2015/05/12-18 青ヶ島八丈 島巡り
前々から行って見たかったところの一つに青ヶ島があります。島の外周より真ん中の方が低くなっている奇妙な形ということに興味がありました。八丈島を経由して行かないといけないので、ついでに八丈島も寄ることにします。時期を考えます。昨年7月に小笠原に行ったときに、見損ねたものの一つに夜光茸があります。小笠原では時期を過ぎていました。八丈島でも見られるようなので、小笠原での時期にあわせます(完全に読み間違えています)。
6月は雨が多くなりますので、5月に行くとして日程と行程をどうするかが問題です。当然星も見たいので、新月の18日を含めその直前になります。次に問題となるのは青ヶ島への交通手段が有るかどうかです。八丈島からの交通手段は2つ有ります。ヘリで渡る方法と船で行く方法です。ヘリの予約状況は、往きのみ12・13日が空いています。これで行くとして、帰りのヘリは空いていませんので、船になります。14日は出港しません。東京港へ燃料と荷物を積みに行っているようです。15日の船で帰るとして、13日がいいようです。
ヘリを申し込もうとしたらもう一つ問題が見つかりました。星を見る(写真を撮る)ためにポータブル赤道儀と三脚が必要です。これだけで重量が5kg近くあります。荷物は5kgまでが無料ですので、どう考えても超過料金が発生します。これは支払うとしても、ウェブサイトに書かれているサイズ(20-25-40cm)をわずかに超過します。三脚は雲台を外して、その対角線に入れたとしても無理です。往きは船かなと思いつつ、宿に予約を入れたところ、大きめの荷物を預けることも可能だとのことです。荷物の確認もかねてヘリの予約を電話ですることにします。少しくらい大きな(10kg程度超過しても)荷物なら可能であることがわかりました。青ヶ島に入るのは13日のヘリに決定しました。
13日のヘリに乗るためにはどうすればいいかを考えます。ヘリは八丈空港を9時20分に出ます。そのための搭乗手続きは8時50分までです。船は八丈島底土港8時50分着なので間に合いません。飛行機なら羽田7時30分発八丈8時25分着がありますのでそれに乗れば何とか間に合います。荷物が10kgを越えますので、預けないといけないのでその分ヘリの搭乗手続きに行く時間が遅れ、間に合うか心配です。ヘリの予約時に確認したところ、青ヶ島便に乗りたいといえば何とかしてくれるかも知れないとのことでした。
次は、羽田に間に合うように着く方法です。1時間前の6時30分頃にはつきたいです。となると羽田周辺に泊まるか、夜行バスを利用する方法が考えられます(前日の飛行機で八丈島に渡っておくという方法もあります)。大阪から夜行バスを使うとして、東京行きのバスが新宿などに着いてから羽田まで移動時間を計算してもわずかに足りません。あきらめかけたのですが、その中に横浜経由のバスがあるの見つけました。横浜で降りるとどうなるか調べてみると、何とか間に合いそうです。後日、このバスの予約を取ろうとしたところ、川崎5時30分着というバスが見つかりました。横浜より羽田に近いのでちょっと早く着くくらいの感じです。このバスで行くことに変更します。
次は帰りです。青ヶ島を出る船が15日としても問題があります。欠航率が60%以上とあまり当てにできないことです(ヘリでも欠航率はけっこう高い)。予備日を設ける必要があります。八丈島の滞在日数を多めに3泊として対応します。この期間は土日を挟むので宿泊者は多いようで、何軒目かでやっと取れました。
八丈島で何かのツアーがないか探したところ、八丈小島に渡れるツアーを企画しているところがありました。その会社に連絡を入れたのですが、あいにくと沖縄へ社員旅行に行っているとのことです。八丈小島はあきらめます。
最後に、八丈島を出る方法です。船は朝出て夕方に東京に着きます。飛行機の最終便より遅くなります。料金も飛行機の割引を利用すればそれほど変わりません。最終の飛行機(17時20分発)に決めます。
計画ができたので、バスと飛行機の予約をネットで入れ、代金をコンビニに支払いに行きます。これで準備は完了です。飛行機は座席も予約できるのですね、始めて知りました。
青ヶ島への旅行計画はできたのですが、1週間ほど前になって問題が判明してきました。それは、フィリピン東方にある台風6号が、12〜13日頃日本列島に接近しそうだということです。気象庁が発表する進路予想で13日の予想位置が発表されるのは5日前の8日ですが、その時の図では、旅行にかなり影響しそうな位置にやってきています。9日の昼時点では、13日9時の予報円の中心は八丈島付近にあります。
図は、気象庁が9日12時に発表した進路予想図を切り抜いて表示しています。
この時刻は、八丈島でヘリを待っているはずの時刻です。予報円の中心に台風がいるとしたらヘリは絶対に飛び立てません。それどころか、八丈島に行けるかどうかも問題になります。
台風の進路予想は、台風の進路が東に向きを変え始めると精度が上がります。もう少し様子を見ることにします。
10日の昼過ぎあたりから、台風の進路が東に変わり始めたようで、予報円の大きさも小さくなってきています。
11日21時気象庁発表の進路予想図の切り抜きです。
進路予想の中心でみると、12日の真夜中に静岡付近に上陸し、13日3時過ぎには日本の東海上に抜けています。これだと飛行機・ヘリとも飛び立てそうです。2・3日の間に進路予想図が大きく変化したので変化が少なくなるまで、もう少し様子を見ることにします。一番気になるのは、台風の進行速度が80〜100km/hとものすごく速いことです。
12日10時でも予想図はあまり変わらなくなりました。このぶんですと飛行機・ヘリとも大丈夫そうです。でも、まだ問題があります。夜行バスは10時前に大阪を出て5時30分に川崎に着きます。台風のすぐ後ろを走って行くような感じです。これだと、高速道路に最高速度規制がかかり、バスが遅延する可能性があります。今回程度の台風ではでない可能性の方が高いのですが、通行止めになることもあります。逆に、何事もなく到着する可能性も。一応大事を取ってバスはキャンセルし、早めに東京に行くことにします。運行中止でもこちらから先にキャンセルするとキャンセル料が発生しますので、15時の運行状況が発表されてからにします。
12日晩の宿をどうするかが次の問題点です。羽田に近い蒲田付近をあたってみますが、ホテルはどこも満室です。企業が帰れなくなることを想定して宿を押さえにかかっていることも考えられます(よく調べてみると普段からいっぱいのようす)。ネット上で1軒だけ空きがあるのを見つけました。早速申し込んだのですが、システム上のミスらしく泊まれないとの電話がかかってきました。やむなく地域を川崎まで広げてみようかと思ったのですが、蒲田にカプセルホテルがあったので、そこにしました。寝るところは夜行フェリーの特A寝台とあまり変わりがありません。気にすることもないでしょう。
台風の状況を見ながら、いろいろと手続きをしましたが、台風も追いかけてくることですから、そろそろ出発することにします。まだ、雨は降っていません。
京都駅から新幹線に乗り換え品川駅まで行きます。品川駅では屋根に当たる雨がすごい音を立てています。ここの駅ナカで何か食べようかと思ったのですが気に入ったものがないのでパスします。ここから京浜東北線で蒲田まで移動します。駅ビルで軽く食事をとります。宿を探します。強めの雨が降っていますが、なかなか見つけられません。場所をしっかり確認しておくべきでした。足下がずぶ濡れになりました。
宿は何とか見つけることができました。サウナがついています。あまり好きではないので、お湯だけ浸かることにしました。それでもついて時刻が遅かったのでもういい時間です。寝ることにします。
朝には雨はやんでいました。道路に看板が倒れていたり壊れた傘が散らかっています。強風が吹いていたようです。青空が広がっています。
京浜急行の蒲田駅まで歩き、電車で羽田空港まで行きます。料金がちょっと高いような気がしました。見間違えていたせいです。それでも乗車時間に比べて高めです。電車の乗り場は、東京方面から来る電車と横浜方面から来る電車とでは階が違います。最初に行ったのと違うホームからでるようなので移動します。階の間の段がちょっと長めです。
羽田空港に到着です。出発口と書いてある方に進むのですが、いつまでたってもつきません。おまけに何階にいるかもわかりません。ここだけで大きな建物です。やっとの事で受け付けカウンターに着きましたが、手続きの方法がよくわかりませんので、適当に並びます。ネットで座席指定が終わっていたので、荷物検査を受けて預けるだけでよかったようです。手続きはすぐに済みました。セキュリティチェックも無事通過、昔関空で1時間かかったことを思えば、非常に早く終わっています。まだ朝食を食べていません。ETCカードのために入っているクレジット会社のカードを提示すれば、ラウンジが無料で利用できるとのこと、ソフトドリンク・ベーグルがつきです。そこは、人がいっぱいです。やっとの事で席を見つけました。ここから搭乗口まですぐだろうと、ゆっくりしていたのですが、ここからもまだあり、搭乗口に着いたのはぎりぎりになりました。
飛行機がゲートを離れてから、滑走路に着くまでも結構かかりました。その間に、富士山が見えました。いい天気です。
離陸してから、しばらくは眼下に房総半島が見えていましたが、その後、海しか見えなくなりました。
そこからそれほど時間がたっていないようですが、着陸態勢に入りましたと指示があります。いよいよ八丈空港におります。どう見ても山より低いところを飛んでいます(当然ですが)。
八丈空港に着きました。窓から、ヘリを探したのですが見当たりません。出るのかどうか心配になりました。荷物を受け取ってから、搭乗手続きに向かいます。ちゃんとやっています。運行するようです。手続き時間には間に合いましたが、一番最後です。
乗ってきた飛行機が飛び立つのを待って、搭乗口に向かいます。ここでも、普通にセキュリティチェックががあります。待合室からヘリが待機しているのが見えました。
しばらくしてから、ヘリに乗り込みます。自由席です。でも乗った順に奥から詰めていくことになります。実質上席は選べません。そのまま飛び立つのかと思ったら、滑走路まで移動していきます。そこでちょっと浮き上がった後、斜め前方に進んでいきます。ヘリは音の大きいロープウエイのような感じです。
八丈島が見えなくなったと思ったらすぐに、運転席の窓から青ヶ島が見えてきました。
着陸後すぐに荷物を受け取って解散かなと思っていたのですが、係員は送り出すのに忙しく、荷物受け取りは乗って来たヘリが飛び立つまで待たされました。
予約した宿は、ヘリポートのすぐ近くですが、迎えに来てくれていました。島内の宿は1泊3食付きです。というのも、食事のできる店がないからです。あとで、島内をまわって見つけたのは、酒屋さん1軒、居酒屋さん2軒、自動販売機2カ所だけです。
