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鳥海月山 秋めく湿原 2016/8/28-30


01 いきさつから花巻到着まで

 6月の終わりに北海道に行ってから、しばらく旅行の予定が立っていません。7月末は、梅雨がどうなっているかわからないので、あまりく計画をたてる気がしません。南日本は大丈夫そうなのですが、北日本はぐずついていそうです。もう一つ、しばらく望遠鏡を運んでいないので、車で行きたいものです。となると、行くだけで時間や費用がかかりますから、長めの日数で回りたくなります。ただ日曜は混雑したり高くなったりとかで、避けたいというのがあります。新月が9月1日なのですが、この日は用事があります。というので、車で行く計画は破綻してしまいました。あきらめたところで、旅行会社のパンフレットに、8月28日出発30日帰りで、鳥海山と月山の湿原をまわるというツアーが載っていました。コース上にはいくつか見てみたいところもありますので、この計画に乗ることにしました。車はまた次回にします。

02 8/28花巻空港から栗駒山世界谷地湿原へ

 花巻空港からは、奥羽山地や北上山地がよく見えます。あいにくと高い山の頂上付近は雲におおわれています。西側の奥羽山地の北の端に三角形の火山のような山の裾野が見えます。岩手山です。このようすだと見えるのかどうかわかりませんが駒ヶ岳も雲の中のようです。

03 8/28栗駒山世界谷地へ

 どこからそのような名前がつくのかよく分かりませんが、世界谷地とは大きな湿原という意味だそうです。谷地(やち)という言葉は、湿原の意味で使われることがあります。栗駒山の南斜面標高700mあたりに広がる湿原です。このあたりは山に囲まれたような感じになっていて、溶岩の塞がれて平らになっているようです。大きく3段に分かれていて、そのうちの大きな2段は下から、第一湿原、第二湿原と名前がつけられています。第二湿原は立ち入り禁止になっています。2008年の岩手宮城内陸地震で遊歩道に被害があったようです。帰ってから見た新聞記事には近々修復すると書かれていました。

04 8/28栗駒山世界谷地 花

 湿原巡りは、その時々によって違った花を楽しむことができます。花の盛りは8月初旬までです。この時期になると咲いている花はぐんと少なくなります。秋になるとすぐに雪に覆われるようになります。それまでに実をつけないといけないからです。それでも、いくつかの花は見られました。順番に見ていきます。

05 8/28栗駒山から鳴子温泉

 世界谷地第一湿原の木道を3回ほど回ったところで、戻る時間になりました。ゆっくりと遊歩道を戻っていきます。駐車場に近づき視界が開けてきたところで、麓の北上平野が見えてきます。

06 8/29 鳴子温泉

 なかなか寝付かれなかったわりには、朝早く目が覚めます。起きるつもりなので冷房のスイッチを切ります。窓の外は低く雲がたれ込んでいます。夜中に結構降ったようです。

07 8/29 東北地方横断

 今日は鳥海山を回る予定です。ここからはバスで東北地方をほとんど横断する形になります。鳥海山では鉾立展望台・元滝伏流水・獅子が鼻湿原に立ち寄ります。獅子が鼻湿原はガイドさん付きでまわります。今回の旅行の目玉となっています。その後は月山の麓にある湯野浜温泉に行って宿泊です。

08 8/29 鳥海山へ

 バスは、酒田市から北上します。ここからは田園風景が楽しめるかなと思ったのですが、道路の西側には防雪柵が設置されていてほとんど何も見えません。冬場に雪や風が入らないようにするもので、夏場には折りたたまれているものです。もう冬に備えて準備を始めたのでしょうか。それとも接近している台風対策でしょうか。すぐ目の前を、柵が通り過ぎるので景色が見えるチャンスをねらって眺めていると目が回ったようになり、昨日の体調不良の延長もあり気分が悪くなってきました。

09 8/29 鳥海山象潟口登山道

 鉾立駐車場から、鳥海山に登る道を象潟口登山道と言います。大昔にここを登った記憶があります。山頂まで行ったと思っていたのですが、記録写真を見ると七高山山頂の標識が写っています。外輪山で一番高いところです。新山(最高峰)より7m低いようです。新山に登ったのかどうかは全く覚えていません。この頃は山頂近くにある雪渓が氷河ではないかと言われていたので、どのようなものか見るのが目的の一つでした。現在、氷河論争では、立山にまけてしまいました。

10 8/29 鳥海山鉾立展望台

 鉾立展望台です。ベンチやテーブルがあって休憩できるようになっています。

11 8/29 鳥海山 元滝伏流水

 鳥海山の2番目の訪問地は元滝伏流水です。鳥海山の伏流水がわき出していて、マイナスイオンをたっぷりと浴びることができ、リラックスできるそうです。鈍感なのか、その効果をあまり感じたことはありません。

12 8/29 鳥海山中島台

 次は鳥海山の最後の目的地、獅子が鼻湿原です。湿原に入るには、中島台というところから遊歩道を進んで行きます。このツアーでは、湿原を巡るのにガイドさんに案内してもらうことになります。少し遅れて到着した、別会社のツアーでは、各自自由行動のようです。我々のツアーメンバーは多いので、2班に分かれます。バスの座席の位置で分けられ2班に入りましたが、先に出発になります。1班は回る順番が変わるのかと思ったのですが、ずっと後についていました。

