2015/04/19-20 高遠桜と雪の大谷
立山の雪の大谷は一度見ておきたいと思っていました。立山に行くとして、交通機関・宿のことなどを考えると旅行会社のツアーを利用した方が格段に安くなります。問題は、立山と組み合わさる目的地です。パンフを見ると、3つのパターンがあります、黒部渓谷トロッコ列車、善光寺ご開帳、そして高遠桜です。
トロッコ列車はまだ全線動いていないので却下、善光寺も興味がないのでこれも却下、結局残ったのは高遠桜です。日程は当然、新月の直前。となると4月16日のアルペンルート開通から、19日の新月の間になります。B社は2名様以上申し込みなので却下、A社のものにします。インターネットで予約状況を見ると19日発の分が残部わずかで空いています。ここを申し込みました。10日ほど前に見たときは満席だったような....。だいぶたってからの新聞折り込みに、上高地と立山に泊まる1名様可の広告が出ていました。山の上で星が見られるというのは魅力です。広告の入るのが遅すぎます。おまけに出発が5月なので、雪の大谷はだいぶ小さくなっているかも。これは、なかったことにします。
4月に入ってから桜が急に開花しだしました。10日過ぎに、信州各地の桜の開花情報をチェックしました。信州はちょっとだけ桜の開花は遅いので、大丈夫と思っていたのですが、なんと高遠では満開であるとのこと、ひょっとすると旅行日まで花が持たない可能性があります。14日に造幣局の通り抜けに行った時にあった高遠小彼岸桜は散っていました。彼岸桜は、他の桜に比べて開花が早いのを忘れていました。旅行会社からも桜は散っているかも知れない。その場合は他の桜の名所に案内するとの連絡が入ります。16日に再度チェックしました。地元発信の花の写真がたくさん載っている開花情報サイトを発見、それによると散り始めているものの、19日までは何とか持ちそうとのこと、一安心します。
次の問題は、服装をどうするかです。桜の咲いている場所と、雪の残っている山に行きます。山の気温が気になりますが、暖かければ脱げばいいので、大阪でいちばん寒いときに着る服装にし、中に着込めるようセーターを1枚余分に持って行くことにします。もうひとつ足下をどうするかも問題です。北海道にはいていった防寒靴は、雪道でも滑らなくてよかったのですが、ちょっと大層です。トレッキングシューズ(くるぶしの出るタイプ)でいくことにします。北海道トムラウシ山でのぬかるみで滑りまくった靴ですが何とかなるでしょう。
最初の計画では、星の写真を撮るつもりだったので、ポータブル赤道儀を持って行く必要があります。宿周辺には、見られそうな場所はなさそうですが何とかなるでしょう。立山縦断中は、バスが回送してくれますので、担いで登らなくてよいので荷物にはなりません。いちおう用意はしたものの、19日の夜は晴れる見込みが全くないので、結局置いていくことになりました。またしても、今回も出番はありませんでした。
旅行会社から、集合場所をどこにするかという問い合わせがありました。新大阪か京都のどちらにするか選べます。列車は新幹線なので、そのまま乗るとしたら、どちらに行っても茨木駅に入る時刻はほとんど変わりません。集合がある分だけ、新大阪の方が早くなります。運賃は、京都の方が入場券が必要になりますから、3倍かかります(この時点では入場券代が返ってくることは知らなかった)。無難なところで、新大阪にしまいた。
19日(日)は朝から雨が降っています。折りたたみ傘で行くかどうか迷ったのですが、造幣局に行くときに買った傘を持っていくことにします。朝の集合は、7時40分新大阪です。5分前に到着しました。なんとツアーの2班であるとのこと、1班はすでに出発しているそうです。受付確認をしてから、再集合までちょっとだけ時間がありますが、店に入ってコーヒーを飲むほどの時間でもありません。昼食を買うにしても、コンビニのレジはものすごく並んでいます。昼食はツアーオプションの弁当にします。
再集合後、ひかり号に乗り込みます。見るべきものもないので本でも読んで時間をつぶすことにします。京都からの人たちと合流して、弁当を頼んだあとは、下車駅到着を待ちます。
