鳥海月山 秋めく湿原 2016/8/28-30
6月の終わりに北海道に行ってから、しばらく旅行の予定が立っていません。7月末は、梅雨がどうなっているかわからないので、あまりく計画をたてる気がしません。南日本は大丈夫そうなのですが、北日本はぐずついていそうです。もう一つ、しばらく望遠鏡を運んでいないので、車で行きたいものです。となると、行くだけで時間や費用がかかりますから、長めの日数で回りたくなります。ただ日曜は混雑したり高くなったりとかで、避けたいというのがあります。新月が9月1日なのですが、この日は用事があります。というので、車で行く計画は破綻してしまいました。あきらめたところで、旅行会社のパンフレットに、8月28日出発30日帰りで、鳥海山と月山の湿原をまわるというツアーが載っていました。コース上にはいくつか見てみたいところもありますので、この計画に乗ることにしました。車はまた次回にします。
ツアーはハイキングということなので、それなりの装備を持ってくるように指示があります。与論島ほどでないとしてもそれなりに山道になります。標高の高いところを歩くので、それなりの準備はしておいた方がいいでしょう。そうすると、今度は荷物が増えることになります。星の写真を撮るための道具は減らしたくありません。荷物の増える分は手提げ袋で対応することにします。もう一回り大きなカバンが欲しいものです。靴は、軽トレッキングシューズにします。安物だったので、底がすり減ってきていますが、もう少しがんばってもらうことにします。変な減り方をしているのが気になります。
日程が決まったところで、退職前の職場からみんなで集まらないかという声がかかります。予定日は、出発日かその前日です。前日なら参加できると答えると、前日に確定するという連絡が入りました。これが影響しないと良いのですが。ツアー直前の詳細連絡では伊丹8時45分集合になっています。これだと家を8時前に出ても間に合いますので、前日少し遅くなっても問題はないでしょう。
一応宿の近くがどうなっているのかとかの情報は調べておいたのですが、一番気になるのは天気です。1週間前になってから週間天気予報をチェックしますが、あまりよくないという予報が出ています。基本的には、太平洋側は天気が悪いものの、日本海側は晴れ間が出そうな感じになっています。
天気がぐずつくくらいならまだ良いのですが、台風情報をチェックすると帰阪日あたりに台風が接近しそうな感じになっています。25日に帰阪日までの台風の予想進路が発表になります。それによると、帰阪日の午後に大型の台風が関東から北陸にぬけそうだとなっています。帰りは日没後に仙台出発です。最終日は大変なことになりそうです。最悪飛行機が飛ばないということもあり得ます。この場合ツアーがどうなるのか気になります。直前までツアー会社から連絡がありませんから、予定通り決行ということなのでしょう。仙台で、1泊の場合もありますので、クレジットカードも持っていくことにします。これがあれば、仙台空港のラウンジも利用することができます。
台風の日本列島接近の予報は、次第に遅くなるとともにだんだん東にずれてきていきます。一時は、帰阪日の夕刻、飛行機に乗る頃に仙台接近となりました。こうなると、仙台空港にも近寄れなくなるかもわかりません。ただ予報は同じようにずれていきます。だんだん精度が上がってきてずれの大きさは小さくなっていきます。最終日の飛行機の時刻には、仙台近辺に台風がいるのは間違いがないでしょう。
出発前日の集会はとなり町の中心部でありました。 電車で出かけることになります。会は特にこれといってかわったことはなかったのですが、終わりの頃は、ちょっとのどがいがらっぽくなっていました。10時頃に解散となって2次会となったのですが、翌日のこともあるので遠慮させてもらうことにしました。帰って家に入ってみると、熱気がこもっています。建物から伝わってきた熱のようです。このままでは寝付けませんから、窓を全開にして寝ましたが、夜中には逆に寒くなってきてあまり寝付けませんでした。
朝出発時に窓の戸締まりはいつもより厳重にしたのですが、玄関は普通に鍵をかけてしまいました。戸締まりをしっかりした意味が薄くなっています。ここで時間をかけ過ぎたためか、ぎりぎりになってしまいました。途中のコンビニで弁当を買う時間がなくなってしまいました。雨はぱらついていますが、傘を差すほどの量ではないようです。傘の後片付けが面倒なのでこのままいくことにします。
伊丹空港の団体カウンターで、搭乗券を受け取り花巻空港までの行き方の指示があります。昼食は飛行機内か最初のバス内で持参弁当を食べることになっているので、買うところが花巻到着以後にあるか確認したのですが、ここではわからないということです。伊丹で買っておくことにしておきます。といってもここにはお土産以外のものはほとんどありません。ちょっと高めになりますが、観光客向けのめはり寿司を買いました。買い物の前に荷物を預けましたが、セルフと係員応対のと2列ありどちらに並んでいいのかわかりませんでした。最終的にはどちらも係員がチェックするので同じような気がします。前に並んだ人によるとセルフの方が早いといっていました。見比べてみたのですが、機械を通すまでは、係員応対の方早かったたのですが、通してからは、セルフの方が圧倒的に早かったようです。ここでの順番待ちで10分以上かかったので、弁当購入とあわせて、時間はいっぱいでした。
飛行機の座席は通路側です。今年に入ってから新幹線・飛行機の席はずっと通路側にあたっています。景色を見るにはアンラッキーです。出も今日は雲が多いので、無理でしょう。飛行機の乗り込んでみると、指定された席の後方がたくさん空いています。CAさんに、移動してもいいかと聞くとOKが出ましたので、後ろの席に移動しました。両側が空いているのですが、できれば山が見たいので右側にしました。飛行機は雲の境界線上を飛んでいたようで、左側の方が景色がよく見えたようです。いったん雲が切れて地上が見えた瞬間があります。GPSロガーを持っていたので場所を確認してみると、松本長野の近辺のようです。地図は飛行機備え付けのものしかないので場所の読み取りは不正確です。しばらくすると、信濃川沿いの段丘地形が見えてきました。このあたりのものは、教科書にも載るほど有名なものです。長野から川に沿って下っていった先にあります。
この先で、信濃川が蛇行するところが見えてくるはずです。活褶曲で流路の先がふさがれ、川が流れにくくなり曲がりくねったという説明をうけました。信濃川は向こうに流れているのではなく、向こうから流れてきた川と合流し、写真中央下から画面外に流れていきます。このあたりが、中越地震で被害が大きかったところになります。
機長から挨拶があります。新潟上空で左側には佐渡島が見えているという説明がありました。まだ長岡あたりだと思うのですが..。新潟県という意味でしょうか。このあと、再び雲が広がってきます。わずかな切れ目から見える川は増水しているようです。このところ連続して通過した台風の影響でしょうか。磐越道会津坂下ICの近くです。
この後、しばらくは雲ばかりで何も見えませんでした。再び地面が見えたのは、雲の下に降りてからです。北上川と平行して東北新幹線が見えます。
花巻空港の滑走路が見えてきました。それにしては高いところを飛んでいるようです。これだと着陸はできません。
機長から説明があります。先行の飛行機が遅れているため、空港上空で旋回するとのことです。着陸は5分遅れになります。ちょうど空港を一周余分に回ったあと、高度も低くなり着陸になります。田んぼの様子がよく分かります。刈り取りの終わったところと、これから穂が大きくなるところと色々です。それに合わせて色とりどりになっています。
飛行機の中では、一時咳が止まらなくなることがありました。体調が崩れていなければ良いのですが。これはよくある事なので、この時は気にはとめていませんでした。
花巻空港からは、奥羽山地や北上山地がよく見えます。あいにくと高い山の頂上付近は雲におおわれています。西側の奥羽山地の北の端に三角形の火山のような山の裾野が見えます。岩手山です。このようすだと見えるのかどうかわかりませんが駒ヶ岳も雲の中のようです。
山並みの南端に栗駒山が見えるはずですが、山頂部が雲におおわれています。これが栗駒山と思っていたのですが、焼石岳で、栗駒山は雲がなければその左側にわずかに見えるはずです。
荷物を受け取る前に、トイレを済ませておきます。荷物が出てくるまでにちょっと時間がかかりました。待っていてくれているのか心配だったので、到着口の外側を何度となくチェックしたところ、待っていてくれているようです。やっとの事で荷物を受け取ることができ、集合場所に急ぎます。これでも荷物の受け取りは早い方でした。
添乗員さんに、到着の確認をしたら、昼食についての指示があります。持っていない人はここで買うか、途中に一度SAによるのでそこで食べるか買うかすればよいとのことです。
一応集まっているのですが、なかなか出発になりません。2人の到着が遅れているそうです。結局その人達は当日キャンセルになったようです。これで参加者は30人になりました。この間にトイレ等に行っている人もあるので、バスに乗って待っているようにとの指示があります。空港出口の正面に駐まっています。バスに乗る前に振り返って見た花巻空港です。それほど大きくないようです。中の感じもこぢんまりとしていました。
