丸くててっぺんが尖っている形が桃に似ているというので、桃岩と名付けられています。
写真は下から見上げる角度から撮ったので、形がわかりにくくなっています。てっぺんのとんがりは見えています。
別角度から見た、形のよくわかる図を右に載せます。桃の上半分だけ見たような形です。
岩というより、岡か山といった方がいいような大きさです。
下から見ると、桃の中の方に白くて丸いかたまりが見えます。ここを桃の種というのだそうです。
ちょっと大きいですが、桃の中に種が入っているようすそっくりです。
桃の種の部分をよく見ると、亀の甲羅にあるような模様が見られます。
溶岩が流れたあと冷えて固まった岩石にできる
柱状節理を、柱の上の方から見たらこのように見えます。
このように見えるのは、溶岩のかたまりを外側から見たときにはっきりわかるといわれています。
もう一つ、柱状節理の見える芯のまわりを、薄い皮のようなものが何重にも取り囲んでいます。
皮のように薄くはげるような割れ方は、
板状節理と呼ばれるものです。
板状節理は、溶岩が流れたときの表面と平行にできます。
板状節理は、平らな平面でなく、丸くなっています。またその面はほとんど垂直に見えます。
これは地殻変動で傾いたのではなく、もともとマグマが地下から上昇してできた面と考えられます。
地下から上昇してきたマグマは、地表に近づいたところで、丸く膨らみ始めます。ある程度膨らんだところでそのまま固まってできたのが、
桃岩の種の部分になりました。
桃の実の上半部は、黒っぽく周囲の断崖を作っている地層と同じものです。
地層が上に乗っていることから、マグマは地層を突き破って、完全に地表には出ていないと考えられます。
しかし、上昇してきたマグマは地面を押し上げました。その膨らみが、桃の形になったようです。
下の写真のような形の元はこの時にできたものでしょう(マグマの熱で変質して硬くなったためとも考えられます)。
地下からかたいマグマが上昇してきて、地面を押し上げてできた小山を潜在円頂丘と呼びます。
桃岩が潜在円頂丘かどうかはどの程度侵食を受けているかを調べないと断定することはできません。
マグマが上昇してきて地表からでる直前には、それまで大きなかたまりであったものが、
火道と呼ばれる穴のようなすき間を通ってくるようになります。そこで固まった溶岩は
柱のような形になります。
桃岩のてっぺんのとんがりは、最後に地表にでようとしたマグマが作ったものでしょう。
近くに地蔵岩という奇岩があるのですが、成因については考慮の余地があります(いくつかの可能性が考えられるが、はっきりいってよくわからない)。
2014.06.01