岐阜羽島でバスに乗り換えです。他に何組かのツアー客も降りてきます。駅前のロータリーには、観光バスがいっぱい止まっています。その行き先を考えてみると、高山方面か伊那方面しかありません。高山方面はたくさんはに行かないだろう、伊那としたら高遠城址だけです。これだけいくのなら、高遠城址は混んでいそうです。
バスに乗り換えます。座席はいちばん後ろです。荷物はトランクに預けなくていけそうです。明日はそうします。出発するとすぐに名神高速に入ります。しばらく走って、右に小牧城が見えたと思ったら、すぐに中央道に分岐します。そのまま走り続けます。瑞浪を過ぎたあたりから、道路の近くや山の斜面に桜の花が目立ってきます。窓が小さいのでうまく写真が撮れません。
そうこうしているうちに恵那峡SAで1回目の休憩です。ここには、何か名物があったなと思ったらそれは反対側車線のものでした。景色はどうかというと、恵那山方面がよく見えるのですが、あいにくと雲がかかっています。弱いですが、雨も降っています。
恵那峡SAをでて、桜でも眺めてみようかと思ったのですが、桜はだんだん減ってきています。その内に、恵那山トンネルに入ります。越えたところでは、雨は降っていないようです。桜なのか桃なのかわかりませんが、鮮やかな色の花が咲いています。みんな反対側の車窓です。一つ手前の駒ヶ根ICで高速を降り近くのドライブインに寄ります。弁当の積み込みと添乗員さんが入場券の購入します(たぶん)。ここでも観光バスがいっぱいです。行き先がわかったものはみんな桜見物です。買い物時間もありましたが、売られていたのは、漬け物と干し果実がメインでした。
駒ヶ根からは一般道を走ります。高遠城址についても外では食事ができそうにないのと、時間的に昼もまわっているので、今のうちに車内で弁当を食べておくことにします。みんな弁当をもらったとたん食べ始めています。
バスは伊那市中心部近くから川を渡り、対岸の山の方に入っていきます。正面の、小高い丘の上に桜の花がいっぱい咲いているのが見えてきました。桜は、期待できそうです。
伊那の町から高遠城址公園に入るには、坂を登ります。車が多ければ、このあたりから並んでいるはずなのですが、バスはすんなりとバス専用駐車場に到着しました。すいていたのは雨のせいなんでしょうね。それでも駐車場は6割方バスで埋まっています。
見学時間は2時間に設定されました。ちょっと周辺まで足を伸ばして見学することができます。まず、駐車場近くの桜から。きれいです。散り始めてはいますが、満開に近い状態です。いいですね。
駐車場横のゲートから入り坂を登ります。桜の木に取り囲まれます。駐車場付近と比べ、花の鮮やかさがちょっと違います。だいぶ散っているようです。赤く見えるのは花びらではなく萼の色です。いっぱいつけているので花のように見えます。場所によって、あまり散っていないところもあるようです。池の上には、散った花びらが水面を覆い尽くしていました。
再入場が可能ですから、いったん南ゲートからでて、江島囲い屋敷の方に行きます。こちらの方も3−4割くらいしか花が残っていないようです。
美術館から、三峰川方向を見ると桜はまだいっぱい咲いています。種類が違うんでしょうね。
高遠城址の方に引き返します。公園内へ戻り、ほぼ一周したことになるあたりにある、北ゲートからでて、進徳館に向かいます。ここの桜も、似たような状況です。
道路沿いを歩き三の丸に向かいます。駐車場から桜がきれいに見えていたようだったのですが、ここのも、花は半分以下です。
高遠城楼門付近です。ここもかなり散っています。
駐車場に戻り傘を見ると、傘が花柄模様になっています。雨で落とされた花びらがくっついたためです。
結局花がきれいだったのは、駐車場から見える本丸の下の一角だけです。北斜面のためか雪の吹きだまりになっていたためか、なかなか暖まらずに開花が遅れたのでしょう。萼が目立っているものも最初はきれいと思ったのですが、花びらの色に見慣れると今ひとつという感じになりました。1日遅ければ、ほとんど散ってしまって、全然という感じになっていたでしょう。
バスに戻ったのは、集合10分前だったのですが、すぐに出発になりました。戻ったのがいちばん最後だったようです。皆さん早いですね。といっても、雨ですることも行くところもありませんけど..。