荷物をバス用のものと入れ替えてからトランクに預けてから乗り込みます。座席は、右側真ん中付近の窓側です。今回は相席になっています。
一応そろってバスが動き始めたところで、添乗員さんから今日の予定の確認があります。これから東北自動車道を南下して一関ICまでいきます。途中、一度前沢のSAで休憩を取ります。高速道路を降りてからは、栗駒山の中腹にある世界谷地湿原に行きます。駐車場から山道を少し歩いたところにあります。ここの見学が終われば、鳴子温泉に行き宿泊です。
栗駒山だと思っていた山を右側に見ながら走っていきます。雲が晴れるようすがありません。世界谷地では山頂が見えないどころが霧の中かも知れません。それよりも、バスの中は暑くはないのですが、汗が出てきます、どうしてなのでしょうか。
前沢SAに近づくにつれ、山は後方に見えるようになります。栗駒山はまだ先にあります。といってそれより前方にそれらしい高い山は見えません。栗駒山はどこにあるのでしょうか。
前沢SAに到着です。なんか見たことのある風景です。昨年三陸に行ったときに、立ち寄ったSAに似ています。その時は北行きだったので同じであるはずがありません。どう考えてみても、前沢SAに寄っているとしか思えません。帰ってから調べても、間違いなく前沢SAです。全く同じ作りなのでしょうか。
それよりも、栗駒山が気にあります。林に覆われていて山は見えません。色々動き回って唯一見えた山ですが、それっぽくいえるのですが、これではないようです。それよりもどちらの方角を見ているのかすらわかりません。
結局栗駒山はわからないままICを降り山の中に入っていきます。山の道沿いに変わった形の花をつけている木があります。民家の庭先にも見られます。関西だとヌルデの花がこんな感じなのですが、この付近にはないはずです。とすると、それに近いウルシでしょうか。庭先にも植えられているとは思えません。かぶれますから。
山道に入ってしまうと、崖側になるので景色がよく見えません。気になる崖とかがあったのですが、帰りに見ることにします。
道をくねくねと走っていくのでどう進んだのかよく分かりません。帰ってからGPSロガーを調べてみると水沢から世界谷地までの移動のようすが記録されていました。それから、いつどこをどう通ったのかは確認が取れます。
気が付いたら、世界谷地に駐車場に到着です。雨も桐もないようです。念のために傘と水筒は持ってバスを降ります。世界谷地までここから遊歩道を歩いて行くことになります。その前に前のトイレ休憩から1時間以上が立っていますから、トイレの時間が入ります。入口前に車止めの柱にしていた石が気になります。同じ石を使って、ベンチとテーブルが作られていました。
木のように見えますが、珪化木です。木材と同じように切って作られています。この近くに大量に産するところがあるのでしょうか。雨で濡れているので座ることはできません。
休憩が終わったら世界谷地に向けて出発です。
どこからそのような名前がつくのかよく分かりませんが、世界谷地とは大きな湿原という意味だそうです。谷地(やち)という言葉は、湿原の意味で使われることがあります。栗駒山の南斜面標高700mあたりに広がる湿原です。このあたりは山に囲まれたような感じになっていて、溶岩の塞がれて平らになっているようです。大きく3段に分かれていて、そのうちの大きな2段は下から、第一湿原、第二湿原と名前がつけられています。第二湿原は立ち入り禁止になっています。2008年の岩手宮城内陸地震で遊歩道に被害があったようです。帰ってから見た新聞記事には近々修復すると書かれていました。
駐車場から遊歩道の入口にもいくつかの花が咲いています。青紫色の袋状の花です。オオバギボウシのようです。
フウロソウのような花ですが、このように白くなるのはゲンノショウコです。花びらに青色の筋が入っています。
道脇に、ガマズミ類の赤い実がついています。
ガマズミなのかオオカメノキなのかは区別できていません。葉柄の長さが違うとか、葉はが葉柄を取り囲むようにつくかどうかとか、本によって記述がばらばらです。
遊歩道は、すぐにブナ林の中に入ります。まだ紅葉は始まっていないようです。葉を通してみる光の青色がきれいです。
道脇には時々キノコ類が顔を出しているのを見かけます。これはホウキタケのようです。
遊歩道は、広くなだらかで歩きやすくなっていました。車が通れるくらいの幅があります。
ちょっと歩いたかなというくらいの距離で第一湿原に到着です。ブナ林が途切れて空が見えます。
湿原内は木道が作られていて、その上を歩くようになっています。これだと足元が濡れなくてすみます。
添乗員さんが先導で一周することになります。時期によっては時計回りの一方通行のようですが、今は我々しかいないのでどちらに回っても良いようですが、時計回りになりました。
湿原巡りは、その時々によって違った花を楽しむことができます。花の盛りは8月初旬までです。この時期になると咲いている花はぐんと少なくなります。秋になるとすぐに雪に覆われるようになります。それまでに実をつけないといけないからです。それでも、いくつかの花は見られました。順番に見ていきます。
まずはイワショウブです。あまり大きくないのですが、緑の中に白い色が目だっています。葉が勝負のようなのでこの名前がつけられたようです。ユリの仲間です。
サワギキョウです。わりと背丈が高いので目立ちます。何故か木道沿いに多いようです。
ウメバチソウです。これも小さな花で、足元の地面をよく見ないと見つけられません。ゲンノショウコに似ているようですが、花びらがまん丸なので梅の花に似ているということから名前に「ウメ」がつけられています。こちらは白一色です。おしべが和櫛のような変わった形をしています。5本のめしべが花びらのすき間に倒れていきます。
キンコウカです。黄色い草だと思っていましたが、後で行く月山でこれが花だと気が付きました。たくさんあるのはこの4種類のようです。
半周ほどしたところからは、ふだんなら2つの山の間に栗駒山が見えるのですが、今日はあいにくと雲の中です。わかりにくいですが左側の高まりが、大地森(1155m)でその右側雲が遠くなっている向こうに栗駒山が見えるはずです。
足元の木道沿いに所々水たまりのようなものが見え、ここが湿地だということがわかります。その縁で高い草のない所には、モウセンゴケが見えます。食虫植物です。半分水に浸かるような形で生えています。
アザミの花です。頭がたれています。チョウカイアザミはこのようになりますが、それなのでしょうか、元気がないだけなのでしょうか。これ1本しか見かけませんでした。
スゲ類です。花なのか、実になりかかっているのか、遠くなのでよく分かりません。
エゾオヤマリンドウです。リンドウ類の花はこれからです。
一応木道を一周したのですが、ここの出発までにはまだまだ時間があります。もう一回回ってみることにします。
湿原にかたまってある灌木には実が大きくなり始めています。ホツツジ類のようです。
ナナカマドも赤くなり始めているものがあります。
赤とんぼもたくさんいます。これが山を降りるころには秋になります。
世界谷地第一湿原の木道を3回ほど回ったところで、戻る時間になりました。ゆっくりと遊歩道を戻っていきます。駐車場に近づき視界が開けてきたところで、麓の北上平野が見えてきます。
栗駒山山麓にあるいくつかの山も見えます。その中には、奇妙な形をしたものもあります。上から見ると細長い形をしています。
何なのか気になります。後から帰ってから山の名前を調べるという声が聞こえます。調べてわかったのでしょうか。「櫃が森」のようです。このあたりは、「大地森」と行ったように小高い山に森と名前がつけられているようです。
駐車場に戻り、全員がそろったらバスは出発です。登って来た道を引き返していきます。途中で気になっていた工事現場が見えてきました。
奥に長くつながる崖が見えます。想像なのですが、岩手宮城内陸地震で崩れてできた崖のようです。この裏手には、大規模地滑りを起こした荒戸沢ダムがあります。
景色を眺め続けているとこのあたりから、だんだん気分が悪くなってきています。車酔いなのでしょうか。あんまりこのような経験はないのですが..。体がほてっているような気もします。風邪の可能性もあります。いずれにしてもちょっと目つぶって休むことにします。気が付くといつの間にか山は降りきっているようです。相変わらず栗駒山は見えていないようです。櫃が森と同じような形をした山が見えています。同じ山でしょうか。似たような山がいくつかあります。帰ってからは同じ山だと判断しました。
しばらく山間の道に入ったので再び目を閉じます。次に気が付いたときには正面に、こぢんまりとした山の塊が見えていました。胡桃が岳をを中心とする山の塊のようです。鳴子温泉はこの麓にあります。
近くに似たような山も見えたのですが、胡桃が岳で間違いないようです。このあと川を渡ります。江合川です。もう少したら鳴子温泉に到着です。
宿は、鳴子温泉街でも手前側の外れにあります。町に着く前に道路から脇道に入ったところで宿に到着です。早めに到着しました。夕食まで1時間ちょっとあります。潟沼を見てみたいと思っていました。この間に行けたら良いのですが..。
