ヨッシンと 地学の散歩
散歩道の風景 写真集(No.12)
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V字谷
佐渡島大ザレ川
海府大橋から見た大ザレ川です。谷の両脇が傾斜50〜60度の崖になっています。断面は「V」型になるので、
このような地形をV字谷といいます。川が作る山間部に代表的な地形です。
佐渡島北側は山が海に迫っていて、川が山から出たとたんに海に流れ込むことになります。橋の背後はすぐに海でした。
扇状地
金沢平野 −獅子吼高原から−
獅子吼高原から扇状地が見えるということなので登ってみました。扇形に広がった平野は確認できました。
円錐形の地形はわかりませんでした。
地図で確認すると、手前にある鶴来の町並みから放射状に川や水路があったり、同心円状に等高線が並んでいたりします。
地面の傾斜は緩く、平野に近いような状態です。
山崩れ・土石流跡
奈良県十津川村長殿
奈良県南部は、2011年9月の台風による豪雨により各地で土砂災害が発生しました。その跡が残されているところの一つです。
上の方の、斜面が大きく削れ、そこから発生した土石流が谷底を埋めながら流れています。よく見ると、
流れの勢いで右側の尾根を越えているのがわかります。
斜面が崩れたところは2カ所あり、右側の山崩れ跡からの土石流跡は、本体の土石流跡に流されていますので、右側が崩れてから時間をおいて、
左側が崩れたことがわかります。
溶岩橋
伊豆大島 石の反り橋
1552年の伊豆大島噴火の時にできたとされています。握り拳から人の頭くらいの大きさの石がつながって、橋になっているように見えます。
今にも崩れていまいそうですが、もともとは溶岩洞窟の天井が崩落し、ここだけ残されてできたようです。
崩れ落ちた岩石は運び去られて残っていません。
滝と溶岩洞窟
山梨県忍野村鐘山の滝・光燐の洞窟
溶岩が流れるとき、表面が固まってその中を流れることがあります。溶岩の流出が止まると、中を流れていた溶岩が流れ去って、
細長い溶岩洞窟が作られます。手前側に水のたまっているところに洞窟があり、右側と左側につながっているようです。
溶岩の流れた先端は段差があり、そこに滝ができる事があります。奥にある滝はそのようにして作られたものです。
湧水が見られることが多いのですが、ここではそれがほとんどありません。洞窟を作った溶岩と別の溶岩流の縁にできています。
ボッケ
北海道阿寒湖
阿寒湖には「ボッケ」と呼ばれる現象があります。解説のある場所に行ってみると、泥水が噴き出ていました。泥火山、坊主地獄のようですが、
泥分が少ないようです。3つの言葉の関係ははっきりしません。一般的には「泥火山」、地域での呼び方として「坊主地獄」「ボッケ」があるようです。
ボッケはアイヌ語の「煮え立つ」という意味を持つ言葉です。
キノコ岩
島根県浜田市石見千畳敷
根元が細く、頭が広がった形の岩がたくさんありました。大きさは60cm程度なので岩というより石の大きさなのですが、
キノコ岩と解説されていました。下部の方が上部に比べてたくさん削られるとできます。一般的なキノコ岩は、
下部の浸食力が強い時にできますが、ここの場合は、上部に比べて下部の岩石が軟らかくその分たくさん削られたためできたと考えられます。
ノジュール
島根県浜田市石見千畳敷
軟らかい泥岩が削られたあとに、丸い塊が残されています。この部分だけが固く、浸食で削られなかったためです。地層中に残されている、
まわりより固い塊をノジュールといいます。貝化石や鉄鉱石などからの成分がしみ出し、岩石を固結させたためできると考えられています。
中に化石が入っていることがよくありますが、外れもしばしばあります。ここの場合は、ノジュールの多い層には貝化石がたくさん含まれています。
この貝化石がノジュールにさせた原因でしょう。
U字谷
長野県松本市涸沢
穂高岳から涸沢にかけては、氷河時代には氷河が流れていたようです。その氷河による浸食地形の一つです。
国内にU字谷があるのかどうかということから、いくつかの考えがあります。ここの物は、氷河の堆積物と思われるモレーンもあることから、
いちばんU字谷である可能性の高いものです。
穂高岳周辺には、氷河地形であるカールや尖峰がいくつも見ることができます。
地辷り地形
長野県飯山市北竜湖
長野市北部から信越線沿いの地域は、新しい地層が急激に隆起しているために、地辷りが至るところで発生しています。
