大分県の別府温泉の地獄巡りをしていると、温泉水でできた池の周囲を白い石で囲っているところをよく見受けます。その石をよく見ると、
細かい針金のようなものがいっぱい詰まってできています。中には写真の石のように、落ちたばかりの木の葉が挟まれていて、
ほんの数ヶ月前にできたのではないかと思わささせるものもあります。
温泉に行くと、湯船の縁などに白い石のようなものがこびりついていることがあります。これは温泉水に含まれる成分が、
温泉水の冷却とともに結晶となって出てきて、湯船の壁などにくっついてできたものです。この場合、
水がかかったり乾いたりを繰り返えされるところによくできています。粒は細かく針のようなものの集まりが見られることは少ないようです。
温泉水の成分の濃度の高いところや急速に冷やされるところでは、成分がかなりの速度で結晶となるようです。この時、
結晶の形は細長くなります。細長くなるのは氷の結晶でも見られます。氷の結晶が縦に細長く伸びたものが
霜柱で、
6方向に伸びたものが
雪の結晶です。温泉の蒸気でできる
イオウでもできています。
温泉水の場合、成分で様々なものができます。どの場合でも、細長い筋のようなものが見られるのが特徴です。それは大きく2つあります。
一つは主成分が二酸化珪素(珪酸)の場合で、もう一つは炭酸カルシウム(石灰分)です。
沈殿物が二酸化珪素でできているものを珪華、
炭酸カルシウムでできているものを石灰華といいます。二酸化珪素は水中の含有量が少ないので珪華ができることはまれです。別府温泉の場合は、
その数少ない例です。石灰華は長野県の白骨温泉では小山を作っています。長野県松代温泉では右の写真のように、温泉配管がすぐに詰まり、
2年ほどで取り替えないといけないそうです。中心に向かって結晶が成長した筋が見えます。
分 類: 堆 積 岩 類
岩石名: 名称 未設定
産 地:別府市白池地獄
珪華は、自然に化学的に沈殿してできるので堆積岩といえるのですが、正式な岩石の名称ではないようです。
石灰華の場合は、鍾乳洞から流れ出た水が蒸発してできたものも含めて石灰岩と呼ばれています。珪華の場合は
同様にチャートと呼んでいいのでしょうか。