部屋に入ったらあらかじめ冷やしすぎていてくれたため、寒くて気分が悪くなってきました。今までの体調不良は風邪のせいだったようです。昨晩からのいろいろなことが影響して葉です。とにかく冷房を切り窓を全開にして廊下のドアを開けて室内を暖めます。廊下に係の人がいたので寒いというと羽織を持ってきてくれました。
空気も入れ替わり、体も温まってきたところで気分の悪いのも収まってきました。どうしても潟沼が気になります。翌朝の出発も8時と早めなので、できれば今のうちに行っておきたいものです。事前に調べた限りでは往復に1時間ちょっとかかります。町の外れなのでその分だけ時間がよけいにかかります。フロントでどれくらいかかるかと聞いたところ歩いては無理といわれました。駅まででも往復で40分といわれました。ちょっとかかりすぎのようです。行けるだけいってみることにします。夕食時間にちょっとくらいは遅れてもという考えもあります。
町中に入りここから、潟沼への道というところでショックなことが起こります。崖崩れのため通行止めになっています。
迂回路が書かれています。小学校から上野々スキー場前を通って行くようです。地図で調べてみると山をぐるっと回っていくコースになります。ここからの距離は倍くらいになります。とにかく行ってみます。
案の定スキー場を過ぎたあたりで、食事時間までの半分を使ってしまいました。引き返さないといけないのですが、ここまでずっと登り道だったので下り坂を小走りで戻ればもう少し進むことができます。小学校をほぼ一周したロスもあります。もうちょっといけそうなのでさらに進みます。これで時間切れかなというところで、峠がすぐ先に見えます。さらに先まで足を伸ばします。そこからは木々の間から潟沼が見えます。林の切れるところで、潟沼の写真を撮って引き返します。反対側にある射撃場の大きな穴も気になります。爆裂火口のようです。後で聞いた話では戦時中は弾薬庫として使われていたそうです。こちらの写真は大きくぶれていました。潟沼です。
急いで引き返します。案の定途中で食事開始時刻になります。一応宿に電話を入れ、添乗員さんに遅れると伝えてもらいます。途中で空車と書かれたタクシーを見たので送ってもらおうとしたのですが、先客にとられた後でした。といってもそこからは宿まではほんの目と鼻の先で、送ってもらうほどのことはありませんでした。結局10分ちょっとの遅れで宿に到着です。
待たせているのですぐに食事にします。ここまで、急いで戻ったので汗をかいています。のどか渇き気味です。食事は全体に、濃い味付けだったのでのどを通りにくくなっていると感じます。普通に食べられたのは刺身くらいです(ふだんから醤油はつけない)。どこでもそうですがどちらかというとお酒のあてのなで食事全体が濃い味付けになっています。いつもはご飯といっしょに食べることでごまかしています。
食事が終わって部屋に戻ると布団が引かれています。いやな予感がします。上布団が真冬用の厚めです。窓を開けていったのに閉められています。開け直しておきます。そのあと荷物を整理してから温泉に浸かりに行きます。浴室がよく換気されていて熱気がこもっていないので、温泉が熱めでもあまりのぼせてはきません。どちらかというと快適なお湯です。一緒にいた宿の人もそういっていました。
その後は外は曇っているので、することはなく寝ることにしました。布団の中はやっぱり暑いので寝付かれません。といって布団がないとこんどは寒くて寝られません。温泉に入り直したりとか色々やってみたのですがどれも効果はなく、最後の手段で冷房を入れてなんとか寝つくことができました。
なかなか寝付かれなかったわりには、朝早く目が覚めます。起きるつもりなので冷房のスイッチを切ります。窓の外は低く雲がたれ込んでいます。夜中に結構降ったようです。
今はやんでいるようなので、町の方に行ってみることにします。昨晩も行きましたが、急いでいたのでゆっくり見ていません。
宿の前は警察になっています。入口にこけしの模型で飾っています。そういえば、鳴子はこけしでも有名な町でした。その後、このこけしは町中の至る所で見ることになります。
町内会関係の建物なのでしょうか、神輿がおいてあります。興味がありますが、勝手に入っていくわけにはいかないので、写真だけにしておきます。
町に入って、山側の道を行きます。ここの大きな駐車場の脇で温泉が湧き出しているようです。
横には足湯がありますが、他に温泉卵を作るための釜があります。この形のものは始めて見ました。観光客向けのようです。
この後山側の道に入って脇道を歩いてみることにしました。道はたくさんあるようなのですがいけるかどうか分からないので確実なものを選んでいると元の道に戻ってしまいました。仕方なく先に進みます。公園のような所を過ぎると駅に出ました。列車が止まっています。カラフルなので特急かと思ったのですが普通電車でした。駅前広場をぶらぶらしている内に出発してしまいました。
ここから宿に戻ることにします。途中早稲田桟敷湯と書かれている看板がありました。狭い道を登っていくようです。何か気になるのでいってみました。山側の道沿いにあったこの建物のことでした。まだ朝早い時間帯のなで空いていません。鳴子温泉巡りの1つに指定されている施設です。
温泉巡りについては、駅前に書かれていた案内によると、潟沼にも一つあってここから真っ直ぐぬける道を通って戻ってくることになっています。崖崩れで通れないのですがどうするのでしょうか。
再び、線路沿いの道に戻って宿に帰ります。土産物屋さんとかがあったのですがどこも開いていません。線路を越えたあたりから、小雨が降り出してきました。宿に着いたときにはうっすらと濡れていました。傘を持って出ませんでした。
ちょうど良い時間になっていたので朝食を済ませます。終わって戻っている途中で、いつも持っているバッグにカメラが入っていないことに気が付きます。食事場所に戻ったのですがありません。どうも持ってこなかったようです。
部屋に戻ってから、携帯ポットにお茶を入れます。窓の外を見ていると、列車が通る音が聞こえます。駅で止まっていたのと同じ色の列車です。このあたりの旅館は道路と線路に挟まれた狭い場所に建っています。
お茶が入って、出かける準備ができました。玄関まで降りていくことにします。
今日は鳥海山を回る予定です。ここからはバスで東北地方をほとんど横断する形になります。鳥海山では鉾立展望台・元滝伏流水・獅子が鼻湿原に立ち寄ります。獅子が鼻湿原はガイドさん付きでまわります。今回の旅行の目玉となっています。その後は月山の麓にある湯野浜温泉に行って宿泊です。
バス内にはハイキング用の荷物だけにし、他の荷物はトランクに預けます。座席は後方左の窓側で一人で座ります。どうも一人参加の3人でローテーションになっているようです。
最初に通過したのが鳴子峡です。険しい峡谷になっています。今度じっくり歩いてみたいものです。日本海側まで急ぐ必要があります寄っている時間はありません。バスは減速してくれました。
最初の峠を越えたところにあったのが封人の家です。松尾芭蕉が奥の細道でここを通った時に雨で行く手をさえぎられ、長期間滞在した場所です。バスの反対側に見えます。ここも減速で通過です。
このあたりはそば畑が広がっています。ちょうど花の時期のようです。
このあたりは盆地のようになっているようです。向こうの山の端に虹が見えています。朝虹は雨といいます。これから天気が崩れていくのでしょうか。
ふたたび、山の中の道に入ります。横を流れるのは小国川です。バスが通ってきた峠から流れてきています。このあたりでかなり大きな流れとなっています。
山をぬけると新庄盆地に出ます。盆地を横切ったあとは最上川沿いに下っていくことになります。最上川より、対岸の崖が気になります。大きく傾斜しているようにも褶曲しているようにも見えます。右側に見えますのでよく見えません。タイミングに苦労します。最初は対向バスが被ってしまい、行きすぎたところでの撮影になりました。このあたりが最上峡の入口になります。
左側に韓国風の建物が見えます。道の駅だそうです。崖のすきまから一瞬だけ見えたものです。
バスは最上川沿いを左に見ながら下っていきます。この先の白糸の滝ドライブインで休憩となります。バスの外は吹き飛ばされそうに強い風が吹いています。バスを降りてみた最上川下流方向です。
これが対岸に見える白糸の滝です。何段かに分かれて落ちています。まだ上にも続いていそうです。
休憩が終わって出発しても、東北地方横断は続きます。といってもそれほどかからず山をぬけます。川沿いに風車が見えるようになってきたら、道は北上を始めます。東北地方横断はほぼ終わったようです。
バスは、酒田市から北上します。ここからは田園風景が楽しめるかなと思ったのですが、道路の西側には防雪柵が設置されていてほとんど何も見えません。冬場に雪や風が入らないようにするもので、夏場には折りたたまれているものです。もう冬に備えて準備を始めたのでしょうか。それとも接近している台風対策でしょうか。すぐ目の前を、柵が通り過ぎるので景色が見えるチャンスをねらって眺めていると目が回ったようになり、昨日の体調不良の延長もあり気分が悪くなってきました。
右側の窓からは、鳥海山が見えます。初めのうちは、山頂付近に雲がかかっていたものの、だんだん薄くなってはっきり見えるようになってきました。