高遠から、宿泊地である白馬に向かいます。まず、城址公園を一周したあと、元の道に戻り引き返します。天竜川を渡り(来たときと違う橋のような)、伊那インターから高速に入ります。しばらく景色はぱっとしません。梓川SAでトイレ休憩です。何か小腹に入れようかなと思ったのですが、いいものがなかったのでやめました。
梓川SAをでてすぐの豊科インターで高速を降り、糸魚川方面への国道に入ります。大町を過ぎ、青木湖、木崎湖の横を通り、白馬駅を過ぎたあたりから山の中への道に入ります。道沿いには雪も残っています。道順がわかっているようなことを書いていますが、本当のところはどこを走っていたのか皆目見当もついていません。山麓を走っている内に宿に到着です。1班のバスはすでに着いています。並み宿宿泊組はここでバスを降ります。高級ホテル組は、この先のホテルに向かいます。すぐ目の前にスキー場が見えます。スキー客目当てに建てられたホテルのようです。
夕食までには時間があります。外は雨が降っています。外では何もできません。ここは普通の宿泊客と同じように(?)いったん風呂に入ることにします。ちょっと狭いです。それと湯温はぬるめ、露天風呂はぬるいという温度です。ゆっくり入って出てきたら、食事にちょうどいい時刻です。風呂に行く階段から降りようとしたら、そこからは食堂には入れません。戻ってエレベーターを使っていきます。食事は一言で言えばこぢんまりしているということでしょうか。食後、お土産を買って、部屋に戻ってテレビを見ようとしたのですがおもしろそうな番組はないのでやめて、再度風呂に入ってから寝ることにします。
翌朝ちょっと早く目が覚めたので、カメラだけ持って外に出てみます。雨はやんでいます。その辺をぶらっと歩いてみることにします。谷底の田んぼにはまだ雪がかぶっています。
斜面の雪の溶けたところには、ふきのとうの花が咲いています。高い木のてっぺんで小鳥がさえずっているのが見えます。遠くまで行くつもりはなかったので、望遠レンズ・双眼鏡は置いてきました。いるのはわかりますが、点にしか見えません。
道ばたに道祖神がありました。大黒様はどういう意味があるのでしょう。この後バスの窓からも別のものが見えました。
戻って食事です。喫茶店のモーニングに毛の生えた程度の内容です。終わって、荷物をまとめ、チェックアウトを済ませて、バスに乗り込みます。出発までしばらく時間があります。朝、この近くにも小鳥がいたのでいないかと探してみるといました。シジュウカラでした。
見ていると、添乗員さんから声がかかります。「みんなそろったので早いけど出発したい」と。野鳥観察は終わりにしてバスに乗ります。まず、高級ホテル組を迎えに行きます。なんと30分もかかりました。ホテルは立派というより派手な感じでした。そこから、川沿いの国道まで降り、大町の方へ引き返します。姫川(糸魚川というのだと思っていた)の水量は増えています。雨の上に雪解け水が加わっているせいなのでしょう。
木崎湖を過ぎたあたりから山の中の道に入っていきます。このあたりから立山アルペンルートになります。
立山アルペンルートは、富山駅と信濃大町駅の間の山岳部を様々な交通機関を使って抜けるルートです。今回は、大町側から富山側に向けて進むことになります。最初の区間の信濃大町と扇沢間(路線バス)と、最後の区間の立山駅と富山駅間(立山地方鉄道)は貸し切りバスになります。
最初の乗換駅である扇沢駅に着く前に添乗員さんから注意事項の説明があります。大事な指示は、はぐれたら置いていくので自己判断で追いかけてくること、乗り物に乗る前に降りたときの集合場所を指示するのでそこに集まること、下車後の集合場所で次の乗り物に乗るための集合場所と時刻を指示するのでその通りに集まることの3点です。
扇沢に着いたら、予備のセーターと傘、サングラスをリュックに入れてバスを降ります。ここから黒部ダムまではトロリーバスに乗ります。トンネル区間で狭く行き違いができる場所が1カ所しかないので、出発時刻が決められています。その代わり、同時に何台ものバスが連なって走ることになります。出発を待っている間、駅員さんが、弁当販売の口上を述べます。話の間合いがおもしろいのでみんな大爆笑です。弁当は完売したようです。その後に販売した、トロリーバスのチョロQも宣伝の効果があったのか、よく売れていたようです。トロリーバスにやっと乗れるようです。
