グアノという岩石は、動物の糞がたくさんたまったものがかたまってできたものです。鳥が作るものがほとんどです。
断崖絶壁に囲まれた孤島では、天敵がいないため鳥がコロニーを作ることがあります。そこで繁殖する鳥が糞を周囲にまき散らかしたり、
死んだ鳥の遺体などが集まっていきます。これが固くなってできたものです。洞窟内でコウモリが作ることもあるようです。
糞の成分として多いのは、尿酸などの窒素分です。雨が少ない場所では、そのまま残され窒素分の多い岩石ができ採掘されています。これがチリ硝石です。
雨が多いところでは、窒素分は流されます。流されずに残されるのは、エサとなった魚の骨などを作っているリン酸成分で、これがたまっていきます。
このようにしてできたものは、燐鉱石として採掘されることがあります。北大東島・沖大東島(ラサ島)は燐鉱石の採掘で栄えた島です。
採掘できるほどたくさん糞がたまったのなら、鳥がいた当時はどのようになっていたのでしょうか。鳥は平気だったのでしょうか。
伝染病なども流行しなかったのが不思議です。
岩石は、普通に見る土がそのままかたまったように見えます。中にすき間が多く持ってみると軽く感じるのが特徴です。
写真の石は、燐鉱石として採掘されたものです。中に、鳥の骨のようなものがいくつか見られます。
分 類:堆積岩類生物源堆積岩
岩石名: グ ア ノ
産 地:沖縄県島尻郡北大東島
北大東島から10kmほど離れて南に、南大東島があります。最高峰の高さはほとんど同じで、地形もよく似ています。
島の面積は、南大東島の方が2倍ほど広くなっています。ところが、南大東島では燐鉱石を産出しません。
地形や山の高さから考えると、島のたどった歴史はほとんど変わらないでしょう。
それでは、北大東島に鳥のコロニーができていた頃、南大東島はどうなっていたのでしょうか。コロニーができていなかった事は間違いがありません。
その理由として、南大東島はまだ海面下に沈んでいたと考えるでしょう。でも、ところが、すぐ横という場所にあることからすると、島になっていた可能性は否定できません。
また、鳥がどうしていなくなったのか(海流の変化で魚がいなくなった?)、とか考えるとわからないことだらけです。
南大東島は、海岸から島を一周する高所まで一気に高くなるのに対して、北大東島では、途中に20−30mの高さの平坦面ができています。
これが隆起海食台とすると、北大東島の方が先に島となっていた事の証拠になります。