ヨッシンと 地学の散歩
散歩道の風景 写真集(No.9)
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化石林
岐阜県美濃太田市
河原や川の中に、いくつか岩が転がっているように見えます。岩をよく観察すると木の年輪のような模様が見えます。珪化木です。
岩の下半分は地層に柱に埋もれており、年輪の模様から木が直立して埋まっていることがわかります。これらのことから、
木は生えていたときのまま化石になっており、たくさんあることから、昔はここが林であったことがわかります。
林がそのまま化石になっているので化石林といいます。
撓曲(とうきょく)
大分県姫島
崖の左側の地層は水平なのに対して、中央から右側に行くにつれだんだん直立していきます。このような構造を撓曲といいます。
軟らかい地層の地下に断層があり、片側が持ち上がると、上の軟らかい地層はちぎられるのではなく、引きずられ、
曲がっていきます。断層のないところでは水平ですが、引きずりによって傾斜はだんだんと大きくなり、断層の直上では垂直に立ちます。
引きずりによって所々に小さな断層もできています。
貨幣石化石
中東産の貨幣石化石です。スライドガラスに貼り付け薄く削ったため、断面が見えます。渦巻きのような同心円状の模様と、
さらに、小部屋に分ける仕切りが多数あります。直径が2cmkらいありますが、これでも単細胞生物です。
火道跡(岩頸)
伊豆大島筆島
伊豆大島の東南海岸沿いにある筆島は、伊豆大島初期の火山と考えられている筆島火山が噴火したときにできました。
噴火に伴って地下からマグマが上昇してきましたが、その通り道(火道)にマグマが取り残され、それが冷えて固まりました。
冷え固まった岩石は地下に直立する棒のような形にできましたが、周囲の岩石が波の浸食作用で削り去られ、
火道内の岩石だけが柱のような形に取り残されてこのような形になったと考えられています。
枕状溶岩(溶岩ローブ)
糸魚川市根知フォッサマグナジオパーク
枕状溶岩は、ふつうは丸い形の石が積み重なったような構造をしています。立体的に考えてみると、
同じ方向に並んだソーセージ(抱き枕?)が積み重なっているような構造をしています。そのため、溶岩が流れた方向と平行な崖では、
ソーセージの様な構造が見えます。
写真では右上から左下方向に波打つやや平べったい波板のような形に見えます。
水冷自破砕溶岩
佐渡矢島・経島
角張った石がいっぱい詰まった角礫岩のように見えますが、レキは全て同じ種類の石です。また、
石のすき間もさらに小さな同質の石で詰まっています。さらにそのすき間を埋めているのも同じ岩質の石です。これは、溶岩が壊れながら流れ、
それが固まってできた岩石です。水深の浅い水中を溶岩が流れたときにできると考えられています。
火炎構造
和泉市唐国町
アズキ凝灰岩層と呼ばれている地層の断面に見られる模様です。白い丸かたまりがいくつか見られますが、その周りをよく見ると、
濃淡のある筋が曲がりながら上の方に伸びています。その形が炎のように見えるので、火炎構造と呼ばれています。
まだ軟らかい地層の上に重い硬い層が乗ったときに、硬い層はバラバラになって沈んでいき、
その反動で軟らかい層が上に引き上げられてできると考えられています。
ディッシュ構造
(皿構造)
和歌山県白浜町見草崎
地層の断面に見られた模様です。楕円形の線のようなものが多数できています。楕円は上半分がなく下半分だけです。
お皿を切った断面に似ていますので、お皿型になっているようです。そこでディッシュストラクチャ(皿構造)という名前がつけられました。
大量の水分を含んだ土砂が水平な筋(ラミナ)を作りながら堆積した後、水が上方に抜けていくときにラミナを引きずってできたと考えられています。
フルートカスト
和歌山県白浜町見草崎
海岸に転がっていた岩の表面に奇妙な模様ができていました。こぶの集まりのように見えます。写真下側のふくらみははっきりしてます。
上の方はなだらかに小さくなって、新しいこぶができています。
これは地層の底面にできる模様の一種です。砂岩層を堆積した水流の乱れが、
下の泥岩層を削ってできた流痕です。水流にできた乱れが弱まりながら底面を削ったと考えられています。上流側が深くえぐられますので、
写真下側から上に向かう水流があったことがわかります(地層を下から見ています)。
縄状溶岩(パホイホイ溶岩)
伊豆大島三原山
三原山の溶岩は基本的には、アア溶岩に属しますが、流れている途中で何らかの理由でアアクリンカーが取り除かれると、
