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マンガンノジュール



マンガンノジュール

 直径が1〜2cmの黒くて丸いかたまりです。島尻マージと呼ばれる赤黒い土のの中に入っています。 見かけは、草食動物のフンそっくりです。
 断面を見ると、バームクーヘンのように、薄い膜が外側に順番に取り巻いてできたような構造が見えます。 中心になるものを核としてまわりが段々と硬くなってできたきた丸い石の塊をノジュールと言います。 色が黒っぽいのは、マンガンや鉄を多く含むからです。 特にマンガンの比率が自然にあるものと比べて多いので、マンガンノジュールと呼ばれています。
 マンガンノジュールが多く見られるのは、海底火山近くの深海底だそうです。多いところでは敷き詰められた様に転がっているそうです。 海底面にあって、新しい堆積物で埋められてしまわないのは、絶えず転がっていて表面に浮かび上がってくるからです。 その石の表面についた微生物の作用によって、海底火山から供給されたマンガンや鉄分が石の表面にくっついてだんだん大きくなりできたと考えられています。
 ところで、沖縄のマンガンノジュールもこのようにしてできたのでしょうか。どうも違うようです。 マンガンノジュールの入っている、島尻マージは深海底でできたものではないからです。 おもに石灰岩が風化してできたテラロッサと呼ばれる赤い土を中心にして、 周辺から流れ込んだ土砂や風で運ばれてきた火山灰・黄砂などが集まってできたものです。 それが、当時の海面の高さに積み重なるようにたまっています。
 ここのマンガンノジュールはできるまでに10万年かかったという研究結果があります。 この値は、島尻マージができた時代とほぼ同じです。つまり、島尻マージに埋もれたままでだんだん大きくなっていることを指しています。
 土の中でどのようにしてマンガンが濃集していくのかはよくわかっていませんし、周囲にそれらしい火山がありませんから、 マンガンがどのように運ばれてきたのかもよくわかりません。琉球列島には、似たような土を持つ島がいっぱいあります。 沖縄本島南部にだけ作ることができた要因は何だったのでしょうか。わからないことだらけです。 さらにいえば、年間を通じて環境変化の少ない土の中で、縞を作るような変化があったということは考えにくいことです。  


分 類:堆積岩類(生物岩?)
岩石名:マンガンノジュール
産 地: 沖縄県 読谷村 



オンネト−湯の滝  北海道阿寒湖の近くにオンネト−湯の滝という所があります。温泉水が滝となって落ちていることで有名です。 ここのもう一つの特徴は、温泉水の成分にマンガンが多く含まれること、それを酸化し沈殿させる細菌類が温泉水中にいることです。 そのため、水の流れるところや水のあたるところは黒ずんでいます(右写真)。
 深海のマンガンノジュールが細菌の作用によって作られたという考えは、このような細菌類の発見によって裏付けられました。
2014.09.09




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