方位高度測定器
天体の位置を伝えるのに非常に苦労することがあります。例えば指で指し示した場合、見る位置によって指先の位置と天体の位置がずれます。
レーザー光線や強力なライトを使うと便利なのですが、他の観測者の迷惑になります。この方法を推奨している人もいますが、自分が迷惑と感じる事を、
率先してするのはマナー違反ですし、指導方法としては誤りだと思います。
望遠鏡で天体を見せているときに対象物がどれかの質問がよくあります。この時、望遠鏡の先の天体と教えると見つけやすいようです。
そこで、パイプを台に固定して方向を示す装置を作ろうと考えました。パイプにしたのは、中をのぞくことによって天体に確実に向けられるからです。
また、高度を測ってみようという実習を見かけるので分度器とおもりをつけてみました。ついでに方向も測れるように方位板と方位磁石もつけました。
天文ソフトで天体の方位高度を求めることができますので、あらかじめだいたいの方向を知ることができます。太陽の方位を、
測定したものと、天文ソフトのものとを比較することによって、磁石の偏角を測定することもできます。この時、
パイプの影が円になるようにして太陽の方向に向けます。
この装置ではパイプの重心がねじのところにありませんので、
上を向けるとバランスがとれないことがあります。多少は解消できるようパイプは前後に動くようになっています。また真上の天体は、
方位板がじゃまをして見ることができません。