ストローと同じくらいの太さで、見かけはよく似ていますが、ものすごくもろくて、さわっただけで壊れてしまいます。
一方が漏斗状に広がっているものもあります。これを見た場所は、名神高速道路の下をくぐり抜けるトンネルの出口付近の天井です(右写真)。
漏斗状の部分で天井にくっついてぶら下がっている様子がわかります。下の先には水滴がついていて光っています。
水滴は上の方から少しずつ流れ落ちてきて、その途中の壁面に同成分の物質と思われるものがこぶ状にこびりついています。
このようなことから、成因として次のようなことが考えられます。高速道路の土手にしみこんだ雨水が、土手の中の物質を溶かしだし、
その成分を含んだ水がしみ出してきて、流れていくうちに水分が蒸発して、溶けていた成分が固まってできました。
天井からしずくとなって落ちる直前には、水滴の側面を中心に蒸発が起こり、水滴を取り囲むように沈殿物が固まっていき、
管状になりました。また、管は側面を伝わり流れてくる水分の蒸発によりわずかですが厚くなっていきます。
水分の蒸発によって、沈殿がかたまったりする成分として石灰分があります。おそらく、トンネルを造っているコンクリートから石灰分が溶け出し、
しみ出してきた場所で再びかたまって沈着しているのでしょう。石灰岩地帯でも石灰分の反応で同様な現象を起こしていて、
かたまったものは一般的には鍾乳石とよばれています。鍾乳管はその中でも、水滴が絶えず落ちているところでできるようです。
高山市飛騨鍾乳洞の
ものが比較的有名です。
分 類:堆積岩(化学的沈殿岩)
岩石名: 石灰岩(鍾乳管)
産 地:大阪府高槻市名神町
できていた鍾乳管をこわしてしまったのですが、数日後再び通ったときには、もう1cmほどの長さに成長していました。
鍾乳石は数百年に1cmとかいわれていますが、鍾乳管はかなり早い速さでできるようです。1年間にどれくらい伸びるか調べてみたいものです。
雨が続かなかったりして水滴落下がなくなれば、風で壊れることも考えられます。伸びたり短くなったりの変化の様子も興味があります。