町中に入ると左側の窓から時々神社等が時々見えます。出羽一宮の大物忌神社の案内が見えます。鳥海山山頂にある神社なのですが、麓の遊佐町に出張しているそうです。「おおものいみじんじゃ」と読みます。
ここを過ぎてしばらくすると、鳥海山に登る鳥海ブルーラインに入ります。景色が開けるかと思ったのですが、林の中を走り続けます。それでも登るにつれ木々がまばらになり、すき間からは日本海が見えるようになってきました。飛島や佐渡島も見えるようになっています。もう少しと期待したところで、ヘアピンカーブにさしかかり、右側の窓は一気に視界が開けます。次のカーブに期待しますが、カーブが大きく思ったほど開けません。それでも何とか見えた日本海です。飛島とか佐渡島と言うほど視界は開けていません。
バスは走り続け、ブルーラインの最高地点の鉾立駐車場に着きます。鳥海山見学の1番目は、ここから歩いて展望台に行き景色を見ながら昼食になります。水筒とかの入ったリュックを持ってバスを降ります。降りたらすぐに、弁当をもらいます。大きめのおにぎり2個と、唐揚げなどのおかず、パック茶がついています。容器の底面積が広いので立てないとリュックに入りません。中身が偏ってしまいます。
駐車場から見た、鳥海山山頂方面です。山頂はここやこれから行く展望台からは見えません。良い天気になっています。ちょっと暑いくらいです。
駐車場で目立つ花はブタナ(ニセタンポポ)です。前回の旅行で名前を覚えたものです。
あまり目立たない花ですが、ネジバナも咲いています。捩摺(もじずり)とも言います。
ここからは鳥海山への登山道が続いています。展望台(鉾立展望台)は、登山道を少し登ったところにあります。登山道の入口付近です。
登山道の入口にはミヤマアキノキリンソウが咲いています。
この付近でもまだまだいろいろな花が咲いていそうです。
鉾立駐車場から、鳥海山に登る道を象潟口登山道と言います。大昔にここを登った記憶があります。山頂まで行ったと思っていたのですが、記録写真を見ると七高山山頂の標識が写っています。外輪山で一番高いところです。新山(最高峰)より7m低いようです。新山に登ったのかどうかは全く覚えていません。この頃は山頂近くにある雪渓が氷河ではないかと言われていたので、どのようなものか見るのが目的の一つでした。現在、氷河論争では、立山にまけてしまいました。
登山道を花を見ながら鉾立展望台まで行くことにします。シモツケソウです。もうほとんど終わっています。
花にはキアゲハがやってきていました。
ミヤマカラマツと同定した花です。花びらのように見えるのはおしべです。
ハクサンシャジン(タカネツリガネニンジン)です。花がベルのような形をしています。
アザミの仲間です。鳥海山にあるチョウカイアザミではないようです。帰ってから調べようとしたのですが、花を分解しないといけないようで、あきらめました。シジミチョウがやってきています。
ヤマハハコです。ハハコグサというのがありますがこちらの花は黄色です。葉っぱがウスユキソウに似ていたので勘違いしていました。もっと小さな花がつきます。こちらの葉っぱは細長く尖っています。
ホタルブクロです。低山でも見かけます。わずかに残っていたもののようです。
道脇のコブシは実がついています。まだ色づいてはいないようです。
鉾立展望台にはすぐに到着です。わずか数百mの間にいろいろな花を見ることができました。
鉾立展望台です。ベンチやテーブルがあって休憩できるようになっています。
山側におおきな溶岩がむきだしになっています。溶岩の岩場の一部を削って広場を作ったようです。
赤とんぼがいっぱい飛び交っています。岩の上や草の枝先に留まって休憩しているのもいます。写真を撮ろうとしたら、カメラのストラップに留まられたのには困りました。
ほとんどのメンバーは、各自好きな場所を占拠して食事を始めます。ちょっともたもたしただけで場所がなくなってしまいました。おまけにまだちょっと気分がよくありません。景色とかを見ながら様子を見ることにします。
北側の海岸沿いです。秋田市街から男鹿半島が見えています。
南側の海岸沿いです。佐渡島、粟島が見えます。佐渡島は2つの島となって見えています。2列の山地が別々の島のように見えているからです。
真っ直ぐ沖合の粟島方向です。海の白く光っているところが何なのか気になります。雲が白く写っているようにも見えますが、方向や形があわないような気がします。
反対の山側です。山頂は見えません。波うった平らな地面が見えます。雪が削った地形のようにも見えます。雪崩でこのような地形ができる事がありますが、そのためには傾斜が緩すぎます。万年雪の移動によって地表面が削られ緩くへこんだ雪食凹地という地形ができます。これでしょうか。いずれにしても氷河時代の話になります。
氷河が削ってできるU字谷のようですが、それにしては幅が狭すぎます。
斜面には滝が見えます。帰ってから地形図を調べると白糸の滝というのが書かれています。それでしょうか、帰ったときには見えた方向が曖昧になっていて確定できません。
気分の悪いのはちっとだけましになったので、おにぎりだけを食べることにします。油っこいものは胃にもたれます。場所がないので、登山道を少し登ったところにあるベンチで食べました。
食べ終わると、降りないといけない時間になっています。駐車場に戻ります。駐車場には早めについたので下界の景色を見ていると沼地のようなものが見えます。これから行く獅子が鼻湿原のようにも見えたのですが、単に牧場の貯水池でした。
近くにビジターセンターがあったので、花の名前とかを確認したくなったのですが、気が付くのが遅く、バス出発の時刻になっていました。
鳥海山の2番目の訪問地は元滝伏流水です。鳥海山の伏流水がわき出していて、マイナスイオンをたっぷりと浴びることができ、リラックスできるそうです。鈍感なのか、その効果をあまり感じたことはありません。
バスは駐車場に入ります。すぐ脇の栗の木に実がついています。食べごろになるまであと少しです。
駐車場からは、水路沿いの道を進んでいきます。木陰の気持ちの良い道です。
道沿いには至る所で水が湧いているのか、水路に水が流れ込んでいるところがたくさんあります。
植物もたくさんあります。この花はゴマナと判断しました。一番多く見られます。
道は途中から、川に沿って進むようになります。川中の岩も苔むしています。このあたりは水分が豊富で、湿度が高いようです。
しばらく進むと岩肌から水の湧き出しているところが見えてきました。
もう少し上流側に、大量の水が湧き出して滝のように落ちているところがあります。ここが元滝伏流水と呼ばれているところになります。滝なのか伏流水なのかよくわからない名前です。調べてみると、この少し上流に、元滝という滝があり、この川を元滝川と呼んでいます。元滝川に沿って湧き出す水と言うことで、元滝伏流水という名前が正しいことになります。元滝よりもこの場所の方が、水量も幅も立派なので観光スポットになったようです。この付近一帯川湧き出す水も元滝伏流水になるのですが、この滝のように落ちている場所だけを指していうようです。
水を流れるように撮れないかと減光フィルターを使ってみたのですが、露出時間が長くなりすぎ手ぶれを起こします。絞りを絞り込むことで十分対応できました。こちらの方が水量が多いように見えます。
木漏れ日が、落ちる水に当たっているところがきれいです。
川の水面から霧のようなものがわき上がっています。水温が低く、空気が冷やされてできているようです。
次は鳥海山の最後の目的地、獅子が鼻湿原です。湿原に入るには、中島台というところから遊歩道を進んで行きます。このツアーでは、湿原を巡るのにガイドさんに案内してもらうことになります。少し遅れて到着した、別会社のツアーでは、各自自由行動のようです。我々のツアーメンバーは多いので、2班に分かれます。バスの座席の位置で分けられ2班に入りましたが、先に出発になります。1班は回る順番が変わるのかと思ったのですが、ずっと後についていました。
遊歩道入口にあるウワミズザクラの木です。赤い実がいっぱいついています。先日この実を食べに熊が来ていたそうです。
ウワミズザクラの木のある場所から見た遊歩道です。基本的には植物を保護するために木道が作られていいます。場所によっては普通の山道になっているところもあります。道の左側にあるのは熊注意の看板です。
林はブナ林のようですが、木の一本一本が奇妙な形になっています。
林床にあるのは、オオカメノキとクロモジです。クロモジは高級爪楊枝に使われます。こちらのオオカメノキは冬芽が伸びています。
道は、一度川を渡ります。赤川と言います。普通の沢のようですが、よく氾濫し洪水時には橋まで上がってくるそうです。
根元で3本に分かれたシナノキがあります。冬場はこの木に神が宿ると言われています。今は田んぼの方に行っていて留守だそうです。
途中の地面から生えていたのが、シャクジョウソウです。ギンリュウソウと仲間です。この一角に何カ所か密集しているところがありました。
こちらはツクバネソウです。はねつきの羽根のような実なので、この名前がついています。同じようにツクバネという植物もあります。
途中で遊歩道は二股に分かれています。左に行けばあがりこ大王、右に行けば獅子が鼻湿原です。左側を先に行きます。道を進んでいくと奇妙な形をしたブナの木が増えてきます。この木は燭台と名付けられています。幹の形が、三つ股に分かれたろうそく手立てに似ているからです。俳優の誰それが霊気を感じたというのがテレビで放送されたそうですが、そういうことにも鈍感です。
