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散歩道の風景  写真集(No.22)

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乳房雲
乳房雲
2012年10月14日15時 0分

 乱層雲の底面に、たくさんの瘤状に垂れ下がった雲ができています。乳房雲といいます。 雲の内部で、気流の流れに乱れがあり下降気流が発生し始めているときにできるようです。
 下降気流は大量の雨粒やあられ、ひょうができる事によって起こるため、天気が荒れる前触れだといわれています。 積乱雲にできた場合は、雷や突風、場合によっては竜巻が発生することもあるようです。
塔状雲
塔状雲
2016年 8月25日14時 5分

 積雲や積乱雲にみられる細くて高い雲のかたまりをいいます。
 日差しが強くなり局所的な強い上昇気流が発生し始めると、それに沿って雲ができます。 だんだん高く昇っていき柱のようになっていきます。
 ほとんどの場合、途中で上昇の勢いが続かず、先に上がり始めた部分がわたをちぎったときのように、根元から消えていき、 上昇した雲のかたまりもだんだん消えていくようです。大きな積雲で頂部が盛り上がっていくように見えるときでも、 このような塔状雲がたくさんできては消えていくというのを繰り返していることが多いようです。
偏平雲
偏平雲
2016年 8月23日 9時20分

 積雲ができ始めるときに、平べったい雲がたくさん並びます。この時の状態を偏平雲または偏平積雲といいます。
 夏になって風が弱くなってくると、海陸風の影響で内陸部では晴れ上がります。 だんだん日差しが強くなり地面が暖まってくると所々で上昇気流が発生し始めます。 最初の内は上昇気流には勢いがなく、それほど高くまで上っていくことができないので厚さのあまりない雲になります。
 時間が経って上昇気流に勢いがついてくると、よく見られる形の積雲に変わっていきます。
霧状雲
霧状雲
2017年 1月23日14時30分

 層雲や層積雲にみられる周囲の輪郭がはっきりしない雲です。雲全体が周辺に向かうにつれてだんだん薄くなりきえていきます。 高層雲や絹層雲でもみられることがあります。
 大阪平野北部では冬になって日本海側で大雪が降るようになると、 山地を越えてきた雪雲が平野部に出てくると、そのまま上空を流れ、だんだん消えていくことがよくあります。 このような雲は、南側に向かってだんだん薄くなってなくなっていくように見えます。霧が流れてきて消えていくというパターンとは少し違うようです。
尾流雲(乱層雲)
尾流雲(乱層雲)
2017年 2月10日16時40分

 乱層雲から雨が降り出したときにも尾流雲ができる事があります。降水雲との違いは地表にまでつながっているか、 途中で消えているかということです。実際には、降水は雲として見えないだけで地表に達している場合があります。
 全体的にもやもやとしたかたまりが乱層雲本体の下にできているように見えます。 他の雲にできる場合と違って、光が当たらないために暗く見えます。
尾流雲(巻雲)
尾流雲(巻雲)
2016年 9月10日15時30分

 雲から下に向かって刷毛で掃いたようにのびる筋状の雲です。雲から雨が落ちてきていますが、落ちていく間にだんだん細くなって消えていくものをいいます。
 巻雲の場合は、鉤状雲と似たようになります。向こう側に流れているものとは区別しにくいのですが下に向かっていることと、 雲の本体に比べて色が淡いことが区別点になります。この写真の場合は、もう少し濃淡の差が少なければ鉤状雲になっていたでしょう。
房状雲
房状雲
2009年10月10日 7時40分

 枝分かれしながら伸びていく巻雲が幾筋もあります。その途中の所々が濃い丸いかたまりになっていて、実の着きが悪いブドウの房のようにも見えます。 このような形の雲を房状雲とか、巻雲なら房状巻雲といいます。
 房状巻雲は、丸いかたまりになっていて、毛のような白い筋がまわりにいっぱい出ているものが普通です。 そのような形のものは、右下の方にいくつか見えています。
肋骨雲
肋骨雲
2016年 9月10日18時00分

