ヨッシンと地学の散歩 > 旅行記
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2019/03/30-31 春の妖精を探して


01    出発まで

冬の間は寒くて外に出ようという元気がありませんでした。それなりにみるものがあれば、思い切っていくところです。雪道の運転は遠慮したいので、いくとなればツアーでしょう。みてみたいものはありますが、ツアー内容はもう一つパッとしませんでした。来年以後ということになるでしょう。
 春が近づいてくると、どこかに行きたくなってきました。行き先を組もうと考え始めたのですが、うまくまとまりません。平行してパッケージツアーも探してみます。観光地もいいけれども、花も良いものです。春の花を見に行くというものも何度か参加しています。

02 3/30 越後雪割草街道まで

 朝の用事を済ませ、戸締まりをしていざ出ようと、履いていこうとしたトレッキングシューズをみると、ぼろぼろになっています。沖永良部島で傷だらけになった物が、関越の旅行で寿命がきていたようです。帰ってから確認をするのを忘れていました。しかたがないので、新しいスニーカーでいくことにします。水たまりの中でなければこれで何とかなるでしょう。

03 3/30 大崎雪割草の里 到着

 大崎の海岸から少し入ったところに、大崎雪割草の里があります。バスはここの駐車場には入れないので、道路上での乗り降りとなります。道路脇がバスの待機場所となっているようです。
 道路から入ったところにある公民館のような建物でトイレをすませておくように指示が出ます。雪割草の里にはトイレがありません。トイレをすませてから雪割草の里入口まで移動します。見えてきた雪割草の里入口です。ここからみると、ビニールハウスの植物園のように見えます。

04 3/30 大崎雪割草の里 花1

 雪割草の里では、雪割草以外にもいろいろな種類の花が咲いています。花の名前とか、数の少ない物は、咲いている場所も教えてもらえます。
 雪割草の次に多かったのが、キクザキイチゲです。イチリンソウともいいます。花が大きな分、雪割草よりもたくさん咲いているように見えました。

05 3/30 大崎雪割草の里 花2

 雪割草です。正式な名前はミスミソウといいます。葉が3枚ずつつくことが名前の由来です。春の雪解けを待って一番に咲くことから雪割草とよばれるようになったようです。サクラソウの仲間にもユキワリソウという種類があるのでこれと区別する意味で、漢字で書かれています。
 いろいろな色の花があります。形態的にいくつかの種類があるようです。違いは見ていてもよくわかりません。基本的には、品種の違いのようです。

06 3/30 雪割草の里から長岡へ

 昭和の中頃に山野草がブームとなり、各地の野草がだいぶ持って行かれたようです。日本各地の雪割草もほとんど採集され、野外ではほとんど見かけることがなくなっていたそうです。雪割草の里では、種から育てた物を野外に戻すことで、やっとここまでたくさん見られるようになったそうです。

07 3/31 長岡市

 夜間の天気予報は、夜半過ぎに晴れ間が出るかもということでした。一度目が覚めたついでに、窓からのぞいて見たのですが、星は出ていないようでした。商業施設がたくさんあるわりには、ほとんどの明かりが消えて暗くなっていました。
 外が明るくなり始めると目が覚めました。起きることにします。天気のようすが気になります。みると厚い雲が立ちこめています。路面も濡れています。夜中に雨が降ったようです。これでは、星見どころではなかったようです。

08 3/31 越後丘陵公園へ

 今日の出発は、越後丘陵公園の開園時刻にあわせて、9時10分になっています。食事をすませてもまだまだ時間があります。先ほどの大雨のことがありますから外に出るのはためらわれます。風呂に入ろうかとも考えました。昨晩、時計のバンドを救急絆創膏ではずれないように縛ってしまいました。昼間に3回ほど外れたからです。外すと新しいのがないので、縛り直すことができません。はずれて落としてしまう可能性があります。時計のおかげであきらめることになりました。

09 3/31 越後丘陵公園 雪割草群生地

 添乗員さんが、雪割草の群生地まで案内してくれます。花などを見ながらいきます。いつも最後尾になります。歩くだけなら速い方なので、ひたすら歩くときは、いつの間にか前の方に出ています。斜面をあがって群生地につくまではあまり花は咲いていなかったようです。途中で見かけた桜の花です。この付近にはオクチョウジザクラというのが普通に見られるようです。

10 3/31 越後丘陵公園 クリスマスローズ

 雪割草群生地は一通り見終わったので、次に向かうことにします。クリスマスローズ花壇です。登ってきた道をまた下っていきます。
 アジサイの植わっている広場に出ました。ちょうど新芽が出だしたところです。花壇の表札をみるとアマチャと書かれていました。疑問を口に出したところ、近くにいた人が、アマチャはアジサイの仲間だと教えてくれました。アマチャとアマチャヅルとを混同していました。

11 3/31 越後丘陵公園 花と緑の館

 シクラメン・クリスマスローズをみていると雨が降りだしてきました。だんだん強くなってくるので、建物の方に避難することにしました。といっても、ここからだと円形広場の反対側にある緑と花の館しかありません。円形広場を突っ切っていきます。
 歩いている内に風も強くなってきました。傘を差しているのも苦しくなってきました。前をいく人のポンチョも、風に流されて全然役に立っていません。