こちらの木は曲がりくねっています。このような不思議な形をしたブナの木が多いのは不思議です。
若い細い木は枝分かれせずに真っ直ぐなものが多いようです。このようなところに限らず、ブナ林はきれいです。
この先に、炭焼き窯が残されています。このような形をとどめているものは少なく、跡だけが残されているものもあります。
奇妙な形をしたブナの木をあがりこというようです。あがりこができるのは、炭焼きように伐採されたからだそうです。冬場は雪がつもるので、その表面の高さで伐採します。切られた木は、切り株の上部から何本かの枝を伸ばしそれがやがて幹になります。それが再び刈られてということが繰り返してこのような形になったそうです。
職場にあった植木は毎年同じ所で刈られるので、そこがげんこつのように丸い塊になっています。そのかたまりから、何本かの細い枝が伸びます。ちょっと感じが違うようです。北大阪には池田炭(菊炭)というのがあります。材料になるクヌギの木は、高さ1m位のところで切られます。そうすると切り口から何本かの枝が真っ直ぐ上の方に伸びていきます。それが何年かして適当な太さになったら、切り口の高さで伐採されて炭になります。これが繰り返されることで変わった形をしたクヌギの木ができます。これを台場クヌギと言います。見たことのあるものは、職場の木に似ていました。感じが違うと思ったのですが、炭焼きに使われなくなって、大きくなった木は曲がりくねってくるようです。
この先に、一番大きなブナの木、あがりこ大王があります。木を保護するために、周りを一周する木道が作られています。
枝分かれのようすがわかるように撮ってみました。
この付近には、曲がりくねったブナの木が多いようです。一斉に刈り取られたようです。
今年は、ブナの実が不作で、熊の食料がなく里に下りてきているそうです。足元に実がいっぱい落ちていますが、これはみんな去年落ちたものだそうです。
あがりこ大王方面の道はここで行き止まりです。先ほどの分岐点まで戻ります。
あがりこ大王と獅子が鼻湿原との分岐点まで戻ったら、今度は右側の獅子が鼻湿原の方に向かう道を進みます。再び分岐点が現れます。こちらがわは獅子が鼻湿原を一周して戻ってくる道になっています。左側の道を取り、湿原を時計回りに回ります。湿原の山側を先に通る形になります。
しばらく進むと、一段低くなったところが現れ、それを右側に見るように進みます。ほとんどが木々のすき間からのぞいている感じで見難いのです。低い所には川に流れのようなものが見えます。左側からは水が流れてきていませんから、道との間のどこかでわき出していることになります。この付近で水の湧き出している場所は出壺と呼ばれています。
池のようになっているところもあります。実際に水が湧き出しているところは見えないのですが、池の底からもわき出しているように見えます。
道の脇にギンリュウソウがでていました。ブナ林では何カ所かで見たことがあります。
近くにこどもを背負ったようなこぶのある木があります。これよりも違うところのこぶの方がという声もあります。
この先で、道は低い段に降りる坂にさしかかります。道横に積み重なった岩の隙間から涼しい風が吹き出しています。ガイドさんによると近くに風穴があるそうです。
段のあるところ付近の遊歩道です。ここだけ木道がありません。崖が見えます。これは、溶岩流の末端だそうです。溶岩の流れた一番先っぽには、崖があって滝が見られることがよくあります。この付近には滝はないようです。出壺は、この溶岩の下を流れてきた地下水が、溶岩の末端部でわき出してできているようです。この溶岩の年数も説明があったようですが、忘れてしまいました。
道はいったん広場のようなところにでます。そこからは水路沿いに遡っていくような形で進んで行きます。水路は湿原でわき出た水を利用するために作られたようです。水路沿いの、ヤマブドウにはいっぱい実がついています。
反対側のミズナラの木にもドングリがついています。
湿原を巡る道は半分以上過ぎたようです。距離的には、湿原を回るのに分かれたところまですぐ近くのようです。
道沿いの水路はだんだん広く浅くなっていきます。水べりに、黄色い花が集団になって咲いていました。キンコウカです。この時始めてどのようなものかわかりました。栗駒山世界谷地にあったのに気が付きました。
水深の浅いところや水べりにコケが生えています。冬場は枯れるのですが、酸性の水質のために腐らずにそのまま残り、夏になるとその上に新しいコケが成長していってだんだん厚くなっていくそうです。丸くはないのですが、チョウカイマリモと名付けられています。茶色い土の上にコケが生えているように見えます。
川幅が広くなったところでは、チョウカイマリモは岩の上のについたコケのように見えます。
このあたりでは水路と言うより川のようになっています。山の方から流れてきていますが、道はこのまま真っ直ぐ進み川ともお別れです。進んでいると、変わった形のこぶがある木にであいます。一同は熊がいると大騒ぎです。大きなネズミという説もあります。
このあとすぐに。2ヵ所の分岐点を通過し、しばらく歩いて駐車場に戻ります。ガイドさんとここでお別れになるのですが、もう一つ、道路沿いにくまが最近寝床にしていたという木がある場所までバイクで先導してくれます。ねぐらは木の枝が集まっているところです。バスから見えたねぐらです。右側の窓を通してみています。今日のバスは右側の方が景色がよかったと思うのは、気のせいでしょうか。
この後は、一路宿のある湯野浜温泉に向かうだけです。帰りに見られるかと期待した鳥海山です。案の定、雲がかかってきています。
バスはしばらくの間海岸沿いを走ります。砂地の地面のようですが、畑に実奇妙な緑のトンネルがあります。ヤマイモを作っているという声が聞こえてきました。
バスは酒田市の手前から高速道路に入ります。すぐに大きな川を渡ります。最上川です。
前方に、月山と思われる山が見えます。明日行く予定の山です。残念ながら雲がかかっています。山向こうから雲が流れてきているように見えます。明日の天気が気になります。台風はどうなっているのでしょうか。
バスは、庄内空港ICで高速道路を降り、空港の近くを通って湯野浜に向かいます。湯の浜まではもうあと少しです。
湯野浜温泉の宿に到着です。夕食時間まで1時間ほどあります。部屋は山側で夕日が見えません。浜まで行くことにします。後でわかったことですが、階段から夕日が見えたようです。
三脚がいるかも知れないので、出しているとちょっと時間がかかりました。フロントで夕日を見に行くといって出かけます。横に添乗員さんいたので、念のために日没時刻を知らせておきます。夕食時間に間に合わないという前科があります。ちょっともたもたしたせいか、途中の浜が見えるところまで、来たところでちょうど日没にさしかかっていました。急いで歩きながらレンズを交換しようとしたら、レンズを落としてしまいました。大事なことになっていないと良いのですが。とりあえず撮った一枚です。
太陽はぎりぎりで雲の上に見えています。浜につくまでの間に沈んでしまいました。今日の夕日の目的はも一つあります。低い所に木星と金星が並んで見えるものです。見え始めるのが早いか、食事に戻らないといけない時間になるのか微妙なところです。金星は以外に早く見えました。雲がかかっている場所なので木星を確認するのに時間がかかりました。日没位置(推定)と金星の位置です。金星は左端黒い雲のあたりにあります。
金星と木星です。めいっぱいに拡大していますので離れているようですが、肉眼ではすぐ近くに見えます。
カメラを片付けて、いったん宿に戻ります。途中にあるコンビニに明日の昼食になるパンと飲み物を買いによります。
戻ったところで添乗員さんからどうだったと聞かれたので、間に合わなかったと正直に答えました。金星と木星のことを話したのですが、興味はなさそうでした。
いったん部屋に戻ってから食事に行きます。食事を済ませ、部屋に戻ろうとしたらバッグにカメラが入っていません。食事会場に忘れたのかと取りに戻りましたが、ありません。部屋に置いてきたようです。2日連続で取りに戻っています。近くのツアーメンバーに笑われてしまいました。
夕食後は、再び機材を持って星を見に(写真を撮りに)いきます。宿を出たところで、であった人に星を見に行くと言ったところ、ちょっと教えて欲しいといいます。建物のすき間から五角形に並ぶ星が見えたので、ぎょしゃ座と言ったのですが、直後に別方向に北斗七星を見つけます。ぎょしゃ座はあり得ません。季節的にもおかしいです。さそり座の明るい3つの星と火星土星が五角形を作っていたようです。
星を見る場所は夕日を見たところを考えていたのでそこまで行ってみました。温泉付近の海岸沿いに明るい街灯が大量に並んでいます。反対側に行っても、別の明かりが見えます。宿近くの方がよかったようです。新たに場所を探すのは大変なのであきらめてここにします。機材をセットしかけたのですが、以外と風が強く砂粒が飛んできます。カメラはいつもより高めの位置に取り付けました。
空が一番くらく見える北側です。北斗七星が写っています。あまり露出をかけられませんので星は暗めです。
左側にカメラを振って、うしかい座あたりを撮ったはずなのですが、星図と比べても位置が確定できません。