帰りのヘリが予約できなかったと告げると、青ヶ島は来るより帰りの交通の方が大事だといわれました。
青ヶ島に着いたのが10時前、昼ご飯の前に宿に戻ってこないといけません。午前中は宿の周りを散策することにします。その前に、星を見るところを下調べしておきます。付近で開けているところは、ヘリポートあたりにあります。パンフには、尾山展望台や神子ノ浦展望台が書かれていますがちょっと離れています。山道を歩かないとというのも大変です。宿を選んだのは、庭からの星がきれいというのがうたい文句だったのですがどうでしょう。玄関前は、玄関の明かりがあるのと、高いところに電線があります。裏庭にまわってみます。駐車場のようになっていて部屋の窓からの明かりはあるもののそれほど問題にはならないでしょう。広いので、観測場所を選べば、周囲の樹木もそれほど妨害にはなりません。裏庭で見ることにします。
宿を出て、島の最高峰である「大凸部(おおとんぶ423m)」に行くことにします。標識に従って進んでいきます。林の幹にたくさんのトコロが絡まっていて、穂を出しています。花を咲かせるのでしょうか。
大凸部までは、元々の標高が高いので、それほど登ったという感じでもないのに到着です。大凸部は、カルデラの外輪山の一部にあたります。ここから、カルデラ内中央火口丘の丸山が見えます。丸山は内側に丸い凹地を持っていますので内輪山の扱いになっています。手前側の草木のないところがあります。何なのか気になります。
西側を見ると、海が見えます。かなり波があれているようです。波頭の立っているあたりは、海食台が沈んでいて浅くなっているのかも知れません。
北側は台地状になっていて集落が広がっています。古い火山体が埋積されているのでしょうか。町中の崖などでは火山砕屑物に覆われているのが確認できます。
山頂展望台には、ツマグロヒョウモンが何羽か飛んでいます。雄ばかりです。雌はどこに行ったのでしょうか。
山を下りた後今度は、集落北側の平地(平ノ耕地)へ行くことにします。集落より一段低い台地になっています。集落から一段低いところに降りる時に空を見ると日暈がかかっていました。ことわざでは雨が降る前触れですが、天気はどうなるのでしょう。
段の下側ではものすごい強風が吹いています。電線がうなりを上げ、笹や木の枝が山を吹き上げる風に流されています。
道ばたに、ガクアジサイが咲いています。この後、いろいろなところで見かけることになります。パンフに書かれていたタマアジサイとは違うもののでしょうか。花期が異なっています。
平ノ耕地は牧場になっているようですが、牛は見かけません(翌々日はいました)。代わりに、アマサギがいました。近づこうとしたら飛び去っていました。同時に、鴫類の鳥も飛び去りました。全然気がつきませんでした。
平ノ耕地は行き止まりになっています。元来た道を引き返し、ヘリポートの奥に見えていた神社を目指します。金毘羅神社といいます。神社の鳥居は笹で覆われているようですが、歩きやすいように刈り取られていました。
後ろを振り返ってみると、外輪山全体が見えます。左側の、緑色のシートを貼ったような奇妙なものが何なのか気になります。その前に、もう12時を過ぎています。昼を食べるために宿に戻らないといけない時刻です。
昼を食べ終わって、午後の行動を考えます。島北東部から中央のカルデラに降りる道を通り、道沿いに三宝港まで行き、島西側を通る道がから帰ってくることにします。
島北部東側の神子ノ浦に寄ります。道は展望台から先は通行止めになっています。海岸へは降りられないようです。展望台から海岸を見ることはできます。岩石がたまった浜のようなものがあるようです。波は荒れています。険しい断崖になっています。降りるのは大変でしょう。
戻って外輪山の方に向かいます。途中の小学校の前に信号機がありました。教育用の信号機です。日本で9番目に大きな島(本州などをのぞく)でも、2ヵ所の小学校の前にだけあるというのを見たことがあります。
山の斜面に見える緑色の奇妙なものの方に行きます。取水場と書かれた建物があってそのすぐ上に広がっています。排水溝やパイプが張り巡らされています。どうも、雨水集めるために作られているようです。コンクリートむき出しでは目立つので、緑色に塗っているのでしょうか。それでも目立っています。
そこから、尾山展望台に行く道があります。登って行くことにします。尾山展望台も外輪山の頂上の一つにあります。丸山と外輪山が見えます。水平線はかすんでいてはっきりとしません。水蒸気が多いのでしょうか。
頂上近くは広場になっていて、世界地図が書かれています。
そこから、尾根沿いに進む道があります。その道を行くと、次の山の頂上に神社があります。東台所(とだいしょ)神社です。壁が赤く塗られています。鳥居は朽ち果てています。
ここからまっすぐ降りる石段があります。傾斜がきつく、玉石が積まれている上、すき間に雑草が生い茂っているので、足を滑らしやすそうで危ないのでここを降りず元来た道を帰ることにします。
途中、カタツムリがいました。これまでも、道路に出てきて、身動きが取れなくなったものをたくさん見かけました。台風の雨で湿気たところに遠出しすぎて帰れなくなった様です。この子は帰れるのでしょうか。ミミズも同じように道路に出てきているのをたくさん見かけます。
山を降りて、島をまわる道路に出ます。民家がなくなってしばらく進むと、大里神社上り口に着きます。ここにも寄ることにします。はじめは緩やかだったのですが、途中からきつくなります。ここも、玉石の石段があります。東台所神社のものよりは緩やかなので、降りることはできそうです。登っていきます。ここで生えている雑草は、フキやアシタバが主になっています。
石段を登り切ったところにある鳥居も朽ちています。神社は小屋のような建物なのか、先にある3つの祠なのかよくわかりません。
元来た道に戻り20分ほど歩くと、道は外輪山の外側から内側に入ります。ここから、分岐する道があり、海岸の大千代港方面に向かうことができます。地図では途中から点線になっているのも気になりますので寄っていくことにします。
途中、木の間にメジロがいました。シチトウメジロと呼ばれているのですが、普通のメジロとどこが違うのかよくわかりません。
道はカーブのところで崖崩れのため通行止めとなっています。その正面の崖は大きく崩れ、岩肌がむき出しになっています。
眼下には突堤(桟橋)のようなものが見えます。のぞくだけでも怖くなります。ここから先は危険なので、引き返すことにします。
元の道路に戻り、さらに進んでいきます。外輪山の内側に入りましたので下り坂になります。すぐに、トンネル入口にさしかかりますが、中に入らずに旧道の方に進みます。ヘアピンカーブが続きますが、歩く分には問題がありません。20分ほどで下まで降りきります。下から見ると外輪山の内側は切り立ているのがよくわかります。
カルデラ内部は、水がたまりやすいのか、樹木がよく育っています。林床にはオオタニワタリが、いっぱい見られます。
農園の横にはアマリリスと思われる花がいっぱい咲いていました。ヘリポート近くにもあったのですが、こちらの方が群生しています。
キャンプ場を過ぎて坂を登ると、草の生えていない斜面の上に出ました。ここは、大凸部や尾山展望台から見えていた、草の生えていなかった場所の端になります。草の生えていない原因はすぐにわかりました。なんとなく生暖かい感じがします。岩の隙間から湯気の出ているところもあります。この付近一帯から、火山の噴気が出ているようです。硫黄とかのにおいはありませんから、単純に水蒸気だけが出ているようです。
この蒸気を利用したサウナの施設があります。結構歩いてきたので、用意した水が少なくなっていました。ここにある自動販売機で補充します。ついでに、この先の道を確認すると、崖崩れで通行できなくなっているといわれました。元来た道で帰るとしたら、距離的に倍ほどあります。夕食に間に合うか心配です。それとそれまでに夕日も見ておきたいです。西側道路からは見ながら帰ることができますが、東側道路では日が沈むまでに夕日の見えるところまで行かないといけません。ショックです。
とりあえず、気を取り直して戻ることにします。元きた道は、何となく行けそうです。通行止めの標識も出ていません。港に抜けるトンネルの入口まで行ったのですが、港から先、特に宿近くになってから通行止めがわかるとどうしようもありません。通行止めがわかっただけでもよしとして引き返します。
途中外輪山の底部から蒸気が噴き出し、そこだけ草木の生えていない一角がありました。先ほど草の生えていなかったところの向かい側にあたります。蒸気が噴き出しているのは、この一画と、先ほどのキャンプ場・サウナのある一画の2カ所のようです。
ここからの帰り道、外輪山へ上る道を歩いていたら、通りすがった車の運転手さんが途中まで送ってくれるといいます。時間的に焦っていますので、お言葉に甘えることにします。時間に余裕があれば、景色を見ながら歩いているところです。運転手さんが言うには、声をかけても乗る観光客は少ないそうです。何となくわかります。
車で集落の入口まで送ってもらえました。ここから宿までは1km足らず、今度は早く着きすぎたようです。歩いていても何とか間に合っていたようです。ぶらぶらと歩いていると、坂の下の方から犬の散歩で上がってくる人がいます。この道は通れそうです。青ヶ島の道は、個人の家に行く道なのか公道なのか区別しにくいところもあります。行けそうなのでいってみます。
道は海の見えるところまで行き止まりになっています。しばらく眺めてから引き返します。途中、木の枝に鳥が止まっていたので撮ってみました。あとでよく見ると、カワラヒワでした。逆光なのでわかりづらかったのもありますが、鳴き声でわかったはずです。違う鳴き方をいていたような気がします。
ここから、町中を迂回しながら宿に戻ることにします。
宿に戻ったのは5時半頃、ちょっと休憩してから夕日を見に行くことにします。日没は6時30分、夕食も6時30分とほとんど同時です。戻ってくる時間を考えるとちょっと間に合いませんがわずかですのでいいでしょう。場所は、宿からちょっと登ってから脇道に入ったところ。午前中に下見していました。行って見ると強い風が吹いています。見晴らしのいいところは風が吹き付けてくるようです。よけるところもありますが、夕日は見づらくなります。ちょっと我慢します。
ここから見ると、水平線近くはもやのようなものがかかっていて、そこに太陽が入ると、急に暗くなっていきます。水平線に沈むのを見るのは無理なようです。もやの中では太陽は揺らいでいます。天文用語ではシンチレーションが悪いといいます。そのため、太陽の形は様々に変化します。写真では、壺のような形になり、その中に黄色い明るいものが詰まっているように見えます。これ以外にも、頭がとがったり、平らになったり様々に変化していました。真四角になるまでには至らなかったのですが、透明度が高ければそのようなもの見えていたかも知れません。
このあと、しばらくは、太陽がもやの中にかすかに透けて見えていましたが、そのうち見えなくなりました。