トロリーバスが通るトンネルは黒部ダムを造る資材を運ぶために作られたものです。トンネルの向こう側にあるのが黒部ダム駅です。駅からトンネルの中を少し歩くと黒部ダムにでます。さらに、ダムの堤防上を歩いて対岸に行きます。雨が降っている上に強い風が吹いています。傘は時々飛ばされそうになるけれども、させないほどの風ではありません。対岸に渡る途中、凍ったダム湖の水や湖面上ダムの底をのぞいたりしました。
湖面上を滑空するように飛ぶ鳥がいました。よく見ると尾の先が「へ」の字型にへこんでいます。トビです。海岸近くにいるとばかり思っていたのですが、こんな山奥にも入ってくるのですね。
ダムを越えた先にあるのが、黒部湖駅です。この駅もトンネル内にあります。ここからケーブルカーで上がり黒部平駅に行きます。ケーブル乗り場は大変混雑しています。待っている間に、駅員さんが駅の案内も兼ねて、写真集の販売を始めました。駅の表示に室堂の気温氷点下26℃とでています。どうしようか悩みましたが、よく見ると計器故障中とありました。一安心です。でも、気温は心配です。ケーブルカーはピストン輸送をしていて、2回目の臨時便に乗れました。20分余計に待たされたことになります。後で聞いた話では1便前は運休していたとか。
黒部平駅では、建物の上に展望広場があります。雨はやんでいたのですが、風が非常に強く、体ごと飛ばされそうになります。雲はかかっているものの、山はきれいに見えます。遠くのものでは、鹿島槍ヶ岳(山頂はわずかに雲がかかっている)や五竜岳まで見えています。一部日の当たっている山もありました。天気は回復しているのでしょうか。
黒部平から次の大観望までは、ロープウェイになります。ここでもピストン輸送になっています。上から降りてきたゴンドラが、駅のホームに入ろうとするのですが、強風のため大きく揺れてなかなか入ることができません。最後は強引に壁にぶつかりながら入ってきました。見ていた一同は、そのあまりにもの激しさに恐れおののいていました。
満員の乗客がいたせいか、ゴンドラはそれほど揺れずに昇っていきました。といっても結構揺れましたし、駅に入ることができる程度に揺れが収まるまでは3回ほど揺れていました。
大観望は元々狭い上に、外に出られないため(見つけられなかったのか冬場だからか風のためかは不明)、ものすごく混雑していました。足止めを食らっていた人たちが一気に上がってきたのもあるのでしょうか。時間がたつとわずかにすいてきたようにも思えます。
大観望で次の乗り物に乗るために待ち合わせ場所に行きます。そこの看板に、雪の大谷ウォーク閉鎖中と書かれています。一同は、それが目的で来たのにと不満そうです。天気が回復すると行けるかもと楽観的に待つことにします。
ここから室堂まではトロリーバスです。立山の下をトンネルでくぐります。実はトロリーバスの運転席は、普通のバスと同じようにハンドルがあるのですが、計器類は電車のものと全く同じです。法規上は電車扱いなのだそうです。
室堂の集合場所はちょっとわかりにくいところにありました。そこで、昼食弁当を受け取った後、2時間自由行動です。ただし、雪の大谷ウォークは閉鎖されています。これは、通行可になるのを期待します。その前に最初に弁当を食べようとしますが、場所がありません。階段に座って食べている人たちがいます。待合室の奥の方で、荷物をわざわざどけて声をかけてくれた人がいます。感謝して座らせてもらい弁当を食べます。
食事後、立山自然保護センターに行きます。展示は見たのですが、内容が多く頭の中に入り切りません。上の階にある、自然ガイド受付場所で、ライチョウがでていないかを聞いてみました。1時間ほど前にミクリが池温泉から地獄谷に降りる道の両脇で目撃情報があるとのこと。行って見ることにします。
その場所から外に出て、ターミナルに戻る道は10m近い高さ雪をかき分けて作られています。雪の回廊というのだそうです。ここだけでも、大谷の気分が味わえます。