北斗七星が、日周運動で流れるように撮ってみました。ちょっと高めの所を通っています。
頭上付近の天の川です。かろうじて写っています。これでもカメラのレンズに光が当たらないように、露出中は体と手で影を作っています
地平線近くのさそり座と火星土星です。五角形に見えるのはどれかわかりますか。アンタレスが雲の中でわかりにくいかも。浜が相当明るいのがわかります。
あまり星が見えないので、ちょっと早めですが引き上げます。後は温泉に入って寝ることにします。今晩の布団は薄めで、快適でした。
台風が接近しています。夜に仙台空港から大阪に帰る予定になっています。飛行機はどうなるかわかりませんが、最低限、時刻までには空港に行く必要があります。昨晩発表された今日の予定では、とにかく仙台までいくために早めの出発にするとのことです。一応予定の場所は行くだけは行くようです。
朝早く目が覚めたので海岸まで行ってみることにしました。普通なら温泉に行くところです。
浜の手前にある小学校前の道路沿いにハマゴウの群落が何カ所か道を占領しています。ちょっと歩くのに邪魔になっています。
浜に降りると朝日が差し込んできました。雲は多いものの青空が広がっています。台風接近が嘘のようです。
西側の空には虹が架かっています。過剰虹のように見えます。朝虹は雨と言います。今日の天気が気になります。今日の天気は西からではなく東や南から変わってきそうです。
湯野浜海岸です。温泉街の大きな建物が並んでいます。右側灯台横白い建物の上あたりに虹の切れ端が見えます。
反対側です。鳥海山が見えますが、山頂付近には雲がかかっています。
海岸です。波が運んできた砂が高まり(リッジ)を作っています。その陸側は少し低くなっていて(ランネル)、リッジを越えてきた海水が水たまりを作っています。
砂浜の表面です。風紋ができていますが、昨晩降った雨で少しぼやけた感じになっています。
カニの巣穴のような穴です。2列に並んでいるのが不思議です。
砂に埋もれたテトラポッドです。波の力を抑えるためのものですが、これでは役に立ちません。足の周りの砂が丸く深くなっているのは、風が巻いているためでしょうか。
今日は朝食が早めです。あまり遠くまで行っている時間はありません。宿に戻ることにします。
朝食を済ませ、チェックアウトがすんだらバスに乗り込みます。ローテーションからすると、前方通路側の席と思われます。後方の席は自由席ということなので、そちらに移動できたらしたいものです。バスの入口に貼られた座席表は思った通りの席でした。移動しようとしたのですが、ここまでもたもたしていたおかげで席は取られてしまいました。後方の席は非常口などで窓枠が多いので前の席にでいいことにしておきます(といういいわけです)。前方の席でもフロントガラスを通して景色はよく見えます。
今日の予定は、出羽三山を回ることです。山のことだと思っていたのですが、修験場所のことのようです。もちろん山の名前でもあります。
それよりも台風の影響が一番心配です。ここにいる限りは何とかなりそうですが、台風の方に向かっていくことになります。添乗員さんから一応予定の所はいけるところは、行くだけは行くとのことです。仙台空港折り返しの飛行機は伊丹を予定通りに出発するそうです。ただ着陸できるかどうかはわからないとのことです。とにかく最初の目的地月山にいきます。
途中の、枝豆(大豆?)畑です。このあたりは、だだちゃ豆が有名です。それなのでしょうか。わりとたくさん見かけます。
相変わらず、景色を見ていると気分が悪くなってきます。だいぶましにはなっていますが、集中してみないようにします。
道の前方に、月山の鳥居が見えてきました。もうすぐかと思ったのですが、バスはこの前を右折していきました。
標識に書かれていた、高原牧場でしょうか。牛がでています、添乗員さんの一言は「おいしそう」でした。肉牛なのでしょうね。山形牛の山地でしょか。
この先で、バスガイドさんが乗ってきます。観光案内のためではなく、バスの道先案内のためです。この先道が曲がりくねっていて、切り返さないと曲がれないところがあります。そこでの案内のためです。このバスの前に、修験者の乗った観光バスと、路線バスが先に行ったそうです。台風が来ててもいくのですね。われわれもそうです。人のことはいえません。
路線バスにはすぐに追いつきました。こちらの方が大きいので、後について走るのかと思ったのですが、道を譲ってくれました。馬力の差でしょか。
山に入った頃から、雨が降り始めています。まだこの頃は、時々晴れ間ができて、虹も見えます。
月山を登るにつれて、だんだん雨がひどくなっていきます。8合目に近づく頃には、視界も悪くなり大雨になっています。風も強いようです。添乗員さんの判断で8合目の弥陀ヶ原湿原一周は無理なので中止することになりました。真ん中にある御田原神社には行きますが、強制はしないとのことです。
この雨では、傘が役に立ちません。カッパを着込むことになります。添乗員さんが早速用意します。まねして着込もうとしたのですが、シートベルトをしたままでは身動きが取りにくく苦労しました。こういうときは、シートベルトを外しても良いのでしょうか。
そうこうしているうちに、7合目の駐車場に到着です。車で上がれるのはここまでです。神社に行かない人は、バスの中かレストハウスで休憩になります。
雨風が強く、歩くのも大変です。正面のバスは修験者を乗せてきたものです。みんな、カッパを着込んで歩く準備をしていました。目的地は山頂でしょう。我々は、すぐそこまでです。
バスの中で、さっさとカッパを着込みましたが、神社まで行く人の大半は、バスが着いてから着込んだようです。そろうまでちょっとの間待ちました。
神社に向かう入口です。最初はこの石段を登っていきます。
早速ウメバチソウが咲いているのを見つけました。まだ湿原に入ったというわけではありません。
マツムシソウです。この時期としては珍しいものです。
石段を上がったところから、湿原内の木道になります。麓の方は晴れ間が見えています。雨風の強いのはここだけのようです。山ではよくある事です。
風の影響で、湿原の草も大きく波うっています。
湿原の花に目を向けます。一番多いのがキンコウカです。
リンドウも目立ちます。少し少なめです。
ミヤマアキノキリンソウです。湿原というより山野草です。
大きな鞘に実がついています。ニッコウキスゲでしょうか。
雨風のため写真を撮るのにも苦労します。風でゆれてピントがなかなか合わせられません。
花を見ながら歩いていると、目の前に御田原神社が見えてきました。
神社は小さなお堂です。まずは参拝していきます。カッパを着ているので財布が取り出しにくくなっています。この分は省略させてもらいました。
ここから奥に鳥居があります。月山の登山道(参道)が続いています。天気のため、道は少し先までしか見えます。ふだんならこの先に月山が見えるはずです。
この神社には、お地蔵様とか色々祀られています。お寺もいっしょになっているようです。月山にしても神社のお参りといって、修験者が登っていますから似たようなものです。
御田原神社という名前の由来は、周りの湿原に関係があるそうです。湿原の中には小さな池のような水たまりがあります。池塘といいます。
池塘の中には、スゲ類がぽつんぽつんと生えていて、神様が田植えをした跡のように見えることから、御田といい、これがある原っぱということで御田原という名前がついたそうです。ちなみに、弥陀ヶ原というのもこれがなまったものだそうです。ここの池塘は、浅いのが特長です。
神社まで往復したら、月山を下ります。下ってくると、庄内平野が見えてきます。平野部の天気はそれほどひどくないようです。
しばらく走ると、のぼりしなに追い越してきた路線バスに追いつきます。御田原神社まで往復できるだけ時間待ちをして出発していたようです。
やはりバスは、我々を先に行かせてくれます。我々の行き先も同じ羽黒山です。
バスはどこを走っているのかわからないまま観光地のような所につきます。正面には大きな門が見えます。ここから見学のようです。土産物店の駐車場を借りることになっていたのですが、駐めようとしたときに店の人から聞いていないと一悶着がありました。何とか話はまとまり駐められるようになったようです。早く着きすぎたせいかもしれません。
駐車場から、先ほど見えていた門の所まで行きます。雨は弥陀ヶ原の時と比べたら小降りです。傘を差していくことにします。随神門に向かいます。
門の脇に天拝石というしめ縄の飾られた石があります。説明が理解できなかったのですが、これを天の代わりに拝んだということでしょうか。
門を入ると杉並木が続くます。大きな杉の木が並んでいます。ずっと山頂近くまで並んでいるようです。
門を入ったところで、石段を降りていく形になります。降りきったところに道脇にいくつかの末社が並んでいます。一つひとつお参りせず通り過ぎていきます。
小さな太鼓橋を渡ります。神橋というそうです。みんなこのあたりは黙々と進んでいます。
横に滝が見えます。須賀の滝です。こちらの方はちょっと興味があったのかよっていく人が何人かいました。滝行にも使われているようです。
正面に大きな杉の木が見えてきます。爺杉といいます。樹齢は1000年だそうです。立派な木です。
さらに進むと五重塔があります。東北地方では最古のものだそうです。神社にあるというのも不思議です。添乗員さんのいう一番良い場所から撮ったものです。