宿に戻り夕食を食べてから、星の撮影機材を準備し裏庭に行きます。星は見えているのでしょうか。
北西方向からの強い風が吹いています。その風にしめった空気が流され、頭上の手前あたりで雲になり、その雲が南東の空まで覆い尽くしています。見えているのは、北斗星からしし座にかけての領域より下側です。水平線近くは濃い湿気のせいでもやがかかったようになっています。
北極星が見えるので、これを利用してポータブル赤道儀の極軸あわせをします。ところが、北極星をどこにあわせたらいいのかわからなかったので、真中にしました。
まず西の空を狙います。今見えている星が沈んで見えなくなるかも知れないからです。真ん中低くに金星、左上に木星、右側下の方にぎょしゃ座カペラ、左側下の方にこいぬ座プロキオンが写っています。金星のあるあたりから双子が並んで立っています。真ん中やや左に並んで二つある星が二人の頭です。金星あたりから低いところもやで明るくなっています。金星から木星方向にかけて少し明るくなっているようにも見えますが気のせいでしょうか。本当に明るいのなら黄道光ということになりますが..。
この後、ふたご座を狙いましたが、うまく画角に収まっているかよくわかりませんでした。その後北斗星やこぐま座、しし座などを撮ってみました。しし座付近は雲が湧いてくるところなので、なかなか長時間露出できませんでした。写真はしし座です。
先ほどの西空の写真、木星の近くにプレセペ(M44)が写っています。拡大してみることにしましたが、ピントがうまく絞れません。ちょっとぼけていますが、何とか写した1枚です。
しし座とおとめ座の境界あたりに銀河の多い領域があります。狙ってみたのですが、星が流れています。極軸をあわせるために北極星を入れる位置が違ってたのと、途中で三脚を蹴ってしまったのが原因のようです。
ここまで、強風で体温が奪われ半分震えながら見ていました。これ以上いると風邪を引きそうなのと、再び雲が広がってきたのとで、星の観測は終わりにします。
朝食時に宿の人から、昼はどうするのかと聞かれました。1日中、中央部のカルデラ底に行きたいのですが往復する時間がもったいないです。弁当かおにぎりがあればお願いしたいと答えると、それなら「ひんぎゃセット」が用意できるできるけど11時になるとのこと。それでも午後の滞在時間が2時間ほど長くなります。それでお願いすることにします。
午前中の行動を考え直さないといけません。11時までに帰れそうな所としては、昨日行けなかった西海岸の道路があります。行けるところまで行って見ることにします。
道を歩いていると沖合を進む船が見えます。海岸付近は切り立った崖になっていますので、ほとんど斜面に隠れるように進んでいます。
山側です。島最高峰の大凸部あたりになるのでしょうか。
道は、斜面の中ぐらいの高さのところを進んでいきます。かなりの急斜面です。見えるところはありませんが、この下に100m位の高さの崖があります。
途中に、牧場のようなところがあり、牛が2頭いました。こんな急斜面のところでも牛は動き回れるのですね。
斜面のコンクリートで覆われているところに、四角くくりぬかれている一画があります。何かが祀られているようです。たくさん見かけます。
谷があると、海岸が見えないかと覗いて見るのですが、見えるところはないようです。谷の水は、滝のようになって海に流れ落ちているのでしょうか。
道路沿いの木々の間に、メジロがたくさんやってきていました。写真には2羽写っています。
こちらのメジロはさかんに桑の実をつついています。
崖崩れの現場に到着です。真ん中ぐらいの高さのところ通っているはずの道路がありません。上の方に仮の足場が作られています。
海岸を見ると三宝港が見えます。防波堤がなく、波が打ちつけている桟橋があります。船はどこに着くのでしょうか。
三宝港が他の漁港と違うのは港内に漁船がないことです。それではどこにあるのかというと、高台にあります。港内は波が高く停泊できないので、毎回ケーブルで運び上げているようです。運び上げるための装置も写っています。
港の見えるところまで来ましたが、道はこれ以上進めません。引き返すことにします。ゆっくり歩いて集落のあるところにまで戻ったのですが、まだ30分ほど時間があります。大凸部遊歩道の方に行ってみることにします。昨日、ウグイスが見られたのですが、写真には取り損ねたので今日もできるかと期待してのことです。ちなみにウグイスはどこでも良く泣いています。本州と鳴き方がちょっと違うように聞こえます。一般的な「ホーホケキョ」の真ん中の「ホ」の音程はそれほど低くなく、弱いような感じです。新聞には競争がないため鳴き声が単調になっていると書かれていました。
見つけやすそうな鳴き声がしているあたりを探すと、見つけることができました。枝の間にいる鳥はオートフォーカスでは思い通りにピントを合わせてくれませんので苦労します。昨日撮れなかったのそのせいです。この後もいろいろな鳥で悩まされることになります。
そこから帰る途中の木の枝の上に、スマートな鳩がいます。見ると首元がきれいな色をしています。カラスバトです。
11時近くになっていますのでいったん宿に戻ることにします。
宿で、ひんぎゃセットを受け取り料理方法を教わってから、カルデラの方へ向かいます。
途中、集落の外れに、名主屋敷跡というところがあります。昨日車で送っていただいた方は、何もないと言っていましたが、念のために確認しておきます。
標識のあったところから坂を下りていくと玉石垣が組まれているのが見えました。きれいに積み上げられています。これだけの玉石をどこから持ってきたのか気になります。青ヶ島には大きな川がないので、河原からというのは考えられません。となると海岸からですが、それも島全体が断崖絶壁に囲まれているので、そこに近づくのさえ容易ではありません。また、集めた石を持って急斜面を上がってくるのも大変です。
そう考えたときに昨日の東台所神社や大里神社の石段を思い出しました。そこも、石の大きさは半分以下だけど玉石で組まれています。昔は、石を海岸から運び上げてくるというのは当たり前だったのでしょうか。
屋敷跡とよばれるところに入ってみると、周りが石垣で囲まれています。玉石でないところもあります。シュロや樹木が生い茂り全体の配置が良くつかめません。どこにどういうようにどれくらいの大きさの建物が並んでいたのか、興味はありますが考えてもようすをつかみきることはできません。
ここは行き止まりのようなので、元来た道に引き返します。戻ったところに、ツマグロヒョウモンの雌がいました。雄よりきれいなように見えます。ある種の毒蛾への擬態なのだそうです。
そのまま道を進み、外輪山内側にまわりカルデラの底に降ります。そのまままっすぐ進むと、噴気孔群のあるところなのですが、もう一本横にある道路沿いを見ていません。寄り道をしていくために少しだけ戻ります。この道からは丸山が間近に見えます。
戻って目的の道路への分岐を過ぎたあたりがオオタニワタリの群生地になっています。標識がありませんので、こことは確定しづらいのですが、森林が茂り林床にオオタニワタリがたくさん生育しているところがありました。樹木に絡みついていたスイカズラが花をつけていました。ジャスミンにも似ているような感じがします。
目的の道路に戻って進むと途中に、島庁跡地と呼ばれる場所も通ります。農地が広がっているあたりがそのようですが、これも遺構らしきものや標識がないので断定はできません。
カルデラ内の農地を見るとちょうど植え替えの時期なのか土がむき出しになっていることが多いのですが、植わっているもので目立つのがヤシのような植物です。簡単にロベと呼ばれています。フェニックスの仲間で、観賞用に販売されているようです。
道ばたのオオタニワタリも何か植え付けたような感じがします。これも観賞用に売られているのでしょうか。
もう少し進むと、きれいな鳥のような花が咲いてる場所に出ました。ストレチア(ストレリチア、極楽鳥花)です。南アフリカ原産の植物だそうです。そんなに数は多くないのですが路端にあるというのは、この付近の気候と関係しているのでしょうか。植えっぱなしになっているような感じです。4
ここまで来ると、噴気孔のあるところまではあと少しです。
「ひんぎゃ」について解説しておきます。青ヶ島の真ん中にある丸山の西部とその向かい側外輪山の底のあたりには、蒸気を噴き出している穴がたくさん見られます。この蒸気噴出孔のことを地元では「ひんぎゃ」と呼んでいます。成分のほとんどが水蒸気のためか。噴気孔には、硫黄などの沈着物はほとんど見られません。
このひんぎゃから噴き出す蒸気を、昔からサウナ代わりに使ったり、料理に使ったりしていました。
料理に使う場合は、吹き出した蒸気を釜の様なものの中に流して蒸し料理を作ります。釜は地熱釜と名付けられていますが、写真のようなものと、オーブンのような形ものと2種類あります。ジャガイモや卵などを温めるのが一般的なようです。使った地熱釜には魚のかけらがこびりついていましたので、魚を蒸すこともあるようです。
宿でもらったひんぎゃセットとは、この地熱釜にセットして暖めて食べられるようにした食材のことです。材料を、上のふたを開け中に入れます。できた食材は取り出しやすいように、中にはぴったり収まるかごが入っています。
まずは、持ってきた具材を中に並べて入れます。次に、フタをして、足下にあるコックをひねって蒸気を送り込みます。後は、具材の中まで熱が通るまで3〜40分ほど待つだけです。
待っている間に丸山のお鉢を一周できそうです。まわってくることにします。食材は誰かに取られないかって?、あたりには誰もいません。その心配は無用です。いちばん左の釜には、いつのものかわからないジャガイモが一つ入って蒸され続けていました。
丸山に向かう道路の縁にある穴からも盛んに蒸気が出ています。
登り口を入ったところでスミレの花が咲いていました。パンフに書かれていたシチトウスミレなのでしょうか。よく見かけるスミレとの違いはよくわかりません。
途中で、ホトトギスの鳴き声が聞こえてきました。八丈島では6日が初鳴きだったそうです。こちらでも鳴き始めた頃なのでしょうか。さすがに姿を見つけることはできませんでした。
すぐに、一周遊歩道に出ます。そこから右回りにまわることにします。北東側の頂上に展望台がありますが、外輪山の方はよく見えるのですが、噴火口の方は草木が生い茂ってよく見えません。カメラを持ち上げて撮ったのですが、底までは写りません。
その後も、草木の間を通っているという感じで景色はよく見えません。ほとんど一周した頃に上り坂になりその頂上に富士様神社がありました。農作業が安全にできるように祈願するために作られたものだそうです。
その横側は、急に見晴らしがよくなります。噴気孔群の上に出たからです。噴気孔群全体が見渡せます。右側の黒い建物が休憩小屋、左の白い建物がサウナと製塩工場です。間に駐車場があり、その左横に小さく地熱釜が写っています。左奥の建物には建設資材などが置かれていました。
