ヨッシンと 地学の散歩
散歩道の風景 写真集(No.5)
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牛角状火山弾
三宅島雄山
マグマが空中で切れ切れになるとき、マグマが引きちぎられるようにして切れます。このとき、ちぎられたかたまりに角のような突起ができます。
このうち、比較的大きな突起が残されているものが牛角状火山弾です。写真にある火山弾の角は着地の時に折れ曲がったように見えます。
紡錘状火山弾
三宅島雄山
火山弾は細長い楕円形になることが多いようです。この形が、ふつう火山弾と思われがちですが他にもいろいろあります。
大砲の弾のように飛んでくように感じますが、向きは定まっていません。写真では、黄色い軍手が指す方向に飛んだと考えられます。
牛糞状火山弾
三宅島雄山
噴火口から吹き出したマグマは、空中で切れ切れになります。このかたまり一つ一つが火山弾です。吹き出してからある程度はかたまるのですが、
かたまらないうちに着地するとべちゃっとつぶれたようなかたまりになります。このようにしてできたのが牛糞状火山弾です。
溶岩トンネル
三宅島
溶岩が流れるとき、表面は空気で冷やされかたまってしまいます。内部は溶けたままですので、溶岩は中心部を流れることになります。
溶岩の噴出が止まると、中心部の溶岩は流れ去り周囲はかたまっているので、溶岩内部にトンネルのような空洞ができます。これが溶岩トンネルです。
溶岩樹型
三宅島阿古
樹木のあるところに溶岩が流れてくると、幹にあたった溶岩が冷やされかたまります。その後、溶岩の熱で樹木は燃えてなくなります。
木が燃える熱ではかたまった溶岩は溶けませんので、溶岩の方はそのまま残り、空洞ができます。これが溶岩樹型です。
溶岩流(1983年)
三宅島阿古
1983年に雄山の山腹から流れ出した溶岩は、阿古の町まで流れました。写真は町の手前から写しました。斜面を溶岩が流れた様子がわかります。
このあたりで厚さは4〜6mあります。溶岩はアア溶岩とよばれるもので、表面が小石のような溶岩片で覆われているのが特徴です。
岩頸
根室市花咲港
角柱状の岩石が放射状に並んでいます。柱の方向が溶岩の冷却方向ですので、管状になったところを溶岩が流れていたことになります。
管は、火道と呼ばれる火口への溶岩の通り道で、そこを流れた溶岩がかたまってできる形を岩頸といいます。
これが巨大な
枕状溶岩(の一つの枕)とする考えもあります。
岩床
松江市島根町大芦須々海
マグマが、地層のすき間に入り込んで冷えかたまってできるのが岩床です。下に見える地層とほぼ平行に、粗粒玄武岩のかたまりが乗っています。
玄武岩は、周囲の地層より堅いので、浸食に取り残され地層の上に乗っているように残されています。
板状節理
福井県坂井市三国町雄島
溶岩が冷却固結するときに、周囲の岩石との境界付近や表面では、境界面に平行な割れ目が多数でき、薄く割れることがあります。
この割れ目を、板状節理といいます。溶岩流などはほとんど水平になっています。ここでは形成後の地殻変動で左(西)に傾いています。
レキ質片岩
徳島県三好市大歩危
レキ岩が変成作用を受けてできた結晶片岩が、レキ質片岩です。変成作用を受けるのは海溝付近にあった岩石で、
レキ岩がそのような場所に作られにくいので、レキ質片岩は少ないとされています。
レキも変成作用で扁平になるだけでなく、引き延ばされています。横方向に長くなっています。
板状チャート
岐阜県各務原市鵜沼
放散虫や海綿の骨針を大量に含んだ泥水が一度に大量に深海底に流れ込む事件がありました。
それが何度も繰り返されると板状チャートができるといわれています。どこからそのようなものが流されてくるのか不思議です。
左半分の黒っぽいところは、当時海底に酸素が少なかったためだといわれています。
スランプ構造
高知県室戸市浮津
地層が大きくS字型に曲がっています。何か大きな力が加わってできたような感じなのですが、実際には、
緩くたまった地層が、滑って折りたためられたものです。上下の地層には変化がありません。
部分的に地層が変形しているのを見ると奇妙な感じがします。
漣痕
徳島県海陽町宍喰
宍喰の漣痕化石として、天然記念物になっています。生物が作ったものではないので、化石という言い方は誤りです。
昔のものという意味で、とらえた方がいいかもしれません。
漣痕は波が作るものですが、ここのは左下側からの水流によって作られています。
砂泥互層
宮崎県宮崎市青島鬼の洗濯岩
砂岩泥岩がきれいに交互にたまり、泥岩層が深く削られ、波板状の形になっています。
タービダイトと呼ばれる、泥砂の混ざった海水が海底を流れてきて、それが止まった後、
粒子の粗いものから順番にたまってできたもので正確にはフリッシュ型互層といいます。
ほんとうは砂岩から泥岩までが1枚の地層になります。
溶結レンズ
奈良県曽爾村伊賀見ふろの谷
軽石の混ざった高温の火山灰がたまると、軽石は火山灰の熱で軟らかくなり、上にたまった地層の重みでつぶれ、
薄平たく成ります。この形はレンズ型をしているので、溶結レンズといいます。
黒っぽいところが溶結レンズで、元の軽石の直径は1m近くあったようです。
鉱脈(堀切)
兵庫県生野町奥銀谷生野鉱
むかし生野銀山では、坑道を掘る方法と、地表から露天掘りで掘る方法で鉱石を取っていました。堀切は、
露天掘りで掘った跡が、まっすぐ切ったように無くなるのでこう呼ばれています。
灰色の所の道路から見ると2方向の堀切があるように見えますが、
ここから見るとまっすぐつながっていることがわかります。
岩脈
和歌山県古座川町一枚岩
古座川に沿って、いくつかの巨岩が並んでいます。その中で最大のものがこの「古座川の一枚岩」です。
これは、古座川沿いに、熊野酸性岩と呼ばれる火成岩が岩脈状に入っていて、浸食されずに取り残されたためです。
岩脈
和歌山県串本町橋杭岩
地下にできた裂け目の中をマグマが上昇し、裂け目の形のままかたまった状態を岩脈といいます。
ここでは、周囲の岩石が浸食されやすいため、岩脈だけが取り残されて大きな岩の並びとなりました。
よく見ると岩の並びは陸地の中にも続いています。
対岸の紀伊大島金山崎から見ています
柱状節理
京都府夜久野町田倉玄武岩公園
地表に流れ出た溶岩が冷却固結するときに、冷却方向に割れ目が入ります。この割れ目は玄武岩では、
六角柱の形になっています。この割れ目があるため、石材として切り出しやすく、
採石された跡が国内に何カ所かあります。この玄武岩公園もその中の一つです。
枕状溶岩
高知県室戸市日沖
海底深いところで溶岩が流れ出すと、かたまった溶岩の割れ目から、まだかたまっていない溶岩が、
絞り出されるように出てきて、溶岩の丸いかたまりを作ります。この丸い溶岩のかたまりがたくさん集まったものは、
枕が積み重なっているように見えるので枕状溶岩といいます。深海底噴火の産物です。
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