古生物たちがどのような姿をしていたか 模型にしてみました
目 次
1.プロトケラトプス 中生代白亜紀
2.陸上脊椎動物への進化 古生代デボン紀
3.ほ乳類への進化 古生代〜中生代
4.始祖鳥 中生代ジュラ紀
1.プロトケラトプス
学研の「最新恐竜論」という本の表紙に、プロトケラトプスが孵化している模型の写真があったのを見て、
おもしろいと思い作ってみたものです。鳥の仲間でもそうですが、
孵化した直後のヒナの形はこんなにまるまるとしてしていないものです。また、孵化の様子は卵から転がるように
出てきます。といった点で、あまりにリアルに作ると見ていられないので、かわいくしてあります。
他にも、前足の指の本数を何本にしようか、などと細かい点では非常にいい加減です。
プロトケラトプスは角竜類の祖先にあたる恐竜類で、白亜紀中期のゴビ砂漠の地層などから見つかっています。
大きさは2m位で、20cmくらいの大きさの卵が数十個、巣のような形のところから見つかっていて、
子育てをしていたのではないかともいわれています。
模型は約30cm、石膏で作っています。表紙の写真は側面です。
2.陸上脊椎動物への進化
手前から、セファラスピス(オルドビス紀)、ユーステノプテロン(デボン紀)、イクチオステガ(デボン紀)の順。
セファラスピスは、無顎類に属し、えら穴を多数持ち、あごがないなど、魚類では一番原始的な形態を持つもの。
ユーステノプテロンは、現生のシーラカンスに近い仲間で軸のあるひれを持つのが特徴。
軸のあるひれが四肢に進化したといわれています。イクチオステガは、最初の陸上脊椎動物とされています。
形態的には、サンショウウオににていますが、しっぽにひれを残しているのが特徴です。
足の指の本数については、作った当時は陸上脊椎動物の基本的な指の本数から5本といわれていましたが、
その後、指を7本持つ化石が発見さました。
3.ほ乳類への進化
右がディメトロドン(古生代二畳紀)、左がモルガヌコドン(中生代三畳紀)
ディメトロドンは、ほ乳類型は虫類(単弓類)に属しています。単弓類は、いくつかの特徴を調べた結果、
現在のは虫類とは全く違った系統に属しているといわれています。単弓類からほ乳類が進化してきたわけですから、
ほ乳類の先祖はは虫類といっても、現在のは虫類を想像するのは全くの間違いといえます。
その意味で、ほ乳類の祖先はは虫類といわない方がいいのかもしれません。
ほ乳類は両生類から進化したという説もあるそうです。
ディメトロドンは、ほとんどは虫類(両生類?でも陸上に卵を産む)の特徴を持っています。
その子孫の単弓類は、次の時代の中生代三畳紀に、ほ乳類と見分けのつかないものに進化していき、
最終的にほ乳類の祖先といえる動物を生み出します。それがモルガヌコドンです。
それでは、は虫類(両生類)からほ乳類になるにあたって何が変わったのでしょうか。
一つずつ列挙します。模型で表せているか比べてみてください。
恒温性 = 体毛で覆われている。
= 体温調節のため汗腺ができた
→ 後に乳腺に発達。
胴体を引きずらず持ち上げて歩く様になった。
形の違う歯を持つようになった。
(門歯・犬歯・臼歯など)
口と鼻からの穴が、のどの奥でつながった。
(それまでは口の中につながっていた)
歯骨が融合し一つになった
耳小骨ができた = 耳ができた
肋骨前部が胸骨でつながり胸郭ができた
同時に横隔膜もできた(とされている)
腹部の肋骨がなくなり、体が曲がりやすくなった
尾も自在に動くようになった。
卵ではなく子どもを産む、へそがあるなどは、ほ乳類の中でももっと進化した有胎盤類の特徴です。その最初のものは、
中生代白亜紀のデルタテリジウムといわれています。この間外形はほとんど変化しなかったようです。
4.始祖鳥
まだ着色をしていませんので、石膏がむき出しのままです。始祖鳥は、
ドイツゾーンホーヘンなどの石版採石場で発見されました。
ちょうど、ダーウィンが「種の起源」を発表した直後で、立て続けに数個体見つかった後は見つかっていません。
形態が、鳥類とは虫類の中間的なものとして有名になり、は虫類から鳥類が進化する中間的なものとして扱われました。
鳥類のように羽毛を持っているけれども、歯があったり、指があったり、
尾があったりとは虫類的な要素をたくさん持っています。は虫類といっても、ある種の恐竜類と非常によく似ていて、
羽毛の痕跡がなかったら、恐竜に分類されていたともいわれています。
始祖鳥がどのような生態をしていたかは定かではありません。胸骨が鳥ほどは発達していませんので、
羽ばたいて飛び上がることはできなかったという考えもあります。
羽毛は、昆虫を捕まえる捕虫網として発達したという説もありました。復元はこの説を元に作ってみたのですが、
羽を前に出すためには、上体をどうしても起こさなくてはならず、体の形は恐竜というより人に近くなりました。
羽で虫を追い込むよりたたき落とした方が食べやすいし、このあたりのことと合わせて考えると補虫網説は、
違うような気がします。
最近では、孔子長などのもっと鳥らしい化石や、羽毛の痕跡を持つ恐竜(羽毛恐竜)の化石が多数発見されてきて、
始祖鳥が中間生物としての地位が薄くなてきました。そのせいか、載っている教科書も少なくなってきました。