もう少し進むと丸山噴火口一周は終わりです。戻って食事をすることにします。ここで、ミスに気がつきます。ご飯を温めるのを忘れていました。休憩小屋の横にあるオーブン型の地熱釜に、ご飯をできるだけ袋の中に広げて入れてセットします。その後駐車場横の地熱釜で暖めているおかずを取りに行きます。戻ってきて、おかずを弁当箱に並べます。すべての用意できたところでご飯を取り出すと何とか暖まっていました。結構早く暖まるものです。袋に入っているのは鶏肉のトマトソース香草煮(勝手に名前をつけていますが)です。
並べてみるとなかなか立派な昼食です。町中とかで食べたら、地熱釜料理とか何とか言う名目も合わせて、ん千円取られそうな気がします。青ヶ島に来たら絶対食べるべきです。
食事が終わって一段落付いたら、カルデラ内の散策に向かうことにします。まずは、丸山山麓を一周する道路を歩きます。歩き始めてすぐに林の中に入ります。木々の間で見つけたのはアカコッコです。伊豆諸島南部にいる鳥です。
カルデラ内は水分が多いのか、シダ植物が目立ちます。木生シダのヘゴです。
オオタニワタリもたくさん生えています。このあたりが群生地になるのでしょうか。
もう一つ気になる植物があります。ゲットウ(月桃)なのでしょうか。沖縄では普通にありますが、小笠原にも多いと聞いています。葉脈はストレチアに似ていますが、斜めに走る葉脈はそれほど目立っていません。
山をまわって行くにつれ原生林ぽくなりますが、木々はあまり太いものは少ないようです。このあたりは、300年ほど前の噴火で溶岩に覆われています(たぶん)。
原生林のようなところもそれほど広くなく、すぐに開けてきたと思ったら青宝トンネルが見えてきました。東京都内!有数のトンネルだそうです。そういえば、もう一つの平成流し坂トンネルも長いトンネルです。
青宝トンネルを抜けると三宝港に出ます。カルデラ内は意外と標高が低く100m足らずです。
三宝港の波は荒れていました。これでも、テレビ中継されていた映像と比べてみると穏やかな方です。
下から見た崖崩れの現場です。道路は高いところを通っているのがわかります。朝は、崩れた横にある白い建物の近くまで来ていたことになります。
三宝港の待合所です。柵が波で曲げられ、窓ガラスや扉も破壊されています。海面より5m以上高いところにあるのに、これだけ壊す波の破壊力に驚きました。この待合所は現在は使われていません。
港にいるとなぜか水分が抜けたような感じになってきました。照り返しがきつかったからでしょうか。カルデラに戻ることにします。
トンネルをくぐって戻ったところにあったのが、火山観測装置です。何を測っているのでしょうか。この感じでは、地震計のようです。
ここからまっすぐ進んだら帰ることができますが、噴気孔群のあったところによってサウナに入ってから帰るとします。4時からなのですが、早めに開いていました。
サウナの中は暑いくらいです。たくさん汗が出てきます。ここで問題なのは、飲料水がないことです。ここまでいっぱい歩いてきた者には応えます。
サウナで汗をかいたので、自動販売機でミネラルウォーターを買い飲んでいると、管理員さんがこちらで涼めといいます。そちらの方に行って何となく話をしている内に、杉の木は見たかと聞いてきます。どこかわからなかったので見ていないと答えると、今から入口まで連れて行ってやるといいます。お願いすることにしました。戻ってきたら、ただでサウナに入らせてくれるというのは、さすがに時間がないので断りました。
入口は、ロベ畑に入る道と同じです。私有地と思われる所に入っていくわけにはいきませんので、知らなければ行かないでしょう。畑の奥から青色のテープを目印に進んでいくと、杉の木にたどり着けるといいます。その通りに進んで行くことにします。途中には溶岩の裂け目のようなところがいっぱいあります(天井の落ちた溶岩トンネル?)。そこに入ったり横切ったりとなかなか大変です。溶岩の角に向こうずねを打ちつけまくって傷だらけになりました。
大杉は、幹の直径が1mちょっとの大きさです。枝分かれせずまっすぐに伸びています。下枝も少ないので手入れがなされているようにも見えます。300年ほど前の噴火でこのあたりは焼け野原になっているはずです。それからの生育としたら、かなりの大きさです。
時間も時間ですから宿に戻ることにします。途中、農業用用水の貯水場にキセキレイがいました。
外輪山内壁を登るヘアピンカーブにも鳥がいました。アカコッコのようなのですが、頭の色が胴体とそれほど変わらないのと、目の周りの黄色いリングが目立っていないので、違うようにも見えます。未だに、鳴き声と、鳥の特徴とが結びついていません。
宿近くまで戻ったら6時をちょっとまわっています。昨日と同じところで夕日を見ることにします。相変わらず強風が吹いています。今日は雲が多めです。やっぱり、水平線まで沈む前にぼんやりとし出し、見えなくなっていきました。
宿に戻り、食事を済ませて一休みしたら、星見に行きます。寒くないよう、服を1枚余分に着込むことにします。
相変わらず、頭の上で雲が湧いてきています。昨日と違って、北東方向がよく見えます。地平線付近が明るく見えます。町明かりのせいなのでしょうか。木の陰に写っているのはベガです。もう少し低い位置が明るいのなら、それは天の川と断定できるのですが。
相変わらず、木星からカペラにかけての一画はよく見えます。木星とふたご座のカストル・ポルックスです。
おおぐまのあたりとか、やみくもに写真を撮ったので、後でどこが写っているのか調べるのが大変でした。記録は取っておくようにした方がいいですね。といっても、狙い通りに星が入っているとはわかりませんが。左下の星の多い場所はかみのけ座の中心部にあるMel.111という散開星団です。しし座のデネボラが写っているはずなのですが、どれかわかりません。
今日は青ヶ島を出発する予定の日です。テレビで、港のようすが中継されていますが、波は大きいようです。船が着けるかどうか心配です。とりあえず、ヘリのキャンセル待ちを取りに行くことにします。手続き2時間前にいったのですがもうすでに、2人並んでいました。様子を見るだけのつもりだったのですが、このまま並ぶことにします。風が強くて寒いです。事務室内にある風速計を見ると、南西15.9になっています。強風です。後で写真を見ていて気がついたのですが数値はノットなので本当は約8m/sでした。
キャンセル一番乗りは昨日サウナの管理人をしていた人で4時から並んでいたそうです。女の人の代理だったようです。2番目は5時から、地元の人はみんな早くから並ぶようです。サウナにいた人の話によると、6人組の事務員が今日のヘリで帰るとのことです。これでは、3番目で乗ろうというのは厳しくなってきました。8時30分に来たキャンセル4番目待ちの人は確実に乗れません。
待っていると、ヘリポートにも霧が流れるようになってきました。この調子で濃くなっていけば、ヘリが来ない可能性だって出てきました。防災無線で、船の運航予定が放送されます。聞き取れなかったのですが、あおがしま丸は9時に条件付きで底土港を出航するとのことだったようです。
3番目の権利をもらって、宿に戻ります。乗れるかどうかの連絡はありませんでした。だめなようです。帰りは船に乗れることを期待します。そうすると昼食は早めの11時30分になります。荷物はヘリに乗ることを想定していつでも出発できるようにまとまっています。散歩に出かける程度の荷物を持って、集落をまわるくらいの余裕はありそうなので出かけることにします。
平ノ耕地へ行ってみました。今日は牛が2匹、出ていました。柵に近づくと寄ってきました。だいぶ人慣れしているようです。ヘリの音も聞こえてきたので、ヘリは無事出発できたようです。まだ時間がありますので大凸部登山道の方にも行てみます。今日も不思議な鳥を見つけました。何でしょうか。くちばしがしっかりしています。ハトのものに似ていますが、だとすると体はスマートです。
霧はだんだん濃くなってきているようです。道の向こう側が見えなくなってきました。山を斜面を昇って出ている霧なので、海面近くはそんなに出ていないと思われます。このあたりでも標高は250mはあります。
宿に戻って、昼食を取ります。終わると出発です。歩いたら長かったのですが、車ではすぐです。といっても、かなりの時間乗っていました。昨日見た待合所ではなく、もう少し高いところにある倉庫のような建物が、切符売り場・待合所です。切符を買って、しばらくすると売り場が閉まってしまいました。早すぎるような気がします。
桟橋の方に降りていくと、シギの仲間が飛んでいます。キアシシギです。
見ている内に、船がやってきました。これで着岸できれば、八丈島に帰れることになります。切符を売ってくれたので、乗れるのは確定していましたね。
船が着岸し始めてから桟橋付近にある機械類や車の動きが慌ただしくなります。危ないので待合室まで待避します。乗ってきた客は10人ほどでした。宿から迎えの車に乗ります。車はすぐには帰りません。船からは、たくさんのコンテナが下ろされています。そのうちの一つが駐車場まで運ばれてくると、中に積まれている、段ボールの箱を、みんなで手分けしてそれぞれの車に積んでいきます。ほとんどの車の荷台がいっぱいになっていきます。ちなみに今日は週一度の貨物船を兼ねた運航日になっています。おまわりさんも、何かと手伝っているようです。この後、我々乗客の誘導や待合室を閉める作業まで任されています。パトカーには警視庁と書かれています。ここは東京都なんですね。ところで、大阪都になったら、大阪府警の代わりに何と書かれるのでしょう。
荷物の積み下ろしに1時間以上かかっています。今日は特に多かったそうです。乗るのは、ヘリポートでキャンセル待ちをしていた3人だけです。降りるときもそうだったのですが、船は大きく揺れているために、あわせるようにタラップも大きく揺れています。乗るのには気を遣います。船の中では気が緩んだのか、階段を踏み外してしまいました。
船は予定通り、1時50分に出航しました。切符売り場が閉まってから2時間は長いような。
30分ほどたつと、青ヶ島から離れていくようになります。島の高いところは霧がかかっているため全景は見えません。
乗客は少ないので、船室はがらんとしています。
船の揺れは大きいです。船そのものも500トンほどですから揺れて当然です。船が出始めてからいろいろ記録などを確認していたので、少し気分が悪くなってきました。1時間ほど横になっていました。楽になったのでデッキに上がると、左前方に、八丈富士と八丈小島が見えていました。八丈小島にかかる雲は、噴煙を上げているような形をしています。
海上を見ていると海鳥が飛んでいるのが見えます。鳥の方が速いので、前方遠くにしか見えません。時々近づいてくるものもあります。オオミズナギドリのようです。7羽写っています。デッキに双眼鏡が置いてあります。それを使って見ようとすると、長いひもがピント調節リングに巻き付けてあります。ほどくのに苦労しました。
