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氷晶の中に光が入った場合を考えてみます。六角形の側面から入った光が一つおいた隣の面から出てくるとどうなるでしょうか。
右図は、アクリル板を六角板状に切り、その側面から光を通してみたときの光の曲がり方を写した物です。
右側のスリットから光が入ってきてアクリル板の右斜め上の面にあたります。あたったところは白く光っています。
アクリル板の中を通る光の経路はわかりにくいのですが、わずかに写っています。その後、左上の面から光が出て行き、
ある程度屈折した方向に出て行きます。この時、アクリル板を回転させてみると、大きく曲がって出て行く状態から、
次第に曲がりが小さくなっていき、ある一定角度曲がった状態が続いたあと再び曲がる角度が大きくなっていきます。
このことは、光源から一定角度離れたところに光点が見られることを示しています。これが、氷でできていると、
氷の屈折率の大きさから、その曲がりの角度=光源から光点までの角度は22度といわれています。
したがって、太陽から22度離れたところをとりまく光の帯がみえます。これが内暈です。
実際には、内暈を作る氷晶の形は六角柱状(短い鉛筆型)のものが関係していると考えられます。
また、図で光の出入りする面2つと下の面が作る形は、虹を作る実験に使われるプリズムの形になります。
このことから、内暈には虹のようになって見えることが想像できます。実際、アクリル板を通り抜けた光が当たっている
左側面はわずかに虹模様が写っています。
内暈・幻日・幻日環・太陽柱は氷晶が関係した現象です。したがって同時にできることも理解できます。
氷晶と太陽の光の関係で、他にもいろいろな現象が見られることが予想できます。
左の図は、太陽高度が低い場合に見られる現象をシミュレーションソフトで書かせてみた物です。
それらの現象のいくつかは同時に観察されています。これ以外に太陽高度が高くなると、
下端接弧や水平アークなども見られることがシミュレーションできます。