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気圧の実験 


1.マグデブルグの半球


マグデブルグの半球

 大気に圧力がかかっているのを大衆の前で示したのが、ドイツのオットー・フォン・ゲーリケです。1654年に行われています。 ゲーリケはマグデブルグ市の市長だったことから、この実験はマグデブルグの半球実験として知られています。
 実験は、金属製の2つの半球をあわせて、中の空気を真空ポンプで抜いた後、馬で引かせて外そうというものでした。 合計16頭の馬で引かせたのですが、外すことはできませんでした。  似たような実験をさせてみることにします。まず材料です。半球はお椀で代用できます。100円ショップで同じ大きさのものを買ってきました。 そのまま口のところであわせても、合わせ目はかなり波打っていて空気を通します。あわせた後中の空気を抜くことはできません。平らな台に紙やすりを広げて置き、 その上で、お椀を逆さまにして円を描くように滑らせて、合わせ目が平らになるようにしました。これだけで、パッキンなどを用意する必要はなくなりました。
 あわせたお椀を引っ張るために、糸尻に穴を開けそこにたこ糸を通しました。これで、加工はおしまいです。
 中の空気の抜き方です。やかんの中でお湯を沸騰させ、口から出てきた蒸気をお椀の中に受け止めます。2つのお椀に交互に蒸気を入れ、 すぐに口を合わせてしばらく置けば蒸気が水に変わることで中の空気がなくなります。この状態でひもを引っ張ればなかなか外れようとはしません。
写真のものは糸がたるんでいますが、うまく引っ張る方法がなかったためで、糸が真っ直ぐになるくらいまで引っ張ることができます。
 このような実験装置を作らなくても、お吸い物のふたが取れなくなるということで確認することもできます。
2016. 3.10



2.気圧計(その1)

気圧計

 気圧の変化によって、空気の体積が変わるという性質を利用して気圧計を作ってみました。水中にあるものの体積が変わると、浮力も変わってきます。 浮かんでいるものが、どれくらい沈むかを目盛で読み取る方法です。この時に、 喫水線(水に浸かっているところと浸かっていないところの境界)の断面積を小さくすると、 浮き沈みが大きくなって、気圧の変化を見やすくなります
 用意したのは、ペットボトル(500ml)、乳飲料のビン(100?ml)、ストロー、スチロールパネルの切れ端、接着剤です。
 ペットボトルは肩のところでまっすぐ切り落とします。このときに段になっているところで切り落とし、 上側の部分はぴったりはまるような幅のところまで切り詰めています。フタもしっかりはめておいてください。 フタにはストローが通るように穴を開けておきます。
 スチロールパネルの切れ端は、ストローより少し広めの幅に切り、角を指で強くつまんでストローに入るように細くして、ストローに挿しこみます。 ストローには等間隔に目盛を振っておきます。
 ストローを乳飲料のビンの底に立てるように接着剤で取り付けます。ストローの先に4ヵ所ほど切り込みを入れ開いておくのと、 ビンの底を紙やすりをかけてざらざらにしておくと接着剤がつきやすくなります。 うまく接着できなくても、ストローがビンの底に安定して立ち、ストロー自体も接着部側が下になって沈むように重しがあれば問題なく使うことができます。
 組立です。断面図を添えていますので参考にしてください。
 まず、ペットボトルの底側に水を入れ、ビンを逆さまに入れた後、中に入っている空気の量を調節して喫水線がストローの所にくるようにします。 この時、天気がいい(気圧が高い)ときに工作したら沈み気味、悪い(気圧が低い)ときだと浮き気味に調整します。 バケツの中など大きなものの中で調整してから、ペットボトルを中に沈めてビンをすくい上げるとやりやすいでしょう。 あとは、ペットボトルの上半分を取り付けて完成です。このまま日の当たるところにおいておくと、藻が発生しますので、漂白剤等で発生を抑えてください。
 読み取るのは、ストローにつけた目盛がどこまで水面に浸かっているかです。斜め上から見ると下側の目盛が屈折して見えるので注意してください。 気圧計といいながら、このままでは正確な気圧は読み取ることはできません。変化しているかどうかくらいは簡単にわかります。
 気温の変化によっても空気の体積変化によるビンの浮き沈みがあります。気温3℃の変化で空気の体積は約1%変化しますが、 体積を1%変化させる気圧の変化は約10hPaになります。1日の10hPaの気圧変化より、3℃の気温変化の方が良く起こります。 温度を見ながらでないと、気圧の変化がわからないのが欠点です。
2017. 6.10



3.気圧計(その2)

気圧計(その2)

 もっと大雑把に気圧の変化を知りたい場合ということでもう少し簡単にできるものを考えてみました。 その1も浮沈子の原理を利用しています。浮沈子をたくさん作り、それぞれの中に入れる空気の量を変えてみることにします。 これで浮きやすい浮沈子となかなか浮いてこない浮沈子を作ることができます。 このようにして作った浮沈子がいくつ浮いているかを数えることで、気圧が高くなっているのか低くなっているのかを知ることができます。 浮きやすい順番に色をつけるとどの色まで浮いているかを見ることで気圧の変化がわかりやすくなるでしょう。
 浮沈子を、魚の形をした使い切り醤油さしで作ってみました。醤油さしはポリエチレンでできているのでそのままでは水に浮いてしまいます。 沈めるためのおもりとして、1mmほどの太さのアルミ線を適当な長さに切って入れています。 頭側が下がってくると、口から抜け落ちる事があります。頭側にあまりかからないようにするのと、アルミ線を曲げておくことで抜け落ちにくくなります。 色を塗ればオブジェとしても使えそうです。
 中の気泡の位置と、アルミ線の位置で頭が少し上がったり下がったりします。 まっすぐ水平になるように調整するとなると、初めの予定より大変な作業になってきました。

2017. 7.26






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