八丈島三原山の東斜面を眺めていると、その右側に底土港が見えてきました。まもなく八丈島に到着です。
空を見ると飛行機が降りてきます。これの折り返し便が、八丈空港発の最終便となります。乗り継ぎは、無理だと思っていたのですが、これに乗ろうとする人がいました。着岸前に岸壁に飛び降りさせてもらっていました。間に合ったのでしょうか。
八丈島の宿はここから歩いてすぐのところです。荷物を下ろして、一休みして、食事をしてから星見の場所を探しにいきます。海岸とか明かりはなさそうなのですが、道路の街頭が見えます。薄暗くなってもなかなか点かないので、大丈夫かなと期待したのですがだめでした。船舶待合室の屋上デッキは街灯などを見下ろす形になっています。ここなら大丈夫そうです。足下の明かりも点きませんし、入口の柵も開いたままです。星見の場所はここに決定です。今日は、曇っていますので、ゆっくり休むことにします。
朝早く目覚めたので、それほど時間はないのですが、周辺を散歩することにします。まず港に行きます。町中心部に向かう道路はまっすぐに伸びています。大きな島だということがわかります。
海岸は、底土港の近くには砂浜があるのですが、ちょっと離れると、溶岩が目立っていきます。
海岸沿いに北上して行くと、石碑と説明板があり、「抜船の場」と書かれています。昔、何度か流人が漁船を盗んで島から脱出しようとした場所だそうです。ほとんどが失敗だったようです。となりの三宅島(御蔵島)までもかなりあります。そういえば、島流しといえば八丈島であったのを忘れていました。
近くに港があります。神湊漁港です。小さな川の河口にあり入り江を利用した漁港です。港内に小さいですが砂浜もあります。漁船はもっと奥の方に停泊しているようです。
ここから、来たときとは別の道を通って宿に戻ります。
朝食を取った後、今日一日の行動を考えがてら、しばらく休んでから出発します。島をまわる交通手段を考える必要があります。バスでまわるのは、時間が制約されます。自転車だと遠くや坂道は無理だけど、いろいろなところにこまめに寄ることができます。逆に車だと遠くや坂道は問題ないけれども、ちょっと寄ったりするのには不便で、途中にあるものを見落としたりすることがあります。バイクはその中間になります。少しずつ遠くまで足を伸ばせるようにしたいので、1日目は自転車、2日はバイク、3日目は軽自動車にします。どれも宿で借りることができます。
自転車で回れるのは、中央部の低地と、北側八丈富士の海岸線一周ぐらいだそうです。南側三原山の西海岸線沿いを末吉までは行く人もあるとのことです。八丈富士の周囲は見るものが少なそうなので、中央部・三原山麓海岸線沿いを行くことにします。
中央部でまず目指すのは、植物公園とビジターセンターです。町役場近くの入口から入ることにします。
入口を入ってすぐ、道路の真ん中前方にイソヒヨドリが降りていました。町中でもよく見かける鳥です。ここでは、虫をくわえています。
ビジターセンター前に自転車を止め、植物公園をまわります。公園内の遊歩道です。歩きやすいように整備されています。
公園で飼育されているキョンです。相当昔に、ギャグ漫画で有名になりました。そのせいか名前だけは覚えています。南アジア・台湾原産のシカの仲間です。
八丈の森と題する見本園です。シイを主体とする森です。昔からの森をそのまま残しているそうです。伐採されたりとか、人の手が入ったことがあるそうです。
ビジターセンターに戻り、館内を見学します。発光ゴケはまだ発生していないそうです。見たいものの1つだったのですが、残念です。ここでのみものは、海岸の砂浜?で集めた小さな貝類などの標本だと思います。1mmほどのものもいっぱいあります。良く集めたものだと感心します。特にカメガイ(クリオネの仲間?)の殻は見事です。是非八丈島でご覧ください。
センター前に温室もあります。熱帯の花がいっぱい咲いています。ちょうど、ジャックフルーツが実っていました。世界最大の果実だそうです。
八丈植物公園を後にして、八丈島中心部を東西に横切る幹線道路を西に向かいます。最初についたのが、八重根港です。風向きの影響か波が荒れているようです。この付近全体に溶岩が海に迫っています。
港のすぐ近くにあった、メットウ井戸です。溶岩流の縁を掘って作った井戸です。らせん形の道を降りて水を汲みに行くそうです。メットウとは八丈島にいる巻き貝の地元での呼び名です。
港から海岸沿いに北上していきます。溶岩が広がっています。特に広くなっているところが、南原千畳岩です。溶岩が流れた表面が平らに広がっています。真ん中付近でウミネコが群れていました。
説明板に、何層かの溶岩が重なっているとありました。このように書かれると、一応確認しておく必要があります。降りてみると、まず足下で見つけたのが、縄状溶岩を示す模様です。縄を巻いたように見えるのでその名前があります。パホイホイ溶岩ともいいます。流れやすい溶岩が作ります。当然その表面は平らに広がります。千畳岩の成因についてはこれで納得がいきます。
次に見つけたのが、柱状節理です。溶岩流の垂直断面を見ると柱のようなものが見えてくるのですが、水平断面では六角形の割れ目が模様を作ります。縄状溶岩の縄模様が波で削られて、流れて固まった溶岩の内部が見えています。
溶岩の層構造については、凝灰岩の様なものが挟まれていることから確認できます。1枚の厚さは2〜3mといったところでしょうか。波をかぶりそうなので近寄りづらいところでした。
ここから北上すると、八丈富士の周回道路になりますので、南に引き返すことにします。八重根港を過ぎて、脇道の坂を登ったところにあるのが、優婆夷(うばい)宝明神社です。変わった灯籠とか、樹齢千年のソテツとか他にも色々あると書かれていましたが、探してもよくわかりませんでした。
そのまま脇道を進んでいくと本道に戻ります。道沿いに丸い石を積み上げて作った玉石垣が目立ってきます。陣屋跡で積まれた玉石垣が、周辺の建物でもまねされたようです。
陣屋跡から歴史民俗資料館までの道は、寄って見たいところの1つです。予報ではだんだん天気が崩れてくることなので、雨でも関係のない建物内見学は帰りにまわすことにします。
ここから先、大坂峠までは思ったよりきつい坂になっています。おまけに向かい風が強く、自転車は全然進みません。ママチャリ型の自転車では、変速機が付いていてもこたえます。サドルを思い切りあげ、体重を後ろにかけても進みません(立ちこぎしなくてもけっこう楽になりますよ)。登るのに半分以上押してしまいました。
大坂峠の眺望は八丈島名所の1つになっているほどなのですが、天気のせいで今日は全然です。後日来る機会がありますので、その時に見ることにします。
峠を越えたところが樫立地区です。六日ヶ原砂丘と服部屋敷跡があります。砂丘は坂を下りていきそうなので後日に回します。
服部屋敷跡は、道路から坂を登ると入口が見えてきます。江戸時代のお船預かりをしていたのが服部家です。入口付近には立派な石垣で囲まれています。大きな屋敷があったことが想像できます。
中は広々としています。一画の建物では郷土芸能を披露しているそうですが、今回はパスします。中央のソテツも古そうです。
樫立地区の集落を過ぎ、ちょっと高くなったところを越えると中之郷地区になります。ここで、まず見ておきたいと思っているのが裏見の滝です。位置を確認するため、観光案内看板を見ていると、中之郷漁港(藍ヶ江港)に、断層不整合があると書かれています。これは本家の関係上外せないでしょう。途中にある滝の方に先によります。
滝の遊歩道入口近くに来ると、雨が降り出しました。それほどひどくないので、カッパの上だけを着ることにしますが、すぐにやんでしまいました。カッパは脱ぎ前かごに入れます。
遊歩道入口脇の沢沿いにヘゴの群落があります。三原山北麓のものが北限なので、北限に近い群落といえます。北海道のブナ北限ではこれくらいの位置の違いは無視し、まとめてすべてを北限としていたので、それからすると北限といってもいいでしょう。
遊歩道は途中で分かれています。一つ目は右に取ると木を横に倒しています。通行止めの合図と判断します。二つ目は、左側が谷底から上がってきます。その後、どちらも谷沿いに進んでいきます。どちらも滝に行く道と判断し、楽そうな右側の道にします。
裏見の滝は、落ちる滝の裏側(岩盤側)に回り込め、滝が裏側から見られるということで名前がつけられています。水量が少なめなので、強めの雨が降っているという感じです。
遊歩道は、滝の裏側から対岸にまわり、さっきあった分岐に戻ってきました。右回りにするか左回りにするかの違いだったのですね。
そのまま遊歩道入口までもどりました。道路を隔てて温泉露天風呂があります。水着着用です、持っていないのでパスします。
そのまま、道を降りていくと、漁港につきます。ここにも足湯もあるのですが、これもパスです。
海岸に降り、崖に出ている地層に注目します。地層の縞に対して斜めに筋が入ってずれています。何個目かの筋では、左側の地層の方が右側より高いところにあることが確認できました。これは逆断層です。いろいろな断層が混ざることはないので、他のもすべて逆断層でしょう。不整合というのはどれを指していっているのか、よくわかりませんでした。
海岸の石の間に、いるかが打ち上げられ干からびていました。この付近の海にもいっぱいいるのでしょうか。
もうかなり遅い時間です。ここから先は時間的に無理なので、引き返し、後回しにした陣屋跡から民俗資料館の方に行くことにします。
玉石垣の多い地区の手前に為朝神社があります。来しなは見落としていました。源為朝が祀られているそうですが、小さな祠のようなものがあるだけです。周囲に「為朝の何とか」というような関連の史跡があるようなのですが、どれか見ただけではわかりません。八丈島には源為朝関連の神社が多いようです。裏見の滝遊歩道脇にも為朝神社石宮というのがありました。
玉石垣のある地区の中心にあるのが陣屋跡で、ここに通う役人が通ったという道に行くことにします。入ってすぐにあるのが、ふるさと村です。八丈島の古い民家が保存されています。
石垣に囲まれた敷地の中心にあるのが母屋です。四角い藁葺きの建物です。戸が全て閉まっていたので入っていいのかどうかわかりません。足下がぬれているので上がるのが大変なので外から見るだけにします。
入口を入って左側に牛小屋?があります。玉石垣の上に直接屋根が乗っているような構造です。他にも高倉が保存されています。
ふるさと村を出て道を進んでいると急に雨が強くなってきました。道は墓場の間を通ってだんだん山の中に入っていくので、これでいいのか細くなってきました。だいぶ進んだところに、地図通り甘藷由来の碑があるので間違いはないようです。このまま進んでいくと、歴史民俗資料館らしき建物が見えてきました。入口はまわった反対側のようです。
建物は昔の八丈支庁を使わていたものです。
玄関のコンクリートに、赤サンゴが埋め込まれているのが特徴だそうです。建物ができたときの紹介記事が掲示されていたのですが、初めはどこにあるのかわかりませんでした。いったら探してみてください。