 濃く太めの細長い巻雲から、巻雲独特の細い糸状の雲が幾筋も平行に出ています。その形が、背骨と肋骨の関係に似ているところから肋骨雲といいます。 濃密雲から、たくさんの鉤状雲がでているようにも見えます。
 写真のものは、肋骨のあばら骨にあたる部分はあまり発達していないし、平行でもありません。その分背骨と肋骨という関係はわかりづらくなっています。
二重雲
二重雲
2017年 1月 5日16時35分

 巻雲に見られた二重雲です。巻雲ができる高さは、低いもので5千mくらい、高くなると1万mを越えるものもあります。 巻雲はこの範囲内にわたってあるのではなく、ある限られた高さの所にできます。 雲のできる高さが、いくつもある場合、 巻雲が重なって見えます。このような場合は二重巻雲といいます。
 高さによって風の流れが変わっていると、それぞれの高さの巻雲の筋の方向がその風向きにあわせて違った方向になります。 筋の方向の違いによって、何層あるか見分けることができます。
濃密雲
濃密雲
2016年 9月10日17時50分

 巻雲は、淡い色のものが多いのですが、たまに色の非常に濃いものができる事があります。 濃く密集しているということで、濃密雲とか濃密巻雲といいます。
 巻雲のできる高さでは、気温が低く飽和水蒸気量が少ないため、大気中に含まれる水分はわずかです。 そのためあまり濃い雲はできないのがふつうです。雲の厚さが厚くなると全体として、水滴の量が増えることができます。 ちょっと厚めの巻雲なのでしょう。
鉤状雲
鉤状雲
2016年 9月10日13時00分

 高層にできる巻雲の一種です。まっすぐな筋が一端で釣り針のようにくるっと曲がっています。鉤の形のように見えるので鉤状雲または鉤状巻雲といいます。 「巻雲」という文字には、巻いているというイメージがありますが、巻いていなくても「巻雲」です。 どちらかというと文字のイメージに最も近い巻雲です。
消滅飛行機雲
消滅飛行機雲
2016年12月31日17時15分

 日没後の巻層雲を見ていると、雲の薄くなったところが2本の筋となっていました。 飛行機の航路にあたっていて、雲の間を2機通りぬけたようです。
 ふつうは、排気ガスとして放出される微粒子に水滴がついたり、放出された水蒸気が凝結したりして白い雲となります。 今日の場合は、排気ガスの熱で雲を作る水滴が蒸発したようです。そのため飛行機の経路に沿って雲がなくなりました。 これも飛行機雲の一種です。この場合特に消滅飛行機雲といいます。白い飛行機雲に比べて見る機会は少ないようです。
レンズ雲
レンズ雲
2016年6月27日17時5分
北海道積丹半島古平

 北海道積丹岳・余別岳の後方(東側)にできたものです。丸く渦巻いたような雲がいくつか見られます。 その形から、レンズ雲といいます。層積雲や高層雲に見られるようです。
 山に当たった風が、その後方上空で渦巻いて流れることによってできるようです。 この日は移動中だったので、流されていくのか、ある場所に留まっているのかは観察できませんでした。 時間によって、位置や形が変わっていくように見えました。
波状雲
波状雲
2009年10月22日15時40分
大阪府高槻市浦堂

 細長い帯状の雲がたくさん並んでいます。雲自体は高層雲なのですが、このような特別な形を持つものは、 変種として波状雲(波状高層雲)と呼ばれます。このような波のように見えるものは、他にも層雲・層積雲・高積雲にも見られます。 この日のものは、これが空一面を覆っていて見事でした。  空気が波のようになって上下運動をしながら流れるときにできます。 ゆっくり西から東(写真では向こう側から手前側)に移動しているように見えました。
降水雲と0次の虹
降水雲と0次の虹
2016年8月22日18時35分