過去に起こった地辷りも、その傷跡が残されていて至る所で見ることができます。
ふつうの山の斜面がスプーンか何かで削られたようになり、その土砂が手前側にまき散らしたようになっています。
削られた斜面を利用して、スキーのゲレンデが作られていることが多いようです。
天井川
滋賀県大津市家棟川
琵琶湖の南、湖南地方にある川は、ほとんどが天井川になっています。写真は、その中の一つを付け替えていたときのものです。
正面を横切るような形で川が流れてましたが、右奥に通じる道路を造るために、川の土手を削り取ってしまいました。高いところ、
石垣のあるあたりを川が流れていました。
潟湖
新潟市福島潟
新潟市から日本海に流れ込む信濃川や阿賀野川は、川が運んできた土砂が海岸に砂丘を作り、海に流れだしにくくなっていました。
そのため、内陸部に水がたまり、大きな沼が至る所にできていました。現在では排水路を作って排水し、多くは干拓地となっています。
福島潟は、溜まっていた水を完全に排水せず、昔のままに近い形で残されているところの一つです。
礁湖
奄美大島あやまる岬
奄美大島の海岸は、少し沖合まで浅瀬が続いています。海水もきれいで、海底の様子がよくわかります。
灰色っぽいところは、硬い岩のようです。サンゴが固まっているでしょうか。、エメラルドグリーンのところは、少し深く砂がちなところのようです。
沖合に少し浅くなっているところがあり、ここには珊瑚礁ができているのでしょう。さらに沖は濃い青色なので、急に深くなっているようです。
カルデラ(キラウエア型)
伊豆大島三原山山頂より北方を望む
溶岩を大量に噴出した後、陥没してできたカルデラです。阿蘇山のものと違って、外輪山が山脈のように連なっていること、
カルデラ底内に溶岩流が流れた跡(中央黒色のところ)が見られるのが特徴です。
写真右方(西側)の外輪山は崩落し、なくなっています。
カルデラ(クラカタウ型)
阿蘇山中岳より北方を望む
阿蘇山のカルデラを中央から北に見ています。色の濃いところが中央火口丘の山麓、田畑の広がるところがカルデラ底、
色の濃いところがカルデラ壁、うす茶色のところが外輪山になります。外輪山は山というような高まりははっきりしません。
むしろ、平坦な地形の内側が落ち込んでいる様に見えます。
砕屑丘
熊本県阿蘇市米塚
噴火口から吹き出した、スコリア(黒い軽石)や火山弾が噴火口の周りに積もってできた山です。一度の噴火でできるといわれています。
そのため、大きさは大きくても500m程度の大きさです。形はきれいな円錐形で、中央にすり鉢型のくぼみがあるのが特徴です。
米塚は阿蘇山の側火口からの噴火でできたとされています。
火砕流台地
鹿児島県霧島市上野原から鹿児島空港方面
鹿児島県内にはシラス台地と呼ばれる独特の地形が広がっています。シラスと呼ばれる姶良火山から吹き出した火砕流の堆積物が作る地形です。
シラスは比較的浸食に強いのですが、直下の地層が浸食に弱くそのため崩れるように削られていきます。垂直な崖を作り、上面は非常に平らです。
コントラスト強調処理をしています
泥火山
長崎県雲仙市雲仙地獄
地下にできた粘土分をたくさん含む温泉水が噴き出してきて、吹き出し口の周りに小山のような盛り上がりを作っています。
写真のものは20cm位の大きさですが、1mを超えるようなものもあります。
温泉と関係なくできるのではないかと考えられるものもあるようです。
坊主地獄
大分県別府市坊主地獄
温泉地帯では、火山ガスの影響で地中の岩石が変質し粘土状になっていることがあります。このようにしてできた粘土が、
温泉水に混じって吹き出し、温泉池の底にたまり、そこから吹き出すガスによって巻き上げられたとき、まん丸い頭のような形をした泡ができます。
別府市では、この泥水の泡が見られる場所を坊主地獄として公開されています。
蛇行
佐賀県大町町六角川
佐賀平野の西半部を東に流れる六角川は南北に曲がりくねりながら流れています。写真の場所では「ひ」の字型に曲がっています。
何となく川の流路はまん丸くなっているようにも見えます。写真の左右では再びこちら側に近づいてきいます。
この付近で大きな蛇行が見られるのは、火山による細粒物質の供給と、有明海の干満の差が大きいことに関係がありそうです。
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