壁面の雪と氷が作る縞模様がきれいです。
通行は禁止されていないのですが、風は相変わらず強いままです。吹き飛ばされそうになったり、雪で滑りそうになったりしながら、なんとか地獄谷が見えるところまで来ました。最近噴気活動が活発になっていて、立ち入りが禁止されています。風向きによっては、硫黄のにおいが流れてきます。
ライチョウの目撃情報があった場所は、ここから見えるところです。双眼鏡を使って探しましたがわかりません。先に来ていた人たちも見つけられないといっていました。ミクリが池温泉のテラスから見えるかもということだったので、そちらへ行ってみることにします。
テラスから、情報のあったあたりを双眼鏡で探します。いないようです。と、横にいた関係者のようなかたから、ライチョウがいると教わりました。どこかわからなかったのですが、何とか見つけることができました。ものすごい保護色です。なんと足下20m位の距離の所です。もっと警戒して近くにないないだろうと思ってそのような場所を探していませんでした。先ほどの人たちにも、手招きしてきてもらいました。どこにいるかわかりますか。下の写真と見比べてみてください。
はじめは寝ていたようですが、起きてきて動き出し、のびをしたり周りの様子を伺ったりしていました。
そうこうしているうちに、上の茂みにもいるとの情報が入ります。当然見に行きます。そういえば、先ほど上の方で茂みを見ている人たちがいました。こちらのライチョウも簡単にはわかりません。汚れの混ざった雪だるまのようです。首だけを動かしています。
いい時間になったので、戻ることにします。途中まで戻ったところで、ミクリが池を一周できたことがわかりましたが、もう引き返す気力はありません。
ガイドの受付場所にお礼を言いに戻ると、目撃記録を書くようにといいます。上に書かれているのと同じ記録なのに、と思いながら書きました。そうするとなんと、観察記念シールがいただけました。
室堂ターミナルに戻ったのは集合30分前です。大谷ウォークができるようになっているか期待したのですがだめでした。せめて入口だけでも見ておくことにします。2階の窓から立山道路の入口が見えます。幅が広いので、あまり高いという感じはしないのですが、それでも10m近くはあるでしょうか。
奥の方に雪が高くなっているところがあります。このあたりの雪をかき分けた道路を歩いていたはずです。上の道を歩いている人たちがいますが、そこからは底までは見えないでしょう。
手前側ロータリーの端に除雪機のようなものがありました。展示していたようです。
入口付近でも風は強く、道路を吹き抜けてきている感じでした。この風が見学中止の原因のようです。
早めになりますが、集合場所に行きます。ここから美女平までは約1時間高原バスになります。バスに乗り込んだのは20番目くらいだったのですが、ラッキーなことに、最前列入口側の席が空いています。ここに陣取ることにします。
出発してすぐに、雪のいちばん深いところを通過します。今年は19mあるそうです。やはり先ほど見えていたカーブの場所でした。あまり高い感じはしません。上が見えず前が見えていたからでしょう。横側の窓からは、雪壁しか見えていなかったかも知れません。
風が強いのは、路面の水たまりに波が立っている様子からもわかります。ほんの1−2秒のことだったのですが、正面から横殴りに雨と雪と風とその他何が混ざっていたのがよくわからないものがブリザードのように吹き付けてきて、一瞬の間に窓がずぶ濡れになり何も見えなくなりました。一同悲鳴を上げました。これがあったのは、後にも先にも一度きりでした。何回もあれば帰れなくなるのではと心配するくらいの突風でした。
ずっと風は強いようでした。雪面を見ると所々棒のようなものが立っています。ガードレールの柱にしっかり結びつけられていますので、雪をどかすときに目印になるように立てていたのもと思われます。
だいぶ下ってくると、雪の下に木の枝のようなものも見えます。ダケカンバの枝が雪の重みで押されたものだそうです。
称名の滝とか大杉の近くではバスは徐行しながら進みます。ここまで来ると、ほどなく美女平に到着です。写真は称名の滝です。
