切り立った崖が連なっています。一つの崖は高さが50m以上あります。崖を作っている岩石は下から上までレキ岩です。
谷底から尾根までレキ岩でできているようなのでレキ岩の厚さは200mを超えるようです。このレキ岩は、
今から5000万年ほど前の始新世に、北東方向からの流れによる扇状地堆積物と考えられています。地層名は久万層群といいます。
当時は、陸続きだった中国大陸から日本列島を横断する河川がいくつかあり、その一つで作られたものです。
扇状地を作っていたと考えられています。
数千万年前頃にできた地層は完全には固まっていないので、浸食によって簡単に削られていきます。
そのわりには比較的しっかりしまっていて岩石のようになっていますから、崩れにくいものがほとんどです。
このようなところで、最近になって隆起が始まり削られ始めたところでは谷の両岸は切り立った崖となります。
特にレキ岩層ではその傾向が強いようです。この付近一帯の両岸が切り立った渓谷状の地形が多いのはそのためです。
この付近の崖に見られるもう一つの特徴は、洞窟状の穴が多数見られることです。洞窟といっても人がやっと入れるかどうかの大きさです。
奥行きはそれほど深くありません。人工的に掘られた様にも見えるのですが、とりつきにくいところに様々な大きさのものがあるので、
ところかまわず掘ってできたものではないようです。考えられることは次のようなことです。
地層中にたくさんのレキが含まれています。その中には風化に弱くすぐにもろくなり、
その後流されてなくなりやすいものがあるのではないかということです。そこの部分が抜け去りって穴が開き、
さらに横・上の部分が崩落して穴を大きくしてできたようにも見えます。
2011.05.10