砂のようですが、砂粒の形がちょっと変わっていて、とげのようなものができています。とげの出方も、金平糖のように周囲全体に出ているのではなく、
砂粒をちょうど一周取り囲むように出ています。とげの数は、少ないもので4本、多いもので7本くらいで、一番多いのが5本です。
そのため星の形のように見えるので、星砂と呼ばれています。
これは実際には、バキュロジプシナという有孔虫の仲間の殻があつまったものです。有孔虫とは石灰質の殻を持つアメーバみたいなものと思っていいでしょう。
星砂の形もよく見ると2種類あって、表面がつるつるで針のようなとげのあるものと、表面は網目模様で根元からだんだん細くなるとげがあるものです。
諏訪之瀬島の星砂は後者のものがほとんどです。
バキュロジプシナは、サンゴのあるようなところの海藻にくっついて生活しているそうです。星砂で有名になったある島では、この海藻ごと星砂を採るので、
海岸では大きなものを見かけなくなっていました。波のあたり方が関係していただけで、大きなものがある場所がべつにあった可能性もあります。
諏訪之瀬島では、激しく打ち付ける波を避けることのできる岩のくぼみなどにたまっていることが多いようです。いがいと大きなものを見つけることができます。
星砂は、数は少ないのですが、沖縄県や鹿児島県薩南諸島の海岸ならほとんどのところからの砂の中から、時々小さなものを見ることができます。
それ以北ではあまり見かけないのですが、小さな有孔虫なら和歌山県あたりの砂の中からも見つけることができます。
星砂をよく観察してみると、他にもいろいろな生物のかけらがたくさん見つかります。写真では、とげのない有孔虫やウニのとげ、
貝殻などが写っています。他にも、サンゴのかけらなども見られます。諏訪之瀬島では、全体の半分程が溶岩のかけらですが取り除いています。
分 類: 堆積岩(砕屑物)
岩石名: ( 砂 )
産 地:鹿児島県諏訪之瀬島
諏訪之瀬島では、噴火活動が激しいため、砂粒の大半が溶岩や火山砕屑物のかけらなので分類上は砂とすることができます。ただ、
岩片は大きいものが多いのでレキと呼んだ方がよい場合もあります。他の島では、溶岩片などが混ざってくることはなく、粒のほとんどが生物起源です。
この様な場所では、砂と言っていいのかも問題になってきます。というのは、古生代末にできた、紡錘虫という有孔虫が集まってできて岩石は、
砂岩ではなく石灰岩とよばれているからです。一般的には、砂が固まってできた岩石は砂岩で石灰岩とは定義されていません。
諏訪之瀬島では、すでに海水中に溶け出した石灰分が再沈着し、石灰岩のようなかたい石になっている場所もあります。
となると、石灰岩とした方がいいのでしょうか。