展示はしっかりしています。地質関係から、考古学など色々あります。流人関係の資料を中心に見ていましたが、これなどは本があればそれで十分でした。気がついたら閉館時間が迫っていました。
本降りになっています。島の天気はこんなものだと館の人に言われました。これぐらいの雨は島でなくてもあるような気がします。それよりも今年は雨が多いのが気になります。雨が弱くなるまで軒先で雨宿りをと思ったのですが、雨がちょっと弱くなった一瞬があったので飛び出しました。でも、弱くなったのはちょっとの間だけでした。
宿に戻ったのは5時すぎです。雨のため外では何もできません。夜の暇つぶしは星以外は用意していません。とりあえず、乾くかどうか心配だったのですが、洗濯をすることにしました。食事前には終わりました。今晩は、食事を済ませたらゆっくり休みます。
昨日早く寝た分だけ、早く目が覚めました。中庭を見ていると、アカコッコが来ています。昨日の朝も見たのですが、すぐに飛んでいきました。その後、もう一度やってきていました。2回とも、まさかいるとは思っていないので、カメラがなく写真には撮れませんでした。今日は、来ることを期待してカメラを用意していました。
まだ、早いので散歩に出ることにします。今日は宿の南側を歩いてみることにします。玄関を出ようとすると、ガラス戸にヤモリがついていました。きれいに写真が撮れないと思ったら、ガラスの向こう側にいておなかを見せていたためでした。桟とガラスの間のすき間に挟まっています。
宿を出て港近くまで行くと、電柱の上とかの高いところで、イソヒヨドリの声がします。あちらこちらと飛び移りながらさえずっていました。比較的撮りやすかった一羽です。
三根の町の南側を鴨川が流れています。その河口です。底土港はこの左側にあります。
川沿いに上っていくと、墓地がありそこに奇妙な形でソテツが植わっていました。岩の上にお地蔵さんが並んでいるみたいです。この季節葉っぱは刈り取っているのでしょうか。
川沿いは、農地が広がっています。ロベ畑もありますが、裸地になっているところがたくさんあります。青ヶ島でもそうでしたが、これから植え付けなのでしょうか。この付近は、農場整理がなされた後、道路は遊歩道として整備されています(という説明板があった)。ぶらっと一通り見た後、宿に戻ることにします。途中の民家の庭先で咲いていたストレチアです。八丈島ガイドマップの表紙に描かれています。
ここで、宿へ朝食を食べに戻ることにします。この宿の食事のおかずは種類が多く豪勢な感じがします。
今日一日の行動の予定です。天気がいいので山に登ることにします。午前中は八丈富士、午後は三原山に行きます。その後は、昨日行けなかった三原山南西の末吉地区を中心に時間をつぶして、八重根港付近で夕日を見てから宿に戻ることにします。なんか盛りだくさんなようです。坂道を登りますので、自転車ではなく、バイクを借りて出発です。
八丈富士は、意外と簡単に登れます。町中に登山口といわれている場所があるのですが、そこからまださらに上まで車で上がっていくことができ、実際に歩いて登るのは標高差で300mほどです。
車で上れる最高点の、標高550mの登山道入口から見た三原山です。山頂はなだらかな山です。雲はまだかかっていないようです。
登山道は、石段とコンクリートでならした坂とがあります。石段の方は、歩幅が合わず歩きにくいためか踏まれていなくて雑草がいっぱい生えています。坂は道路の崩れ止めのようですが、ちょっと立派です。作ったついでの歩けるようにしたのでしょうか。坂の方を歩きますが、アキレス腱が伸びきるので痛くなってきます。
歩き始めてすぐに、ヤギよけの柵に行方を遮られます。ここは、扉を開けて入ればいいだけです。出口にも柵はあります。
途中離陸する飛行機が見えました。飛ぶ飛行機を上から見下ろす感じになっています。普段見るのとは逆の光景です。今日は飛び立つ方向が今までとは逆になっています。
歩き始めて1時間もかからないうちに、火口の見える位置に到着します。火口内部は真ん中が再び盛り上がって中央火口丘を作っています。
ここから火口を一周する道を進みます。これをお鉢巡りといいます。パンフの指示に従って、時計回りにします。道には、所々に大きな亀裂があります。深いものでは2m以上にもなります。道の先に急に現れ行き止まりのようなります。そのため、道がたくさん枝分かれしていてどれを選ぶかが大変です。下草も結構やっかいです。いぬつげの枝が、青ヶ島大杉でできた傷口にあたって痛みます。
854mの八丈富士山頂もすぐに見えてきました。
山頂からは、三原山や八丈島の中心部、空港がよく見えます。
火口の縁は内側に大きくせり出しています。崩れそうで危険です。そのため、お鉢巡りの道はちょっと外側を巻くように作られています。もうちょっと火口側によれば迫力のある写真が撮れたかも知れませんが、この程度で妥協しました。
西側に来ると、八丈小島がよく見えます。水面付近はもやがかかっているようです。今日はまだ、雲がかかっていません。
火口の中、中央火口丘の上にはいくつかの池が見えます。湿地性の植物群落があるようですが、ここからではどのような植物が生えているかとかいった詳しいことまではわかりません。
北側に来ると噴火口のような大穴が見えます。いちばん底にはちょっと葉の色の違う木が生えています。
火口に向かって尖った岩がつきだしています。この付近の足下は、岩や崩れてできた石がむき出しになっています。
後少しでお鉢巡りは終わりでした。分岐点から火口内の浅間神社に向かう道があったのですが最初の坂がきつく長かったので、戻るのは大変と判断し断念しました。地図ではそれほど降りないように書かれていました。
登山口まで戻り、標高500m付近のところを一周しているはちまき道路をバイクでまわりました。南側にはふれあい牧場があり、牛がいます。道路に出てくることもあるようです。
東側斜面では霧が流れ始めてきました。見通しの悪いところもあります。山登りに影響がないといいのですが。
八丈富士の次は三原山に登ります。標準的なルートは、町中の観光協会前から防衛道路を上がるコースで350m地点までは車で行けます。山頂から大池に抜けるコースの途中は三原林道を通ります。逆にこちらからも登っていくことができそうです。もう一つのウォーキングコース「硫黄沼・唐滝」は三原林道からアクセスします。こちらにもよるとしたら、時間も節約できます。三原林道経由にします。
林道には霧が出ていましたが、峠を越えるときえてなくなりました。山越えでできたきりのようです。林道からの山頂方向への分岐点に入るとすぐにゲートがあります。前にバイクを置いて、またいで入っていきます。道は林の中を通る緩い上り坂です。いろいろな鳥の鳴き声がします。イイジマムシクイを見つけることができました。
林を抜けると、道は平坦になります。正面に三原山山頂が見えます。ここまで、ほとんど山を登ったという感じではありません。
山頂へは、防災無線か民放の中継所の横にある小道を上がっていくとすぐに着きます。歩いた感じでは火山らしくありません。周囲の地層を見て始めて火山なのかという感じになります。
八丈富士は雲がかかってきています。海もかすんできています。一通り景色を堪能した後、山を降りることにします。途中でサルトリイバラを見つけました。八丈島のものは棘がないのが特徴だそうです。それでもイバラです。
三原林道を少し下ったところから、大池・小池への遊歩道があります。奥にあるのが大池、途中右手にあるのが小池です。
まずは大池です。池の見えるところまで来たら道は行き止まりです。奥までいって周囲のようすを見ることはできません。
開けたところにコマドリ(たぶん、鳴き声はよく聞こえていた)がやってきましたが、すぐに飛び去ってしまいました。飛び去る瞬間です。
小池です。やはり、道は池の見えるところまでしかありません。塩ビ製のパイプは何をするものでしょうか。用水池のような感じです。水は山の中の割にはきれいではありません。
どちらも入口付近しか見るところはなく、ひきかえして三原林道まで戻ります。そこから、さらに下っていって、硫黄沼への分岐を見つけます。少し歩いたのですが、ウォーキングガイドに書かれている周囲の状況と話が合わないようです。とりあえず、ようすを見るためもう少し入ってみることにします。すぐに、道は見えなくなります。おまけに足下がぬかるんでいて滑り、ズボンを汚してしまいました。これは触らずに乾燥するのを待つのが汚れを落とす秘訣です。
ガイド図に、三原林道への道は通行不可と書かれている道が一本あったことを思い出しました。たぶんこの道なのでしょう。もう少し林道を下ることにします。すると、再び標識のある分岐を発見。今度はガイド図と通りです。駐車場にバイクを止めて、登っていきます。途中三原林道へと書かれた標識がたくさんありましたが、入らずにまっすぐ進みます。林道からはそれらしい道はありませんでした。山の中らしくなってきたところで、左下に池が見えてきます。硫黄沼です。沼といっても大池より大きいようです。堰堤のようなところに降りることができます。そこ以外には道はありません。奥に滝のようなものも見えます。
道に戻り、さらに進むと滝が見えてきます。唐滝です。高さはかなりあります。約37mだそうです。
滝壺の水を見るとイモリがいっぱいいます。水も少し濁っているようです。大池・小池と同じように水がとどまりやすい条件があるのでしょうか。三原山のカルデラの跡地とされている所から流れてきています。
一通り見た後、引き返します。林道を下っていけば、すぐに中之郷地区に出ます。
山を降りたら中之郷に抜けました。昨日はここまでは来たのですが、先にある末吉地区に行っていません。今日の回り方だと戻る感じになります。そこには、灯台とかがあります。見に行くことにします。
途中、名古の展望台というのがありました。展望台入場無料と書かれています。中に入ります。「名古秋月」といって、江戸末期に八丈島で景色のきれいな場所として選ばれた8ヵ所の内の一つです。展望台からは洞輪沢(ぼらわさわ)海岸がよく見えます。打ちつける波がとってもきれいです。
道に戻りそのまま進んで末吉に到着しました。観光案内板には石積ヶ鼻に姶良Tn火山灰があると書かれています。本家の関係で見ないわけには行きせん。八丈島灯台の先にあります。灯台からよっていくことにします。
八丈島灯台です。1951年に八丈島に始めてできた灯台だそうです。
灯台から、少し降りたところを左折すると石積ヶ鼻につきます。曲がらずまっすぐ進めば洞輪沢です。
石積ヶ鼻の道路は崖崩れになったようなところで行き止まりで、そこから崖を降りる細い道があります。釣り人が歩いてできた道のようです。降りて海岸に出ます。
海岸の崖に深く彫り込まれような筋が見えます。ここが姶良Tn火山灰層です。柔らかいから浸食され彫り込まれたのか、観察のため削ったためにこうなったのかはよくわかりません。薄いピンク色でガラスが多い(きらきらしている)という特徴は近畿地方で見るものとあまり変わりませんが、こちらの方が粒が細かく地層の厚さも薄いようです。