いろいろな場所から撮ってみたのですが、光が被ります。レンズの曇りのが原因のようです。うまく拭ききれませんので、この程度であきらめます。
ここから、1700段ほどの石段を登っていくと本殿に着くそうです。いったんバスに戻って、回っていくことになります。添乗員さんから行っても良いとの一言があります、興味はあったのですが、遠慮しておきます。天気がよく時間に余裕があったら登ったかも知れません。歩く距離もよくわかっていません。
次は羽黒山上の本殿です。そのまま山に登るのかと思ったら、バスは全然違う方向に向かいます。後で調べたら、山に登る有料道路は、ほとんど山の反対側についていました。随神門まで戻る時間と、駐車場でのアイスクリーム休憩の時間、迂回のためのロス等を考えたら歩いてもそんなに時間が変わらなかったような気がしてきました。実際の所はどうだったのでしょうか。
山頂の駐車場では、傘が要るか要らないかくらいの降り方です。傘を持って降りるのを忘れていました。取りに戻ろうかと思ったのですが、土産物店が貸し傘を持ってきていました。これを借りて行くことにします。
駐車場から本殿に向かう参道です。ここの杉並木も立派です。
道が地面を削って作られているので、太い根っこが大きく張り出しているようすが見えます。
参道をぬけたところの鳥居です。ドローンを飛ばした人がいるのでしょうか。このような看板を始めて見ます。
境内に入って目につくのが、鐘楼です。屋根の吹き方が独特です。神社というよりやはりお寺といった雰囲気です。奥に見えるのは参集殿です。
その隣にあるのが、本殿です。三神合といいます。冬の間は月山・湯殿山へは雪のため参拝できません。ここでできるように出張してきたのが由来のようです。
正面にある鏡池を通してみた三神合祭殿です。
鏡池にはコウホネがびっしりと生えています。花も咲いていました。
境内には、末社がたくさんあります。その中でも蜂子神社の、柱には龍が巻き付いたような彫り物がしてあります。なかなか立派です。
参拝して、一通り回ったら、駐車場に戻ります。傘を借りた土産物店で、玉こんにゃくを買って食べました。
次は、出羽三山の3つ目、湯殿山です。いったん羽黒山を下ります。途中で、修験者の行列とすれ違います。かなりの人数です。最近は体験ということで、外国人も参加しているようです。
湯殿山は、こちら側から見て月山の裏側にあります。いったん麓まで降ります。平野部ではだいぶ雲が薄いようです正面には鳥海山も見えます。
もう正午を過ぎています。昼食ですが、バスの中で食べてねということだったようです(うろ覚えです)。玉こんにゃくは入りました、今のところそれが限界です。後回しにします。
バスは1時間ほど走って、湯殿山有料道路終点にある駐車場につきます。まだ本宮までは距離があります。ここで、本宮まで行く路線バスに乗り換えます。正面の黄色いバスです。行き先表示に本宮参拝バスと書かれています。
添乗員さんからの往復のチケットを受け取ってバスに乗り込みます。雨は傘でしのげる程度の降り方です。我々が乗っただけで、バスはいっぱいです。なかなか発車しないとたら思ったら、鶴岡市内から来るバスの到着を待っていました。3人ほど乗ってきていたのですが、バスがいっぱいなのを見て乗るのを躊躇していました。結局係の人に促されて乗ってきました。
バスに乗ってすぐに鳥居の横を通ります。ここからは写真撮影は禁止です。また、語るなかれといわれています。書くのはかまわないということはないでしょう。従ってここからは、しばらく記事は中断します。といっても、何もないというのも気が引けますので、観光バスの中で添乗員さんが言っていたことを簡単に要約します。これくらいは許容範囲でしょう。
湯殿山のご神体は大きな岩です。そこに詣るには、まず裸足になってから祈祷を受けます。その後、温泉水の流れる岩を回って参拝します。
<中略:中でのようす>
参拝が終わって、再び路線バスで駐車場に戻ってきます。バスは、鳥居の横で停まりそこから駐車場まで歩いて戻ることになります。振り返って見た鳥居です。この頃には雨は小降りになっています。
横にある、湯殿山参籠所です。宿坊のような建物です。
目的の観光地はこれで一通り回りました。あとは、仙台空港に向けて行くだけです。ほとんどの区間は高速道路があるのですが、最初の峠越えのみ一般道路を走るそうです。途中の休憩は、先がどうなるか読めないので、トイレ休憩はなしにして行けるところまで行くようにするとのことです。
最初の峠越えですが、月山道路という自動車専用道に入ります。高速道路にしてもいいような道です。その後すぐに山形自動車道に接続します。このころになると体調に余裕ができたので、この間に昼食用に買っておいたパンを一つだけ食べることにしました。
山形盆地に降りてきました。雨は激しく降り続いているようです。川の水かさもだいぶ増しているようです。
このまま帰り着けるのでしょうか。何かいやな情報が入ってきます。
高速道路は、この先、2つ目の峠越えで通行止めになっています。大雨の中峠を越えるのは大丈夫なのか心配になってきます。予想より早く、山に入りかけたところにある山形蔵王ICで高速道路を下ろされます。
降りてすぐに川を渡りますが、ものすごい濁流になっているのが見えます。叫び声が一斉にあがります。
道路に、車のテールランプの列が見えます。渋滞かと思ったのですが、単なる工事通行規制でした。
添乗員さんによると、側溝などが木の枝などで詰まるので、巡回掃除をしているそうです。雨の中、道路整備ご苦労さんです。
このまま峠越えを覚悟していたのですが、通行止め区間反対側の関沢ICまではすぐでした。峠はここからトンネルで越えるようです。
山を越えると、雨は小降りになっています。仙台までは何とかたどり着けそうです。時間に余裕がでたところで、菅谷PAでトイレ休憩が入ります。その後、仙台空港まではすぐでした。
一番気になるのは飛行機の情報、2番目は台風の情報です。飛行機については状況が変わっていないようです。新千歳方面は場合によっては東京に引き返すこともということになっています。台風情報については、空港で手に入るのは1時頃の位置でまだ仙台には接近中のようです。
飛行機が飛ばなかった場合、今日中にどうしても帰らないといけない人もいます。添乗員さんが、動いている新幹線での帰り方を指示しています。早く着いたおかげで、余裕を持って帰ることができます。
残った人は、市内泊まりということもあります。バスは輸送のため5時まで待機してくれるそうです。運転手さんの朝からの運転時間の問題があります。これ以上は待つことはできないようです。
離陸予定ということなので、搭乗券は発行されます。受け取ったら自由行動となります。荷物は預けることができます。相変わらず電池のことでチェックが入ります。リチウム電池はないと答えましたが、帰って調べてみると懐中電灯に入っているボタン電池はリチム電池でした。この後は、空港内をぶらぶらできます。空港に着いたのは4時過ぎです。出発できるとしてそれまでは相当時間があります。前回もここで2時間以上ぶらぶらしていたような気がします。
この頃には、空にだいぶ晴れ間が広がってきていました。台風情報は変化がないままです。
時間があるのでラウンジに行って本でも読むことにします。ボンヤリと外を眺めていると、何か地面がゆれたような気がします。「地震?」とつぶやいてしまったのですが、しばらくして後の方で「あたり」という声が聞こえてきました。大震災の余震と思われます。
一台前の飛行機が着陸できたようです。搭乗のアナウンスが聞こえます。これだと、乗る予定の飛行機も着陸できます。大阪まで帰れそうです。
いったんロビーに集合がかかっています。ちょっと早めに出て台風情報とかを入手しようと思います。大船渡沖とかの情報が入りますが、どこのことか忘れていました。気仙沼の北隣の町でした。台風は完全に通過したことになります。時刻もだいぶ前です。防波堤に波が打ちつけているのが見えると聞いたので見に行きました。時々白い波が上がっているのが見えます。
夕食時間は過ぎています。待っている間に残っているパンを食べました。飛行機は無事着陸できたようです。搭乗時間になって、飛行機に乗り込みます。通路側の席だったのですが、前2列が空いています。CAさんにいって席を替わらせてもらいました。飛行機は離陸していきます。窓から見た仙台空港ターミナルです。
飛行機は5分ほど遅れて到着です。荷物がでるまでに時間がかかるだろうとゆっくりしていたら、受け取り場所に着いた時に、目の前を流れていく荷物が見えます。慌てて追いかけます。他の人とぶつかりそうになりました。
モノレールはツアー仲間がたくさん乗っています。個々の駅で降りていきます。途中の駅で挨拶をして降ります。家まで歩いて無事到着です。
<湿原>
今回のツアーの目的は、ハイキングで湿原巡りをすることでした。湿原といっても、ふつうはそこで咲く花を見るのが中心になるでしょう。その意味では、8月の終わりは、ほとんどのものが終わっています。草も枯れ始めたものが目立ってきます。枯れた草は、あまりきれいではないので、見るのにはもう一つです。ということで、花にはあまり期待していませんでした。実際に行ってみると、探せばいろいろな花が見つかりました。初夏ほど華々しさはありませんがそれでも十分でした。
