一般に石油は、岩石と一緒に動物プランクトンなどがたまり、その後地層中で、プランクトンに含まれていた有機物が変質してできるといわれています。
元々は頁岩などの粒のすき間に入り込んでいて、石油のにおいのする石になっています。このような石は特に油母頁岩と呼ばれています。
岩石中の石油含有量が多い地域では、石油が分離し、特別な地質構造の所に集まったり、地表からわき出したりしています。写真の黒川付近でも、
地下から、石油がしみ出してきて窪地の水面に集まって茶色い層を作っています。ここの水は石油独特のにおいがするので、「黒川の臭水(くそうず)」
として知られ、飛鳥時代にはすでに燃える水として朝廷に献上したという記録が残され、日本最古の油田といわれています。
日本では油田は、日本海側の地域にあります。フォッサマグナ地域にあるとする考えもあります。これだと秋田山形県沖の油田が説明できません。
グリーンタフ地域とした方がいいのでしょうか。いずれにしても北海道にある油田地帯や静岡県相良油田は、グリーンタフ地域でもありません。
全ての地域に共通していえることは、急速に厚い地層がたまった地域であることです。
グリーンタフ地域に注目してみると、油田は、糸魚川−静岡構造線より西側には見られません。代わりにこの地域では、
厚い
珪藻土ができているのが特徴となっています。糸魚川−静岡構造線より西側では、動物性プランクトンが少なかったのか、
土砂が流れ込まないような場所で微生物が堆積し、水底で有機物がすぐに分解され有機分が地層中に残されなかったのでしょう。これに対して、
東側では動物性プランクトンが多く発生し、適当な速度で土砂によって埋積されるような環境と違いがあったようです。
黒川では、明治に入ってから西洋式の石油掘削法が導入され、採掘が続いていたようですが、
それも終わり、現在ではシンクルトン記念公園の一部となり、油坪(油のたまった池)や井戸、油井などが保存されています。
分 類: −−−−−
岩石名: −−−−−
産 地:新潟県胎内市黒川
石油は説明の通り、岩石から分離してできたものなので岩石として扱うことができません。従って、岩石名を「−−−」(なし)としています。
しいて石油を岩石とするなら、その分類は石炭のような生物源堆積岩になるのでしょうか。
信憑性は定かではありませんが、石油は生物とは関係なく地球内部で作られるという考えもあるようです。メタンハイドレートのような物質が、
地層中に取り込まれたらどのようになるのでしょうか。