金は、他の不純物と混ざらない自然金の形で鉱石中に含まれています。この鉱石が風化しこわされ、川の水によって流されてくるとき、
金は他の石粒の5倍以上の密度があるため流されにくく、川底の特定の場所に集まってきます。このような場所をすくってみれば、
砂粒の中に金の粒が混ざっていることがあります。この金の粒が
砂金です。
密度の違いによって、特定の鉱物が川底に密集してできた鉱床を漂砂鉱床といいます。といっても砂金はそんなに大量に含まれているわけではなく、
写真のものでも、洗面器山盛り一杯の川砂の中からやっと一粒だけ見つけたものです。ここに密集しているという場所は見てもわかるものでもありません。
砂金を採取しなれていれば、だいたいこのような場所に多いというのが経験的にわかるものでしょう。でも、これだけ含有量が少なければ、
鉱床と言っていいのかどうか疑問です。
大量の川砂の中から、砂金を探すのに一粒ずつより分けていては大変です。お椀の中に砂を入れ、水中で揺すってみます。すると、
密度の小さい粒は揺れによって大きく動き表面に集まってきます。逆に、密度の大きな粒は底の方に沈んでいきます。このようにして表面の軽い粒を捨て、
底に重たい粒を集めていって、最終的に必要な粒をより分ける方法を使います。この方法は「椀がけ(パンニング)」といいます。これに使うのは、
ふつうの味噌汁茶碗で大丈夫なのですが、ゴールドラッシュの砂金採りには、特定の道具を使ったり、専用のパンニング皿が開発されたりしています。
佐渡といえば金山で有名ですが、その鉱山は最近まで採掘されていたようです。西三川などでは砂金を採取していたようで、
当時の代官所や住居などの跡といった遺跡も残されています。ここの砂金山は江戸時代にはほとんど採られなくなったようです。
分 類: 堆積岩(砕屑物)
岩石名: ( 砂 )
産 地:新潟県佐渡市真野笹川川
写真の実際の大きさは、黒線が物差しの5mm間隔の目盛りです。従って、粒の直径は約0.3mmになります。直径が2〜0.06mmの砕屑物を、
砂と定義していますから、岩石名は「砂」になります。これだけ小さく、なくなってしまいそうなので、テープに挟んでいます。
粒の周りの白いものは、テープにできた泡です。
本当かどうかはわかりませんが、砂金は日本ならどの川でも見つかるといわれています。金沢市の川で実際に集めた体験談が「いきいき化学夢実験」
(新生出版 1994年)に載っています。砂金の集め方など参考になる事がいっぱい書かれていますので紹介します。