美女平から下の立山駅まではケーブルカーです。立山駅に近づくと町らしい雰囲気が広がり山を降りてをおりてきたんだいう感じがします。立山のケーブルには、荷物運搬用の台車が付いているのが特徴だそうです。
立山駅では迎えのバスが待っています。上り口の扇沢まで運んでくれたバスです。下の道を迂回してきてくれました。運転手さんに途中の天気を尋ねてみると、すごい雨と風だったそうです。したは大変だったようです。
バスは富山駅まで送ってくれます。駅方面と書かれていない方に進んだり、どう走ったのかよくわかりません。カーナビをつけていないのに、運転手さんは道がよくわかるものだといつも感心します。
富山駅から金沢駅までできたてほやほやの北陸新幹線に乗ります。10ヶ月ほど前に来たときは直通があったのですが(このあたりの話は付録「前回の旅行」を読んでください)、新幹線のためになくなっています。駅での待ち時間はほとんどなくすぐにホームに上がります。黒部ケーブルとロープウェイで待ち時間が長かったせいだそうです。新幹線の入ってくるところ、先頭車両を撮りたかったのですが、もうすでにホームで待機しています。
先頭車両は高岡か金沢でチャンスをうかがうことにします。高岡駅で対向車線に止まっています。出て行くところを撮ったのですがうまく写りません。
金沢駅でも、対向ホームに止まっています。反対の窓側だったので入る時には撮れませんでした。ホームにでてしばらくすると、発車の合図がなります。おまけに、添乗員さんは近くの階段を降りずに遠くのエスカレーターの方に行きます。これなら撮れるかもと思ったのですが、なかなか発車しません。結局、エスカレーターに乗り込んだのとドアが閉まったのがほぼ同時でした。次のツアーグループが並んでいたので、どうしてもその前に割り込んでエスカレータに乗る必要がありました。階段を走れば間に合ったかも知れません。でも、冒険はしたくないです。
ここで、サンダーバード40号に乗り換えです。待ち時間は20分ほどしかありません。晩に食べる弁当を買いたいのですが、階段中段にあるコンビニにみんなが殺到して長い列ができています。ホームならあるかもと考え上がってみると、特急ホームにあります。戻ってそのホームに行くと、反対側に駅弁屋さんがあります。そこで購入しました。一応他の人たちに、駅弁があると連絡したのですが、もう商品を選んだのでよいということでした。駅弁も、この後すぐに売り切れたようです。
解散場所を確認してみると、集合場所と違う大阪駅だそうです。新大阪で降りたいというと、色々あったのですが、新大阪での下車券をもらうことができました。あらかじめ言っていたため新幹線車内で高槻までの下車券をもらった人がいました。今度からそれをもらうことにします。
京都を過ぎてから、添乗員さんがこっそり降りてほしいと頼みに来ました。新大阪に止まることを知っていきなりそこで降りたいという人が出てきたためです。反対側の扉から降ります。といっても連結部には出口がなく、まるまる1両分歩くことになります。どっちみちホームを歩く必要があったので同じでした。
茨木駅まで戻って、降りるときに220円払えと言われます。一応「前はよかったのに今回はなぜお金を取るのだ」とだだをこねてみましたが無駄でした。前はラッキーだった(大局的にはそうでもなかった)だけです。
−−前回の旅行−−
ここで言うのは、2014年5月に行った、別の旅行会社主催の尾瀬ツアーです。帰りはバスで群馬県沼田市から関越自動車道に入り、長岡から北陸自動車道を走って、直江津まで戻り、そこからJRで、はくたか(新幹線はできていなかった)、サンダーバードと乗り継いで帰ってくる予定でした。
関越道に入ったあたりで、はくたかは運休していると旅行会社から連絡が入ります。こういう場合は、ツアー中は旅行会社に任せればいいので気楽です。いちばんの問題は、直江津−富山間をどうするかです。次の列車に乗れる保証はありません。バスでそのまま走ってもらい、富山まで行くことになりました(この辺でも色々ありました)。直江津で受け取るはずの晩ご飯の弁当(今回帰りに食べたのと同じ会社のものです)は、途中のSAで受け取ることに。走行速度を考えると、予定のサンダーバードに乗れるかも知れないのですが、ぎりぎりなので安全を見て一台遅らせることになりました。