紅葉を見るには、時期的には早いようです。その頃になってしまうと、もう花は全然だめでしょう。紅葉だけを楽しみに行くことになります。湿原内の灌木類はナナカマドをのぞいて、紅葉がきれいとはちょっと言いにくいような気がします。これに対して、今回の獅子が鼻湿原は、湿原と言うより、林の中の涌水地といった感じで、周囲にはブナやカエデの木もたくさんあったのでそれなりに紅葉も楽しめたのではないかと思います。
獅子が鼻湿原では、もう一つ目玉がありました。チョウカイマリモです。見落としていたのかも知れませんが、全体に遠くから見ることが多く、実際の所どうなっているのかよくわかりませんでした。単に水のかかるところに生えるコケ類とどこが違うのか、見ただけではよくわかりません。説明を聞いてどうなっているか理解するだけで、細かく見てこうなんだと理解できたわけではありません。コケが枯れた跡そのまま塊となって残っているらしいのですが、詳しく見ればコケの残骸とかがわかったのでしょう。遠くから見ただけなので、ただの土と全く区別がつきません。そのあたりの所が詳しく見られたらとは思います。変わった種類のコケらしいのですが、その特長が何なのかもよくわかっていません。大勢で行って後ろについているだけなのがよくないのでしょうか。
<野鳥>
誰かも言っていましたが、今回は野鳥を全く見かけませんでした。見たのは、湯野浜海岸でのウミネコとカラスだけです。これは、どこにでもいるので観察対象となる野鳥とは言いがたいでしょう。
林の中とか結構入っているのですが、昼頃の野鳥の動きが鈍い時間帯だったからでしょうか。今回はどちらかと言えば、早朝とか夕方とかの鳥が活発に動き回る時間帯は町中を歩いていました。それが原因でしょうか。寒くなり始めたのでどこかに移動したとかあるのでしょうか。よくわかりません。そういえば、ブナ林では野鳥を見かける機会は少ないようです。
<体調管理>
今回の旅行中は、ずっと車酔いをしたような感じで気分がよくありませんでした。車酔いはしない方なので、原因は体調が悪かったためでしょう。体調の優れないときは、車に酔うことがあります。
体調が崩れた原因はよくわかりません。たぶん前日の夜の会合場所が冷え込んでいたからでしょう。冷房のよく効いたところに長時間居るというのは慣れていませんから、よくなかったのでしょう。その後も、夜中に冷え込んできたという事もあって、回復しなかったようです。飛行機の中もそう感じなかったのですが、寒かったという声もありました。それで、咳が止まらなくなったのでしょう。バスの中も暑かったのか寒かったのかよくわかりません。このあたりの感覚も麻痺していたようです。
体調が悪いというのに、動き回っていたというのもよくなかったのかも知れません。動いている間は体温が上がるので、気分が悪いということはなくなっています。これが、体調不良を長引かせたのかも知れません。その夜も、布団の関係で暑かったり寒かったりであまりよくなかったようです。
最終日にかけて少しずつよくはなっていたものの、完全には回復しなかったようです。夜はおとなしく寝ていた方がよかったのでしょうか。
<台風について>
旅行開始日少し前に発表された台風情報では、帰る日の午後に中部地方を北上するという予報でした。これだと、帰りの飛行機が飛ばない可能性が考えられました。進路予想図では、本州南岸をゆっくり東に進んでいたものが、急に北上を始めるという事になっていました。天気図を比較してみると、いきなり北上を始めそうな要素は見られませんでした。もっと東に進んでからということもありそうです。その後の予報では、日本列島を横切るところがだんだん東にずれてきて、通過時間帯も遅くなってきました。仙台付近夕刻ということになったときもありましたが、その時の事はなってから考える、旅行会社に任せておけばよいという気持ちで参加しました。
とはいうものの、最終日になると帰れるかどうかがかかってきますから、台風のようすが気になります。とはいうものの情報は全く入ってきません。朝のテレビが一番新しいものになります。常時インターネットにつながることができれば、何らかの情報は入ったのかも知れません。そういう状態ではないので無理です。これだけのために、ネットを契約するのももったいないです。結局、空港で一便前の飛行機が着陸できるまでは何もわかりませんでした。
帰ってから、よく考えてみるとある程度のことは知ることはできたようです。少なくとも東北地方の東方を通過するのは間違いがありませんでした。最終日午前中の天気に注目してみます。月山北側の七合目では強い風を伴う大雨だったのに対して、庄内平野は比較的穏やかな天気で鳥海山もよく見えていました。このことから、この時の台風は、月山に影響するものの、鳥海山に影響しない位置にあったといえます。さらに、月山の大雨は北寄りの風によって斜面を駆け上がってきた風によってもたらされたものと考えられます。そうだとすると台風のある方向は、月山から見て東南東から南東の方向になります。位置的には、福島沖くらいと考えることができます。
羽黒山や湯殿山で雨が弱まっていたのは、高度の影響かも知れません。湯殿山で、柵などの倒れそうなものが倒してあったのは、台風に備えてと考えていましたが、一時期風の強い時間帯があってその時に倒したのかも知れません。
午後の高速道路で雨のため通行止めになっていたのは、台風による西寄りの風によって出羽山地西側で大雨になったからでしょう。通過したときは、豪雨というほどのものではなかったようです。西寄りの風と雨が小降りになっていることからすると台風の最接近は終わったものと考えることができます。後は遠ざかっていくだけです。実際に仙台空港についた時には、晴れ間が広がっていました。
方位をしっかりつかまなかったので、風向きとかの大事な情報を逃しています。もうちょっと、外からの情報ばかりに頼らずに、身近な天気の情報をつかめば、だいたいのことはわかっていたようです。
<タクシー>
一日目の夕食前に遠くまで出かけすぎて時間内に帰ってこれなくなりました。戻る途中で、タクシーを見かけたので、時間短縮のため乗ろうとしました。先客が居たため乗れなかったのですが、考えてみるともっと早い内にタクシーに乗っていれば時間内に帰ってくることができたかも知れません。射撃場は閉まっていましたが、途中のゴルフ場には人がいたのでここから呼ぶことができたようです。
初めは歩いて行けると計算していました。回り道をしないと行けなくなった時点でタクシーを使うという方法もあったようです。歩いて帰るとなると時間が読めないこともありますから、見所を何ヵ所か行ってもらって帰ってきてもよかったのかも知れません。その方がじっくり見られたはずです。
自由散策の時間に、あまり歩き以外の交通手段を考えたことはありませんが、そういうものを利用するのもありかなと思います。あまり遠くは許されないのかも知れませんが、適当なところを回って帰ってくるのには有効かも知れません。タクシー以外にもレンタサイクルなんかも考えられます。前回でも、小樽市内の散策に利用すれば、手宮付近をゆっくり見て回る時間があったようです。今後は、こういう方法も視野に入れて散策するのもいいかなと思います。
<GPSロガー>
今回GPSロガーを持っていきました。日本橋で山積みされて売られていたものを買って帰ったものです。表示画面に砂が入って文字が読み取りづらくなっていました。なんとか取り除くことができたので、久々に使って見ることにしました。1日目は何とか使えたのですが、2日目以後は電源が入りません。入れていた充電池の電圧が低いためのようです。こちらの方が長持ちするので入れていました。残念です。
帰ってからログを調べてみると、水沢ICのあたりから栗駒山世界谷地まで、ずっと記録をとり続けています。水沢でで写真を撮ったときに、位置記録を残すようにボタンを押したときに、表示モードの関係でログの取り始めになったようです。以後は世界谷地で電源を落とすまで記録をとり続けたことになります。
いつどこに居たのかを調べるには大変便利です。次回からも使うことにします。記録間隔とかをもう少し調整し直しておいた方がいいようです。
<温泉の入り方>
今回は、2ヵ所の温泉地に行きました。浴室に貼られている入浴法(というか入るまで)の注意事項が違っています。一方はしっかり掛かり湯をしてから入りましょうというのに対して、もう一方は体を洗ってから入りましょうでした。
健康面からいわれているのは、しっかり掛かり湯をしましょうです。体を湯温に慣らさず、いきなりお湯に浸かると急激な血圧変化が起こるからです。その点でいえば前者が正しく、後者は誤りといえないまでも問題があります。
最近は、体を洗わずに入るのは汚いという人がいるようです。変な清潔信仰があるようです。お湯で流されず、石けんで落ちるのはしつこい油汚れだけです。それと、洗った後じゅうぶんに流していなければ、石けんでお湯を汚すということにもなります。タオルをお湯につけるなとなったのはこれが原因だと思います。さらにいえば、普通に入っていても体から出てくる汗がそうとうお湯を汚しています。お湯を張っただけではなくかけながしの広い湯船ならそれほどこだわることもないと思います。こうなってくると、終いにはプールに入るときも体を洗ってから入れということになりそうです。こちらの方が塩素殺菌しているとはいえ相当汚いような気がします。