エクロジャイトは、ざくろ石と輝石でできている岩石をいいます。
この石の赤茶色いところはすべてざくろ石の結晶です。
大阪府柏原市高井田の同様な岩石をエクロジャイトと教わりましたので、
この石もエクロジャイトとしておきます。柏原市のものに比べて輝石がほとんど見られません。
一般にエクロジャイトのでき方としては次のように述べられてます。
玄武岩を地下30km以上の深さに相当する圧力のところに持って行くと、性質が変わりざくろ石・輝石が作られることが実験で確かめられています。
従って。ざくろ石・輝石を主体とする岩石は地下深部で作られると考えられており、かんらん岩とともに産出するのがふつうです。
これに対して、写真の岩石は(柏原市のものも同様に)、石灰岩に地下から上昇してきたマグマが接触し、
石灰岩成分とマグマの成分が置き換わってできたものです。
このようにしてできた岩石に対して、エクロジャイトを使ってよいのかどうか疑問があります。
石灰岩・マグマ成分が置き換わるときに、有用な金属が濃集することがあります。
このようにしてできた鉱床を接触交代鉱床(スカルン鉱床)といいます。
福井県大野市の中竜鉱山はこのようにしてできた鉱山で、ざくろ石を主体とする岩石や、輝石を主体とする岩石中に鉱脈が入っているのが見られました。
写真の岩石を見た場所の近くでは、いくつかの鉱山(五代松鉱山など)跡のほか、鍾乳洞も見られます。
また、新生代中新世の大規模なマグマの貫入(熊野酸性岩)もみられます。
このことから、岩石は玄武岩の変質ではなく、スカルンの一種であることがわかります。
分類:変成岩類接触変成岩
スカルン
産地:奈良県天川村大川口
天川村のざくろ石には、結晶面と平行に細かなヒビが入り、虹色に輝くものが発見されました。
これは、レインボーガーネットと呼ばれ、マニアの中で採集ブームが起こり、
露出場所が非常に荒れてしまいました。
そのため、採集禁止となりました。非常に残念なことです。
マニア(あれている状況から見て実際にはセミプロだと思うが)の行動は節度を持ってほしいものです。
中竜鉱山はアドベンチャーランド中竜として一般開放され鉱山見学ができましたが、
2006年11月末に閉鎖されたようです。