一応、姶良Tn火山灰について簡単に説明します。正式名称は「姶良−丹沢火山灰層」です。関東地方で広範囲に見つかる火山灰層のうち丹沢地域で最初に確認されたものがあります。これを丹沢火山灰層(略してTn層)と命名しました。関東平野一円から見つかるということで、この火山灰の供給源が問題になりました。色々調べていく内に、九州南部に広範囲に分布するシラスと同等のものであるということがわかってきました。
正確にいうと、シラスを作る噴火によって高高度まで吹き上げられた火山灰が風によって流されて関東地方でたまったものが丹沢火山灰、巻き上げられた火山灰が重みで急速に落下して火砕流となってたまったものがシラスになります。当然シラスの上には同じ噴火で巻き上げられた火山灰がゆっくり落ちてきたものが重なってたまっています。これが姶良火山灰です。従って姶良火山灰と丹沢火山灰が同じものになります。この噴火で流されてきた火山灰が新しく別の場所で見つかると、供給源での名前と最初に名付けられた名前の両方を並べて呼ぶことになっています。
長いのでAT火山灰(層)と呼ぶこともあります。ちなみにシラスの地学的な名前は入戸(いと)火砕流(堆積物)です。鹿児島湾(錦江湾)の桜島より北側の海域は、このときの噴火によってできたカルデラに海水が流れ込んで作られています。今から26000年ほど前の話になります。
さて、いい時間になったので、夕日を見に、八重根港の方に向かうことにします。昨日よれなかった、六日ヶ原砂丘に行けば、夕日の頃には見やすそうな場所に着けそうです。
六日ヶ原砂丘は黒砂砂丘ともいいます。崖の上の斜面に黒い砂のようなものがのっています。砂の様に見えるのは小さなスコリアです。
黒砂の下には、しっかりしたスコリアの地層が見られます。これが崩れ落ちて砂の斜面を作っているとみられます。砂丘といっても、風で噴き集められ積み上がったものではないようです。
空を見ると、ツバメのような飛び方をするたくさんの鳥が飛んでいます。腹側が白くないのでアマツバメかも知れません。いわゆる燕尾のものもいますが、大半はそうでないようです。
まだ日没までまだちょっと時間があります。帰りに横間海岸も寄って見ました。海岸には激しく波が打ちつけています。空には、厚い雲がかかっています。夕日はあきらめて宿に帰ることにします。
バイクを返却するためにガソリンを入れようとしましたが、どこのガソリンスタンドも開いていません。日曜日というのもあります。仕方がないので、事情を説明することにします。
宿に早く戻ったのはいいのですが、星も見えないようなのですることがありません。ホタルがいると書かれている場所があります。片道歩いて30分ほど、ちょっと遠いのでどうしようか迷ったのですが見に行くことにしました。
ホタル水路と書かれているところです。途中にあった案内図を見ると、その先にヒカリゴケがあるとも書かれています。見られれば見たいものです。
30分ほど歩いて、水路に到着しました。八丈島には元々ホタルがいませんでした。本州で持ち込まれたものが、繁殖したので保護するために水路が作られたそうです。ここが水路というあたりを見渡しても、何も光は見えません。頭の上を飛んでいるホタルがいますが、すぐに行ってしまいました。持って行った懐中電灯の光は弱く、足下を照らしてもどこが道でどこが水路なのかの区別もつきません。水路にはまる危険があります。入っていくのはあきらめます。道路の反対側を川が流れています。ここを覗いて見ると、ホタルがいます。50m位の区間に3−40匹です。ヒメボタルなので光は弱く光っている時間が短いので、写真ではこれが限度でした。筋になって写っているのがわかるでしょうか。
空を見ると星が見えます。大阪よりはたくさん見えますが、多いとはいえません。まだ薄雲がかかっているのでしょう。写真の写りも悪いようです。雲がなければもっと星が写るはずです。
ヒカリゴケの場所はこれより山の中、もっと暗いところに入っていきます。持っている懐中電灯では心許ないです。ここに来るまでも結構怖かったこともあります。ヒカリゴケはあきらめることにします。このまま戻っても宿に着くのは10時前です。帰って寝ることにします。
翌朝も早く目覚めたので散歩に出かけます。雲があるもの青空が見えるところもあります。まだ日の出前です。八丈富士には日が当たっていません。
底土港のデッキに行って日の出を待ちます。水平線は雲で覆われていますので、雲の間から朝日を見ることになります。見ていると雲の間に太陽柱の光の筋が現れその下から太陽が顔をのぞかせました。
底土港の砂浜で、かわったものが漂着していないか探してみたのですが、ありませんでした。ここで一番目だったのは巻き貝のフタです。プラスチックのペレットのようなものもたくさん漂着していました。
キャンプ場のあたりから、脇道を通って宿に戻ることにします。途中の畑にキジがいました。こちらには気づいていません。
宿に戻って玄関脇を見ると、木の陰にアカコッコがいました。昨日のと同じものなのかわかりませんが、中庭からこのあたりにかけてえさ場にしているようです。
今日は、八丈島最終日です。天気予報は晴れのち曇り、距離を稼ぎたいので、軽自動車を借りてまわることにします。
まず、まだいっていない、八丈富士を海岸線に沿って時計回りに一周することにします。
北端近くの永郷地区までは海のむこうに八丈小島が見えますが、それ以外はとくにこれというものはありません。アロエ園につきます。駐車場がわからなかったのですが、もう少し先にありました。
駐車場に隣接して、アシタバの栽培場があります。野生のものより大きいようです。
栽培場の横から、海の方に行く道があって、その先に灯台が見えます。大越鼻灯台です。八丈島灯台とは、島の正反対の位置になります。
この道から栽培場を挟んで反対側には展望台があります。海は見えますが、水平線はかすんで見えません。八丈富士の山麓にはアロエ畑が広がっています。
頭上の電線にはホオジロがいてさえずっていました。
再び、車で山麓をまわりますが、よれるところが何もなく、一周し三根神湊まで戻ってきました。ここから、もう一つよっていない、ポットホールを見に行くことにします。そのためには、三原山を右回りに回る必要があります。
昨日行った、三原林道の分岐を曲がらずまっすぐ行き、坂を登り切ったところにあるのが登龍(のぼりょう)峠です。ここからは、底土港が眼下に見えます。東京竹芝桟橋にいく橘丸や青ヶ島に行くあおがしま丸が見えます。八丈富士もきれいで脇に八丈小島も見えます。
峠を少し下ったところからコン沢林道を進んで行くとポットホールが見られます。林道は狭く対向車がきたときが心配ですが、車が少ないので大丈夫でしょう。場所は先客がいたのですぐにわかりました。
ポットホールです。一個の直径は40cm位でポットホールといわれて普通に想像する大きさです。深さも2−40cm位です。観光案内所にあった解説のプリントは、数だけを四国のものと比較していましたが、そちらは大きなものでは直径が10m近くあります。単純には比較できないでしょう。
小さな分だけ数はたくさんあります。段になって、水が落ちているところにはポットホールができています。ほとんど連続してできているのがわかります。
林の中ではいろいろな鳥がさえずっています。木の枝にいたのが、オーストンヤマガラです。
林床を走り回っていたのがミソサザイです。藪の中を動き回るのでうまく撮れません。
ポットホールがたくさんあった沢の隣の沢です。ここでは、あまりポットホールは大きくなっていません。ちょっと傾斜がきついようです。なにか関係があるのでしょうか。
コン沢林道はこの先オフロード車のみと書かれてるので引き返し、元の一周道路を進みます。
末吉地区まで来たときにあったのが水汲場です。岩の割れ目から水が湧き出していますが。昔は、利用していたようです。
ここから三原山一周を続けます。昨日までに訪れたところになります。大坂峠は3回目になりますが、いちばんきれいでした。八丈富士と小島が見えます。
大坂峠を下ってくると、三原山をほぼ一周したことになります。これで、だいたいのところは行ったのですが、所々見落としているところやり残しているところがあります。そういうところによることにしますが、その前に昨日行ったホタル水路がどのようになっているか気になります。行って見ます。
ホタル水路は、和泉親水公園の横にあります。農業用ため池を利用した公園です。池の橋にはウミネコがいっぱい来て休んでいました。
池で気になるのが、スクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)の卵塊がいっぱい見られることです。奈良県では被害が出て問題になっています。八丈島でも対策を取る必要があります。
ホタル水路の昼間のようすです。
昨日はわからなかったのですが、光るキノコは、この横のビロウヤシやロベの畑にできるそうです。川の方の畑には光るものは見えなかったのですが、こちらに来たら見られたかも知れません。明るい内に下見をしておいた方がよかったですね。
ちょうど昼食の時間になっています。近くのスーパーで軽い弁当を買って、植物公園で景色を見ながら食べることにします。昨日一昨日は、昼食時間がうまく合わなかったので、パン(中之郷で作っているものです)を買って食べていました。今日は大きなスーパーだったので、島ずしのパックが売られています。今日はこれにします。
植物公園に行き、メインエントランスから入ります。公園は山麓にあるので八丈富士がきれいに見えます。
徳里山の展望台で昼食を食べます。島ずしは、ネタにずけの魚を使っています。醤油がしみこんだお寿司のような感じでした。普段はほとんど醤油をつけないので、ちょっと濃く感じました。魚はいろいろな種類を使うみたいなので、お寿司の好きな人なら、いろいろ食べ比べてみるのもいいかもしれません。
ついでにビジターセンターに寄って見ました。一昨日はなかったヒカリゴケが置いてありました。緑色に光っています。ルリゴクラクチョウカが咲いているところがあると書かれていましたの探したのですが見つけられませんでした。気がついたら2時をまわっています。先を急がないといけない時刻になっています。この後、押さえておきたいところは3つあります
八丈島の電力の基礎部分は地熱発電によって行われています。発電所を見に行くことにします。中之郷地区にあります。日本では数少ない地熱発電所の1つです。元来た道を引き返します。
発電所の手前にあるのがエコアグリマート、地熱を利用した温室があります。果実がたくさん植えられています。
もう少し進んで、地熱発電所につきます。入口を入って横に地熱館があります。入館料100円は記念メダル代のようなものです。時間がないので、飛ばし見しました。
八丈島でやっていないことは温泉に入っていないことです。ここから海岸の方に向かって降りたところにあるやすらぎの湯に行きます。20分ほど浸かってあがります。適温でした。