12 3/31 雪国植物園 入口

 越後丘陵公園の次の目的地は雪国植物園です。10分ほどで到着しました。すぐ近くだったようです。途中で、雪国植物園への案内看板があったのに、そちらの方に行かなかったときは少し不安になりました。大型車は通れないか何かでいかなかったのでしょう。しばらく走っているととまた案内看板を見るようになってきました。
 駐車場からみた植物園入り口です。細長い建物があります。ガイドさんによる説明が終わった後は、園内で各自昼食という設定になっています。できるだけ長時間みていたいので、昼食弁当は帰りのバスの中ということにします。

13 3/31 雪国植物園 カタクリ

 ガイドさんの準備もできたようです。2班に分かれます。もたもたしていたら、後のグループになってしまいました。この頃から雨が降り始めています。だんだん強くなってきます。そのうち白いかたまりが落ちてきました。あられです。激しく落ちてきて、地面で跳ね返っています。木の幹などの風上側では、積もってきたところもあります。

14 3/31 雪国植物園 いろいろな花

 雪国植物園は、植物園と銘打っているだけあって、たくさんの種類の花が咲いています。続けて紹介していきます。
 フクジュソウです。もう終わりのようで、やっと残っていた花が一つだけありました。これも咲いているのか、しぼんでしまったのかわかりません。

15 3/31 雪国植物園 ミズバショウ

 雪国植物園内はけっこう起伏があります。丘のようなところを越えて坂を下っていくと、谷地田のようなところにつきました。山間の田んぼの風景そのままです。今まで通ってきたところは、田んぼの周囲に広がる山に相当します。いわゆる里山になります。このあたりはこのような田園風景が広がっていたのでしょう。この丘陵一帯は高度成長期に、工業団地を作る計画ができたものの、バブルの崩壊とともに中止となりました。その余った土地を市に買い取ってもらって、植物園として整備しているそうです。

16 3/31 雪国植物園 ニリンソウ

 谷地田の奥の方から再び里山の中に入っていきます。沢筋では白い花が咲いています。雪割草の里でみたキクザキイチゲと雰囲気が似ていたのでそれと勘違いしていました。ピンク色の花びらが混ざっているものがあることから、おかしいことに気がつきました。ニリンソウでした。キクザキイチゲもおなじイチリンソウの仲間です。

17 3/31 雪国植物園 スミレ

 春の草花といえば色々ありますが、スミレ類もその中にあげないといけないでしょう。この植物園でも何種類か咲いていました。比較的明るく乾燥したところに多いようです。スミレ類は分類しようとしてもわかりにくく、種類を調べるのは一筋縄ではいきません。植物園の入口にあった写真と、ネットに掲載された花の名前を用いることにします。

18 3/31 雪国植物園 木の花

 たくさんの木々にも花が付いています。順番にみていくことにします。
 椿の花です。日本海側地域にはユキツバキという種類があるようです。ヤブツバキだけだと思っていました。違いはよくわかりません。ヤブツバキとの間で雑種を作ることがありユキバタツバキといいます。こうなるとますますわからなくなってきます。
 ユキツバキです。花の中心部が黄色っぽい色をしているように見えます。ユキツバキの特徴なのかたまたまだったのかはわかりません。

19 3/31 雪国植物園 雪割草

 雪国植物園はこれで一回りが終わりました。だいたい予定していた1時間半を経過しています。ところでここまでの解説で、肝心なものがぬけています。今回の旅行の最大の目的である雪割草です。最後にまとめて紹介します。
 雪割草はいろいろなところでみられました。一番多かったのは、谷地田の奥にある斜面から里山に登った先です。登り始めたところからたくさん雪割草がみられました。みんなが写真を撮り始めたので、列の動きが遅くなりました。ガイドさんから帰りに写してというのでせかされましたが、そのわりには帰りも急ぎ足だったようです。

20 3/31 雪国植物園から大阪へ

 雪国植物園を一周した後は、旅行会社の設定では昼食タイムとなっています。バスの中で食べるつもりで置いてきています。近くを歩き始めたのですが、だいたいのところは案内してくれているようです。入口から離れたところでは、行っていないところがありそうですが、そこまで行く時間はなさそうです。結局、途中から戻ってきました。

21   感想・余談など

 スプリング・エフェメラルというものがあります。英語表記だとSpring Ephemeralです。直訳すれば、春のはかないものという意味になるそうです。春先の雪解けを待って、一斉に花を咲かせ、実を実らせます。夏になる頃には枯れてなにもなくなってしまいます。このような植物をそのように呼んでいます。
 代表的なものとしては、カタクリやニリンソウがそれにあたります。今回の旅行の目的だった雪割草は、夏でも葉を残しているので、仲間に入れてもらえないようです。

22   余談など

<団体旅客中一部途中下車通知書>
 名前を何というのかしっかり覚えていませんが、特急列車で大阪に向けて帰ってくるときに、団体乗車の場合は大阪までの途中駅で個別に下車できる切符があります。団体旅客中一部途中下車通知書と書かれています。今回の添乗員さんはこのような切符があることを理解できないようでした。


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