。ピーク周辺は比較的平らなので、こちら側から見えず、手前(東)側の2100m付近が最も高く見えています。だいたいこのあたりの高さ以下のところが稜線として見えていると考えた方がよさそうです。
今度は写真を左側に追っていきます。先ほどパスした2016mの尾根を探すことにします。東岳の左側に灰色の三角形で小さな尾根らしきものが写っています。これでしょうか。何となく貧弱です。再び地図を見直してみます。2016mの尾根の2050mより高いところは、東に向かって傾斜が非常に緩やかです。小泉岳周辺とあまり変わりがありません。ということは、この尾根の2050mより高いところは見えないとと考えた方が良さそうです。2050mの等高線は、この尾根によって東側に膨らんでいます。この場所が、東岳の左側に見えるちょっと高いところになります。そこから2020mまで落ち込んだ後、尾根は南東方向に向きを変えて伸びていきます。これがさらに左側に続く稜線になります。貧弱な尾根は、向きを変えるところから東側に見られる等高線の膨らみに相当します。左に伸びる稜線は、いったん高くなります。ここが2016mのピークです。
ピークから左側は、急速に低くなっていきますが、途中から緩くなるところがあります。何となく色が白っぽく背後にあるように見えます。背後に2099mのピーク(地図を上にドラッグすると出てきます)から緑岳につながる尾根が見えているようです。
東岳が、単独の山ではなく、形態的には小泉岳から東に延びる尾根の途中にある大きめのピークであると思えれば、読解は簡単だったかも知れません。実際は断続的に続いていますし、ひょっとすると単独の火山かも知れないのですが。
右半分が残っていますね。
まだ続く..。
今回は山のような尾根の右(北)側を調べることにします。やはり写真は大きめにします。同時に地図も載せます。
写真で目立つのはいくつかありますが、山のような尾根のすぐ右下にまっすぐ横に延びる灰色の模様から考えていきます。たぶんこれは、地形的なものではなく、灌木が多くなっているため雪が表面に少ないのかも知れません。地形的なことを考えると、この手前側が傾斜が少しきつくなっているようです。地図では、1930mあたりのようです。もう一つ上、山のような尾根からほんの少し下がったところにも山の尾根のようなものが右にわずかに高くなりながら続いています。東平の1990-2000m付近の等高線あたりが尾根のように見えています。
背後の稜線に注目します。2109mのピークから、だんだん下がってきます。途中で急に下がって先ほどの尾根のようなものにかくれています。急に下がり始める場所は、地図では、赤岳の南で東西に走る登山道の南100mにある谷(登山地図では第4雪渓)の南斜面です。その手前の尾根のように見えるものは、その右側で一番高くなっています。地図で東平と書かれているところから東に延びる尾根の先端部にあたります。
さらに右に下ったところに、小さいですが三角形の目立った山があります。等高線では対応できる山は書かれていません。赤岳(の文字)の北に、盛り上がった岩があり、そこに2078.5mの三角点があります。おそらくこれが赤岳頂上と思われます。どれくらい盛り上がっていてどんな形をしているかといったことは地図からは読み取られませんが、写真の山はここに対応させるしかありません。今後、赤岳?と呼ぶことにします。もっと右側を調べます。写真をさらに右側のものに代えます
赤岳?の、手前に広がるのは東平です。その、右端のあたり(写真では真中あたり)にこぶこぶのような物が見えます。地図では東平の文字の北側1990m等高線に沿ってあるいくつかの岩に該当します。西側に離れて一つある岩は見えていないでしょう。これらの岩の手前(下)側に谷が見えます。これは登山道のある谷になります。さらに手前側の林のある山の少し上に、横に走る白い筋の形で、尾根が見えます。駒草平(地理院地図にはでていませんが、東側を表示させると出てきます)の東の縁に相当します。
1990mの岩の右下に、斜めの黒い筋が見えます。谷の斜面と考えられます。筋が稜線とぶつかるところが1950mの岩記号のあるところで、すぐ横の小さな谷の岩側斜面がが黒く見えています。さらに奥にゆっくり下がりながら続いている稜線は1990mの岩から北に膨らんだ斜面です。
もっと右側離れたところにある白い山を考えます(拡大写真には一部のみ写っています)。赤岳の北東方向には、それほど高い山はありません。地図には、赤岳の北北西に烏帽子岳(2072m)が書かれています。これに相当すると考えられます。
今回、判読しづらかったのは、尾根でないところが尾根のように見えていることです。どこの部分がどのように見えているのかを考えながら見るというのはかなり大変なことです。簡単にここはどこと書きましたが、ここまで落ち着くのに数日かかりました。東岳や赤岳?はそれほど簡単に決定できたわけではありません。一つ対応させても、違和感が残りもやもやとした物がありました。いろいろ組み合わせて考えている内に何とかすっきりできました。それでもまだ気になるところはいくつか残っています(赤岳?の左側のピークは何かとか)。
地形図の等高線の形から、山の形がどのように見えるかを考えるのは大変です。なれていても、前回のように山頂ではなく、手前側の斜面の方が高く見える場合は見落としがちです。
パソコンでできないかと思って探したら、最近の国土地理院の地図では、表示できるようになっています。位置とか向きとかを変え、いろいろやってみました。写真に近いようなものも表示できます。最初の計算にちょっと時間がかかる(地図データの読取りの分と思われる)ものの、動きはスムーズで快適です。地名が表示されないので、平面図に近い形に戻し場所を確認して地名を決定しないといけないのが難点です。
フリーソフトにも、山の形を表示できる物があります。このソフトを使って前回の該当場所を表示させたものが右です。結構苦労したものが、あっという間にできてしまいました。わずかに違いがあるものの、ほぼ写真と同じ図ができています。赤岳の位置が稜線の角張ったところにあるのが写真とは違います。写真では角にあったのは1990mの岩です。線の入っている位置も写真より右のように見えます。一つは、少し高いところから見ている図を書かせたからかも知れません。手前の東平は、もう少し上にあるように見え、赤岳を隠しているとすれば、角に見えなくてよいことになります。東岳・赤岳三角点・烏帽子岳は、あまり変わらない高さで、ほぼ等間隔で直線上に並んでいるので、赤岳は、2つの山の真ん中にあることになりますが、作画結果はちょっとずれているかなとも思えます。写真では3つの山はほぼ同じ高さで、赤岳?はちょうど真ん中です。
ソフトを使うと簡単なのですが、登録されていない東平や2109mのピーク、1990mの岩のようなものの位置を探したいとなると完全にお手上げです。同様に、写真に写っている細かいところもどこなのかよくわかりません。自分で判読できるのが一番いいことです。最近はGPSで簡単に位置や高度がわかりますから必要はなくなっているのかも知れませんが、山の形から現在位置を読み取るのに役立ちます。このようなことのために山にパソコンを持って行くのもどうかと思います。これらの手段は、判読のための補助的な方法として使うのが、いいのではないかと思っています。
使い勝手のよいフリーソフトの名前は公開する方針です。逆にそうでないソフトは品名を書かない方針です(有名日本語変換入力ソフトの名前を書いてしまったが)。このソフトについては、地形データが必要なのですが、入手するのは有償になります。やむを得ない面もあるのですが、事後経費がかかるので有償ソフト扱いさせていただきます。もう一つ、大昔に買った解説雑誌の付録データを読み込ませたのですが、データのインストール後は動くのですが、再起動すると、データを読み込まなくなっています。何回もインストールしなおしたりとかで、1日以上かけてこれに奮闘していますが未だに改善しません。今のところ非常に使いづらいと思っています。動いていたときは快適だったのですが..。