雲の発生実験装置
雲ができるのは、空気のかたまりが上昇した場合です。これは、上空では気圧が小さくなるためです。
気圧が小さくなることによって気体の体積は膨張し、周りの物を押し広げるという仕事をします。
仕事をしたために、熱エネルギーを消費し、気温が下がります。一定温度以下に下がると、
空気中に含まれていた水蒸気が凝結し、雲や霧ができます。
この装置は、気圧を急激に下げて雲を作るものです。ペットボトルをガラス管を差し込んだゴム栓でふたをして、
空気入れからゴムチューブ(ビニールチューブでもよい)でつないでいます。
空気入れから空気を入れ、しばらく放置したあとゴム栓をはずすと、勢いよく空気が抜けたあとペットボトルの中に、 雲(霧)ができます。
雲ができた状態で、空気入れから空気を入れて、気圧を上げると、雲が晴れる状態も観察できます。
本来なら、気圧を上げたときに気温が上昇し、気圧を下げると気温が下がることもみせたいものです。
写真のペットボトルには、シート式の温度計を内側に貼り付けています。 空気を入れたり出したりすることで2〜4℃程度の気温の変化を感知します。
ただ、温度計が数回の実験でだめになるのが欠点です。
この装置は、結構有名なようです。ペットボトルに線香の煙を入れておくと雲がきれいにできるとかいわれていますが、
それよりも、エタノールをごく少量入れておくと見事に雲を作ることができます。温度計がだめになるのはエタノールのせいかもしれません。
気圧を上げるので、ペットボトルが破裂しないか心配ですが、その前にゴム栓が外れるので、
問題はないようです。心配ならこまめにペットボトルを交換すればいいでしょう。