富山駅で1時間近く待たされた後、最終のサンダーバードに乗ります。富山を出て、高岡に着いたときに、先の石動駅の近くで人身事故が発生します。田舎のせいなのか処理がゆっくりしています。動き出せるようになるまで2時間ちょっとかかりました。
ここで、もう一つ別の問題が発生します。このまま遅れが残るとすれば、京都到着は午前1時近くになります。大阪に行くとしてもそこから先の公共交通がありません。添乗員さんは、帰ってからの宿をどうするか手配しています。京都で下車する予定でしたが、新大阪まで行き、そこからタクシーで帰ることにします。
遅れは回復せず、そのまま戻ってきました。新大阪に着くと、高槻行きの臨時列車が待機していました。たくさんの人が乗っています。新幹線も遅れていたようです。茨木まで戻って料金を確認するといらないとのことです。京都からの電車がないことで大目に見てもらえたようです。
ぎりぎりだったけど、何とか家までたどり着けた旅行でした。その後の旅行でも、トラブルに巻き込まれています。次に行った島への旅行では、帰りの港を出て4時間走った後で、急病人がでたため出発した港に戻り、結局帰港したのは8時間遅れになりました。その次の車での旅行は、ライトが消えなくなったにもかかわらず(バッテリーが上がってしまう)、経路にある整備工場に寄ろうにも休業日というのが3日ほど続きました。その後2回ほどはすんなりいったようですが、前回、前々回と書いたようにわずかなトラブルを伴っています。今回も0というわけではありません。トラブルに巻き込まれるというのは、何かあるのですかね。次では起こらないでほしいものです。
<東アジア系外国人のマナー>
アルペンルートには、東アジア系外国人がたくさんいたようです。流氷ツアーの記事ではマナーについては気にしすぎかなと書いたのですが、今回アルペンルートに入るとき、添乗員さんが、同様のことがあるとおっしゃっていました。今回は割り込まれたり、写真を撮るために場所を長々と陣取ったりという場面には行き当たりませんでした。
この件についてはよかったのですが、他のことで気になったことはあります。たとえば、雪の回廊で壁面に落書きをしてスマホでそれを撮ろうとしている中国人を見ました。やめてくださいとは言いましたが、同時に一つのことを思い出しました。今から3−40年前に、各地の観光地に残された落書きが問題となっていたことです。その後、落書きはやめようということになり、最近はほとんど見かけなくなっています。昔の日本人がやっていたことです。あまり悪くはいえないような気がしてきました。でも、だめなものはだめです。そう教えることも大事なのではという気がしてきました。
今回行けなくて知らなかったのですが、雪の大谷ウォークの雪壁面にメッセージを書くエリアがあるようです。落書きはだめで、ここに書かれるメッセージは問題ないというのは筋が通っていないような気がします。書けなかった人は違うところに書こうとすだろうし、そういうことはしてもいいことなのだと誤解を生む元にもなります。こういうエリアは必要ないと思います。せっかくきれいな壁面が見えています。わざわざ醜くする必要はありません。どうしてもやりたいのなら、ノートとかボードを用意すべきです。
<観光の目玉について>
高遠の進徳館で、大河ドラマの舞台として誘致するための署名に協力してくださいと声をかけられました。「見ないのでよくわからない」とやんわり(のつもりです)と断りました。映画の撮影が行われたとかその舞台になったという場所であるという理由でそういう場所に行くのは好きではありません。行って見ると風情があったりすることもあります(前回の茅吹手沈下橋のように)。誘致できたとしても、この放送局は過去には、自治体にセットを作らせたりとか、わがままし放題で問題になったことがあります。誘致にはそれなりの覚悟が必要だと思います。
それより気になるのは、最近どこに行っても、世界遺産とか何々に登録したいという運動に出会います。大阪にだってそういう場所があります。何かのネームバリューで、観光客を引き寄せたいとかそれで自慢したいとかいう意図しか見えてきません。手順が逆だと思います。しっかりとした魅力があり、それをアピールできれば、このような名前は後から付いてくるものであるはずだし、場合によってはいらないというのが本筋なのではないでしょうか。今回の、アルペンルートはそのよい例だと思います。