最後にもう一つよっておこうと思っているところがあります。水産試験場です。意外なものが見られたりわかったりすることがあります。たとえば、食事にでていた赤い皮の魚は何かとか、昼間スーパーで売られているのを見た「ぶど」とはなにかとかです。ここの説明を見て納得しました。
もういい時刻なので、車にガソリンを入れて宿に戻ります。空港までその車で送ってもらいました。本当の最後の見学はこれです。空港前のビロウロードです。
空港で、八丈島のお土産を買います。アシタバ関連のものを買いました。青ヶ島ではお土産というものにであっていません(焼酎と塩と唐辛子があります)。
空港の手続きは、あっという間に終わります。移動もほとんどありません。手続きより待っている時間がほとんどです。飛行機もすぐに飛び立ちます。残念ながら、飛び立ってすぐに雲の中に入り景色は見られなくなりました。
次に風景が見られたのは、千葉県市原市付近、羽田空港はもうすぐです。
羽田からは、京浜急行とモノレールのどちらを使おうか迷ったのですが、モノレールで浜松町に向かうことにしました。その前に夕食弁当を買っておきます。モノレールに乗ろうとしたらicocaが使えません。残金が60円しかなかったせいでした。蒲田で京浜急行の改札が通れなかったのこれのせいかもしれません。チャージせずに、切符を買って乗りました。大阪では使いませんから。
浜松町から、品川に行き、そこから新幹線で京都まで乗り、快速で帰ってきました。家に着いたのは10時近くになっていました。
<交通手段のトラブル>
毎回、交通手段のトラブルに悩まされています。最初に「今回はなければ..」と書いたのですが、残念ながら、出発前にやってきました。その後は順調で、無事青ヶ島に行け脱出もできたのでよしとしないといけないのでしょう。ところで、東京までのバスをキャンセルしたのがよかったのかはどうかは気になるところです。少なくともバス会社のサイトにアクセスして遅延証明の発行状況を確認してみました。当日30分以上の遅れは別便の1件だけでした。運行決定発表後に、運行停止になっていれば(まずないと思うが)ここには載らないはずので、結局どうだったのかはよくわかりません。翌日の遅延が大量に発生している原因も気になるところです。
キャンセルせざるを得なかったということで落ち着かせておきます。帰ってから、自宅に届いたeメールを見ていると、その中に、八丈島からの帰りの飛行機を飛ばせるかどうか様子を見ているという連絡が入っていました。そんな天気でもなかったので、当然飛ぶものだと思っていました。それより、旅行中に自宅に届けられても、意味がありません。
<ポータブル赤道儀>
使おうとするときに限って天気がよくならないというのは今回もありました。というより、時期の割には、日本列島が全般的に天気がよくなかったというだけですなのかも知れません。青ヶ島では、雲が流れてきて、空の決まった一角しか見えず、満天の星空を見るまでには至りませんでした。八丈島ではずっと天気が悪くカバンの中に入ったままでした。いつになったら、本格的に活躍できるのでしょうか。
ある程度は使えたので、いくつか問題があることもわかりました。一つは、セッティングするときに北極星をどこにあわせるかを示す目盛りを照らす装置が点灯しないこと、接触不良のようです。今までは、適当に真ん中に入れていたのですが、今回は正確に入れてみようとしてわかりました。
2つ目は、空の特定の方向に特定の角度でカメラを向けようとしたとき、カメラと装置のねじがぶつかってしまって構図をうまくあわせられませんでした。これはもう一つの大きい方の雲台を使用すると解決します。
次回使うときは、制限なく使って見たいものです。
<天気について>
青ヶ島(八丈島も)からの水平線はもやっていてはっきりと見えませんでした。昨年小笠原に行ったときも同じような状態でした。その時考えたのは、暖かい乾燥した空気が冷たい海面上を流れているうちに、湿気を取り込んでもやになっているのではということです。今回は朝晩が寒かったのでそうでもなかったようです。海面上にもやが発生するのは、伊豆諸島南部から小笠原にかけてよく起こることなのか、それともたまたまなのか気になるところです。訳あって、スカッとした水平線から昇る朝日、沈む夕日を見たかったのですが今回もだめでした。
八丈島で、島は雨が多く、降ったら豪雨になるといわれました。今年は梅雨前線(沖縄が梅雨入りしなければそう呼ばないらしい)の北上が早く、本州全般に雨が多くなっているようです。八丈島に限った話ではないように思っています。沖縄同様、島特有の夕立が多くなるということは考えられます。
<車の運転が..>
車に乗って困ったことがありました。車から降りようとすると、鍵が抜けないのです。タイヤをまっすぐにしないといけないのかなとか、色々やってみたのですがうまくいきません。最後にわかった結論は、「シフトをパーキングにしないと抜けない」でした。そんなの当たり前かも知れませんが、久々に乗ってみるときれいに忘れています。普段は、パーキングというようなシフト位置がない車に乗っていますから。
バイクを借りたときには、事細かに説明してくれたのですが、車の時は何もなしでした。ふつうは、しっているはずですからね。そういえば、免許証の確認がなかったのですがよかったのでしょうか。
足下の操作も微妙に違っています。おかげで、ブレーキを踏むところを間違えて、アクセルを踏んでしまいました。すぐに踏み換えて止まることはできました。完全に反射的にやっています。止めないとと思ったときには間違えずにブレーキを踏み込んでいました。よく踏み間違えて店に突っ込んだという話を聞きます。ここでエンジン音が大きくなったためにパニックになっていれば十分に起こりうることだとへんな納得をしました。
<カメラの調子が..>
この旅行中、使っているカメラの調子がだんだんおかしくなってきました。顕著なのは、八丈島に入ってからです。オートフォーカスで写真を撮ろうとしたら、ピント操作が逆方向に動き、エラーで止まってしまうことが何回か起こりました。レンズを確認すると、中心部が曇っていました。今回も雨の中を歩き回ったので、内部に湿気が入りこんだようです。曇っている部分に手のひらを押し当てて暖めることで、その部分の露を蒸発させて、そのときは撮影できるようにしました。
帰ってから、レンズを覗いて見ると。ちょっと大きめの水滴とゴミのようなものがついていました。大きめのタッパーにカメラと乾燥剤を入れてみましたが、小さくなるようすはありません。ドライヤーとか色々試したのですがあまり効果がありません。やむなく、修理に出したのですが、水につけたわけではないのに、冠水品扱いでそのまま帰ってきました。代理店からの連絡では、腐食していて修理不可能とのことでした。ダメ元で分解してみたのですが、腐食の様子は見られません。本気で修理するつもりはあったのでしょうか。レンズにまで分解できなかったので水滴は取れませんでした。組み立て時に、電気接点の部品をすき間に落とし、回収できなくなりましたので、元通りにはなっていません。さらに、機能が制約されるようになりましたが、カメラレンズとしては、もう少しがんばってもらうつもりです。このレンズの、代わりになる中古のレンズを買ったのですが、その値段だと、新しいのに買い替えた方がよかったかも知れません。
もう一つ、電池の減り方が何か変でした。スィッチを入れたら電源が入らないので、電池切れになったようなのですが、その前に電池容量がなくなりましたの表示は出ていません。電池を抜いて差し直すと復活するのです。このようなことが繰り返されていました。接点を掃除すると、調子がいいようなので接点がさびてきているようです。これも湿気のせいかもしれません。接点復活スプレーなるものを買ってきてつけてみたのですが、治ったように見えます。きちんと回復してくれているでしょうか。
湿気が入ったとして考えてみると、最近オートフォーカスの合焦音が大きくなってきているような気がします。さびていないにしても、油が流されたりしている可能性があります。
<収支報告>
旅行でかかった費用をまとめてみました。何をどの項目にするかは微妙ですが、以下のようになります。概数です
交 通 費: 7万円 51%
レンタル: 1万円 7%
宿 泊 費: 5万円 35%
そ の 他: 1万円 7%
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合 計:14万円
交通費にはキャンセル料も入っています。レンタルも島内の移動に使ったので交通費に含めてもいいかもしれません。
<青ヶ島に行こうと思っている人へ>
誰もが言うように、交通手段を確保しにくい、当てにできないのが最大のネックです。これは開き直るしかないでしょう。定時に乗り物が来るという考えを捨てるしかありません。これがだめだったらどうするとかも考えておく必要があります。宿の予約をするときに、交通手段も伝えておくようにしてください。定期船、定期ヘリ以外に、チャーターへりというものがあります。帰る翌日の便に空きがあると情報が入りました。いつ出るかわかりませんが(土曜日?)調べておくのもいいでしょう。役場に問い合わせてください。
とにかく欠航率とかが問題になります。どのような場合欠航するのかわかった範囲でまとめてみます。
ヘリの場合、風が強いと飛べないのは当然ですが、霧のため飛ばないことがあります。条件的には北寄りの湿った風がながれてくる場合です。青ヶ島は山の上と同じです。斜面を昇ってきた風が霧になることがあります。雨が降るような天候でも、霧がかかることがあります。少なくとも八丈島への飛行機が飛ばないときはヘリも飛ばないでしょう。
船の場合は、西寄りの風が吹いていると、港の波が荒れ接岸できなくなります。主に冬場は、このような天候が続くので1ヶ月に接岸できる回数が数えるほどになるそうです。秋になってからの台風によるうねりも着岸に影響を及ぼすことが考えられます。天気予報の波浪の大きさに注意してください。
釣をしようと思う人は、海岸に降りられるのは、三宝港だけだと思ってください。そこでも波が高いときがあります。他に神子ノ浦とか大千代港とかありそうですが、どちらも通行止めです。それ以外は200m以上の高さの絶壁です。海岸に近寄るのは無理です。それと、ヘリに乗せられる荷物は120cmまでですから釣り竿が乗せられないかも知れません。クーラーボックスも大きなものは無理です。
島内の移動は徒歩になります。遠くても片道1時間ちょっとくらいです。レンタカーもありますが、車でまわるには島は小さいです。すぐに目的地につきます、まわれるところも知れています。どこかお気に入りの場所を見つけてそこでのんびりするのもいいかもしれません。
噴気孔群の休憩舎が気に入っています。ここのひんぎゃで料理を作ってみるのもいいです。そこまで歩くのが大変だというのなら、宿に頼めば送ってくれるかも知れません。