13 8/29 鳥海山あがりこ大王

 途中で遊歩道は二股に分かれています。左に行けばあがりこ大王、右に行けば獅子が鼻湿原です。左側を先に行きます。道を進んでいくと奇妙な形をしたブナの木が増えてきます。この木は燭台と名付けられています。幹の形が、三つ股に分かれたろうそく手立てに似ているからです。俳優の誰それが霊気を感じたというのがテレビで放送されたそうですが、そういうことにも鈍感です。

14 8/29 鳥海山 獅子が鼻湿原

 あがりこ大王と獅子が鼻湿原との分岐点まで戻ったら、今度は右側の獅子が鼻湿原の方に向かう道を進みます。再び分岐点が現れます。こちらがわは獅子が鼻湿原を一周して戻ってくる道になっています。左側の道を取り、湿原を時計回りに回ります。湿原の山側を先に通る形になります。

15 8/29 鳥海山から湯野浜温泉へ

 道沿いの水路はだんだん広く浅くなっていきます。水べりに、黄色い花が集団になって咲いていました。キンコウカです。この時始めてどのようなものかわかりました。栗駒山世界谷地にあったのに気が付きました。

16 8/29 湯野浜温泉 星

 湯野浜温泉の宿に到着です。夕食時間まで1時間ほどあります。部屋は山側で夕日が見えません。浜まで行くことにします。後でわかったことですが、階段から夕日が見えたようです。
 三脚がいるかも知れないので、出しているとちょっと時間がかかりました。フロントで夕日を見に行くといって出かけます。横に添乗員さんいたので、念のために日没時刻を知らせておきます。夕食時間に間に合わないという前科があります。ちょっともたもたしたせいか、途中の浜が見えるところまで、来たところでちょうど日没にさしかかっていました。急いで歩きながらレンズを交換しようとしたら、レンズを落としてしまいました。大事なことになっていないと良いのですが。とりあえず撮った一枚です。

17 8/30 鶴岡市湯野浜海岸

 台風が接近しています。夜に仙台空港から大阪に帰る予定になっています。飛行機はどうなるかわかりませんが、最低限、時刻までには空港に行く必要があります。昨晩発表された今日の予定では、とにかく仙台までいくために早めの出発にするとのことです。一応予定の場所は行くだけは行くようです。

18 8/30 月山へ

 朝食を済ませ、チェックアウトがすんだらバスに乗り込みます。ローテーションからすると、前方通路側の席と思われます。後方の席は自由席ということなので、そちらに移動できたらしたいものです。バスの入口に貼られた座席表は思った通りの席でした。移動しようとしたのですが、ここまでもたもたしていたおかげで席は取られてしまいました。後方の席は非常口などで窓枠が多いので前の席にでいいことにしておきます(といういいわけです)。前方の席でもフロントガラスを通して景色はよく見えます。

19 8/30 月山弥陀ヶ原湿原 花

 バスの中で、さっさとカッパを着込みましたが、神社まで行く人の大半は、バスが着いてから着込んだようです。そろうまでちょっとの間待ちました。

20 8/30 月山弥陀ヶ原

 花を見ながら歩いていると、目の前に御田原神社が見えてきました。

21 8/30 羽黒山五重塔

 バスはどこを走っているのかわからないまま観光地のような所につきます。正面には大きな門が見えます。ここから見学のようです。土産物店の駐車場を借りることになっていたのですが、駐めようとしたときに店の人から聞いていないと一悶着がありました。何とか話はまとまり駐められるようになったようです。早く着きすぎたせいかもしれません。

22 8/30 羽黒山三山神社

 次は羽黒山上の本殿です。そのまま山に登るのかと思ったら、バスは全然違う方向に向かいます。後で調べたら、山に登る有料道路は、ほとんど山の反対側についていました。随神門まで戻る時間と、駐車場でのアイスクリーム休憩の時間、迂回のためのロス等を考えたら歩いてもそんなに時間が変わらなかったような気がしてきました。実際の所はどうだったのでしょうか。

23 8/30 湯殿山から仙台へ

 次は、出羽三山の3つ目、湯殿山です。いったん羽黒山を下ります。途中で、修験者の行列とすれ違います。かなりの人数です。最近は体験ということで、外国人も参加しているようです。

24 8/30 仙台から大阪

 高速道路は、この先、2つ目の峠越えで通行止めになっています。大雨の中峠を越えるのは大丈夫なのか心配になってきます。予想より早く、山に入りかけたところにある山形蔵王ICで高速道路を下ろされます。

25 8/30 感想など

<湿原>
 今回のツアーの目的は、ハイキングで湿原巡りをすることでした。湿原といっても、ふつうはそこで咲く花を見るのが中心になるでしょう。その意味では、8月の終わりは、ほとんどのものが終わっています。草も枯れ始めたものが目立ってきます。枯れた草は、あまりきれいではないので、見るのにはもう一つです。ということで、花にはあまり期待していませんでした。実際に行ってみると、探せばいろいろな花が見つかりました。初夏ほど華々しさはありませんがそれでも十分でした。

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