<運動不足>
室堂で山道を歩いていると、完全に息が上がってしまいました。それほど急な坂を登ったというのでもありません。ちょっと速いかなというぐらいの速度でだめになりました。標高2500mくらいでは、空気も薄いかも(海面気圧も下がっていたかも)知れませんが、たいがいの人は問題なく過ごせる高さです。
どう考えても、日頃の運動不足が効いているようです。旅行の直前に、あちこちへと桜を見に行きました。体力維持のための運動も兼ねたつもりだったのですが、まだまだのようです。かといってこれ以上何をしたらいいのかよくわかりません。左膝に水はたまらなくなりましたが、何かの拍子にねじられたような感じになり、ジョギングなどはまだ無理なようです。本来なら、山歩きもよくない状態なのかも知れません。
今回の旅行で撮影した写真は全部で約400枚。36枚撮りフィルムにすると11本。フィルム代、現像代にかかる費用を考えると安くできるようになったものです。その分だけ、無駄な写真が増えているのかも知れません。今回は見学箇所が少なかった分だけ少なめです。多いときは、1000枚近くになるときもあります。
量が増えた分だけ、あとで見直すのも大変です。いらないものを処分したとしても相当な数の写真が残ります。整理するときにいちばん欲しいのは、たとえば、今回でいえば「ライチョウ」の写っている写真はどのときに撮った何というファイルにあるかを調べてくれるか表示してくれるような検索機能を持ったものです。できたら「鳥」というキーワードで探しても見つけてくれるのが理想です。色々あたっているのですが、どのソフトがよいのか見当もつきません。困るのは、ファイル名を付け替えるとかか、かってに走り回って余計なことをしてしまうものです。元に戻すだけでも大変です。
いい方法が見つからないので、とりあえず、現在やっている方法あります。それを説明します。
まず、ファイル名と内容については、一覧表にするには表計算ソフトを使えば簡単にできます。できた表を探せば目的のファイルの名前が何なのかがわかります。そのあとはエクスプローラを開いて、ファイルを探して表示させれば見ることができます。ここまでは普通に思いつくところでしょう。ところが、目的のファイルを探すのも結構大変です。ここで、表をウェブブラウザで見ることができるようにすれば、リンクで写真を開いて簡単に見られるようにできます。写真に説明を付けて見ることもできます。表を作るのは結構大変です。これはどこで見た何かわからないものがたくさん出てくるからです。でも、旅行で行った先で何をしたのか、確認してみることにもなりますので、やっておいた方がいいでしょう。ブログで旅行記を書いているのも確認するためと、後で見て何をしたのかわかるようにしておく意味もあります。
表ができたらあとは、一覧表をウェブ文章にかえる変換ソフトを作るだけです。そんなに、難しい操作ではありません。基本文体から、内容の表示部分とかリンク先とかほんの一部を変えるようにしていけばいいだけです。
変換ソフトを作るのに、ActiveBasicを使いました。いくつかあるプラミング系のフリーソフトの中で、ファイル操作が一番使いやすいからです。問題は、できた変換ソフトをアンチウィルスソフトがウィルスと判定することです。
サムネイルを表示させるとか、改良の余地はあると思っています。本当は、これとは完全に別物になりますが、始めに書いたような検索機能を持つものが欲しいのですが、そこまではちょっと作る力量がありません。
−−−補足−−−
後でわかったことです。ウインドウズのエクスプローラでファイルが置かれている場所より、親のフォルダから検索をかけると、HTM文章内のことばを探してくれます。たとえば、今回の例でいくと「ライチョウ」で検索すると、「ライチョウ」の入ったファイルが見つかります。ここからファイル名をクリックすると写真を見ることができます。難点は、検索後に直接写真が表示されないことです。