溶岩の表面はなめらかになり、縄状になることがあります。
写真の場所は、三原山噴火口周回道路沿いで、
10m四方に渡ってアアクリンカーの見られないところです。表面はざらざらしていますが、何となく縄を並べたような模様がわかります。
アア溶岩
伊豆大島長沢
伊豆大島
1986年の噴火では山麓から割れ目噴火が起こり溶岩が元町へ流れました。
幸い町まで達しなったのですが、途中沢をせき止めてしまいました。土石流防止のため溶岩流流露を横切って新しい沢がつけられました。
写真の場所は、新しい沢沿いに、溶岩流の断面が見られるところです。
表面はアアクリンカーと呼ばれるかたまりが集まってできていますが、
中心部は、緻密な溶岩のかたまりです。
ベースサージ堆積物
三宅島新鼻
1983年の三宅島の噴火では、山頂の近くから海岸にかけて大きな裂け目ができ、そこに無数の噴火口ができました。
最も海に近い噴火口は、新鼻から少し海に入ったところのものです。ここでは、海水とマグマが激しく反応し、マグマ水蒸気爆発が起こりました。
その爆風によって、間歇的に横殴りの突風が吹き、吹き飛ばされてきた火砕物や土砂がたまってできました。
テラロッサ
岡山県新見市羅生門
石灰岩地帯では、石灰岩が溶かされた後に、赤い色をした独特の土が残されます。この土をテラロッサといいます。赤い土という意味です。
羅生門付近の草間台では、草に覆われていますが、道べりの所々の岩の間に赤い土が顔を出しています。
板干
西表島
沖縄などの亜熱帯の砂浜では、海水の蒸発が激しいので、海水に含まれていた成分が砂を固め岩のように変えています。
これを、板干(いたびし)というそうです。海水の蒸発なので塩分が固まっているように思いますが、見た感じでは石灰分です。
砂の成分が、サンゴ片・貝殻・有孔虫など石灰質のものが多いからなのでしょう。
風紋
鳥取砂丘
砂丘は砂が風に運ばれてできます。風が強いときには、砂の表面に、漣痕のような波の形をした模様ができます。
水流でできる漣痕と同じように風上側の傾斜がゆるく、風下側できつくなっています。写真では左から右への風によって作られました。
風向きについては、落ちていた木ぎれの周囲の模様からもわかります。
直立樹幹化石
大阪府富田林市錦織石川河床
色の濃いところが樹木の化石です。化石の木目の方向が直立しています。それが、奥にある水たまりの周囲を一周しています。
中が空洞になった直径5m程の立木がそのまま化石になりました。
このような化石は、
生えていた場所でそのまま化石になっているので、生痕化石と並んで現地性化石の代表的なものとされています。
ナウマンゾウ臼歯化石
大阪府岬町宝樹寺所蔵
大阪府南部の岬町付近の沖合から、多数のナウマンゾウの化石が地引き網にかかって引き上げられています。
これらの化石は、宝樹寺に納められています。
今から、2万年前の氷河時代、海面が低かったときの平地にいたゾウが死んで骨となり、
その後海面が現在の状態になり、海流で特定の場所に集められたものと考えられています。
アケボノゾウ足跡化石
滋賀県湖南市三雲野洲川河床
1988年の夏、台風によって河床の石が流された後に、地層の表面が現れました。そこから無数の足跡の化石が発見されました。
その中で目立って多かったのがゾウの足跡です。地層の時代と、周辺から見つかっている化石からアケボノゾウのものと考えられています。
上の方に3つのくぼみがあり爪の後です。後方は広くなっています。前足と後ろ足が同じところを踏んでいます。
シカ足跡化石
滋賀県湖南市三雲野洲川河床
アケボノゾウ足跡化石と同時に見つかりました。角のように見える2つのへこみは、四角いへこみに形が崩されていますので、
四角いへこみの方が先にできたことがわかります。角のようなへこみは前足の二つのひづめが、
四角く見えるへこみは後ろ足のひづめがつけたものです。象と同じように、前足の足跡の上を後ろ足が踏んでいます。
丹波竜発掘地
兵庫県丹波市山南町上滝 2008年10月
白亜紀前期の篠山層群から恐竜の化石が発見された場所です。見つかった場所はコンクリートで覆われているところです。
化石の入っている地層の様子から、恐竜のいた場所は、大きな川沿いの氾濫源のような場所で、
長期間地表になっていて、植生で覆われ栄養豊かな土壌でできた大地広がっていたようです。
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