 雲から降水が落ち始めると、その部分が霧か雲のように見えることがあります。 このようにしてできた雲のようなものを降水雲といいます。 この場所では、季節もあわせて考えてみると夕立が始まったようです。
 降水雲を眺めていると、雲に横から夕日があたりはじめ、オレンジ色に明るく輝き出しました。 光が雨粒の中に入ると、屈折によって様々な方向に散乱されます。そのため、雨粒が光って見えることがあります。 この時もこの現象が起こり、降水雲が夕日の色で光り出したようです。

年輪
年輪
岡山県真庭市蒜山天の岩戸天然杉

 樹木の幹には年輪が作られていることが知られています。写真は茅部神社のご神木であった杉の木です。 2008年の台風の影響で倒れました。これが、勝山町の木材ふれあいセンターに保存されています。 断面には年数を数え、年輪がいつ頃のものかわかるようになっています。
 年輪の幅は、気候の変化によって変わるといわれています。断面には大飢饉の年が記されています。 この木の生長にどのように影響しているでしょうか。
逆転層
逆転層
2015年12月13日9時40分
伊丹空港付近の上空から大阪平野

 風がないよく冷え込んだ明け方などは、地表付近の空気が冷やされ逆転層ができることがあります。
 30年ほど前までは、逆転層に排気ガスなどがたまり、遠くから見ると茶色く染まって見えることがありました。 現在では、排気ガスが少なくなったため、色はつかず、薄いもやの層として見ることができます。
 平野を流れる川は、手前が神崎川(猪名川が分岐している)、向こう側が淀川です。 山は生駒山で遠くに大和高原が見えています。間の奈良盆地にも逆転層ができ、もやがたまっているのがわかります。
ブロッケンの虹
ブロッケンの虹
2015年11月7日14時45分
沖縄本島東方海上

 雲の上を飛ぶ飛行機から自分の影を見ると、影を中心に同心円状に虹が見られます。雲との高度差が少ない方ができやすいようです。 原理は高山で見られるブロッケンの虹と同じです。 ブロッケンの妖怪もできますが、写真では、雲の縁に何となく飛行機型の影ができているのが分かります。
 普通にできているものなのですが、あまりみかけないのは下の方にできていることが多く、上の方からのぞき込むようにして見ないといけないからでしょう。
霧の移動
霧の移動(海風前線)
2016年3月8日13時30分
東京湾海ほたるから

 この日の午前中は、東京湾に濃い霧がかかっていました。夜明け前には、山間部では放射霧が発生しています。それが東京湾に流れ込んだうえに、 暖かい海水と冷たい空気が触れることによって、霧が濃くなったようです。
 昼過ぎには太平洋からの暖かい海風が強くなり、霧を押し流すようになりました。霧は急に晴れて一気に視界が開けてきました。 この時に東京湾上を見ると、霧がだんだん東京方面に遠ざかっていくようすが見えました。
 霧のあるところが山から下りてきた陸風の吹いていたところで、ないところが海風が吹いているところです。 霧の縁が海風前線となります。前線といってもこの場合は、雨にはなっていません。
けあらし
けあらし(蒸気霧)
2016年2月3日6時55分
鹿児島県志布志市ダクリ岬から都井岬方面

 海面から湯気が上がるように霧ができています。暖かい海面上を冷たい空気が流れるときに霧ができることがあります。 海面から蒸発した水蒸気が冷やされてできるもので、このようなものを蒸気霧といいます。 写真の場合の霧もこのようにしてできたものです。
 「けあらし」という言葉は、北海道留萌地方でできる蒸気霧を指して呼んでいたもののようですが、現在ではいろいろな場所で同様にできる霧を指すことがあります。 漢字では「気嵐」を充てるのが一般的ですが、「毛嵐」と書くものもたまに見かけます。



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