ヨッシンと 地学の散歩
散歩道の風景 写真集(No.25)
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西之島
2014年6月29日母島航路より
2013年11月に西之島の南東で噴煙が観測され、その後新しい島ができていることがわかりました。
島は西之島新島と名付けられたものの、次第に大きくなって西之島と陸続きになったため西之島と呼ばれています。
この噴火は2015年まで続き、その後も断続的に噴火を繰り返しています。2014年6月頃は噴火が激しくなっていました。
父島や母島からは離れすぎているため直接火山は見えませんが、高い噴煙柱があれば見ることができます。
母島に渡る途中の船上から噴煙のようなものが見られたので西之島の噴煙として記載しています。
池田・山川
大隅半島上空より
九州薩摩半島にある池田湖は、カルデラ湖として知られています。その周辺には、最近になって作られた溶岩ドームや爆裂火口がたくさん見られます。
鍋島岳が溶岩ドームで、山川と成川、鰻池が爆裂火口です。他にもいくつか爆裂火口があります。
気象庁の活火山分類ではこれらの火山をまとめて「池田・山川」と呼んでいます。
さらにその周辺では、指宿の温泉や、開聞岳など火山活動に関係するものがたくさん見られます。
雲仙平成新山
仁田峠より
雲仙山平成の噴火によって山頂に新しくできた山です。1990年11月に噴火が始まり、翌5月に溶岩ドームが作られ始めます。
下旬には溶岩の崩落によって火砕流が発生し始めました。そのほとんどが、ここから見える反対側に流れました。
溶岩ドーム拡大に伴ってこちら側でも溶岩の崩落が始まりまったのは、1994年になってからです。
溶岩噴出はその後すぐに止まりました。こちら側で火砕流が発生したのは数回のみです。
山頂部に大きな溶岩のかたまりが見えます。それが崩落し火砕流となったところが明るい色の筋となって見えています。
八甲田山
田代平湿原より
八甲田山はいくつかの山をあわせて呼んでいます。「甲」は山、「田」は湿地のことで、山は湿地がたくさんあることから
「八甲田」と呼ばれるようになったようです。火山の形は成層火山が中心です。山頂部に溶岩ドームのある火山もあります。
八甲田山は大きく南八甲田火山群と北八甲田火山群にわけられています。
北八甲田火山群はカルデラ南部にできた火山が中心です。写真を写した田代平湿原はカルデラの北半部にあります。
写真は、北八甲田火山群の中央から東側の山々です。雛岳をのぞいて山頂付近は雲ががかかっています。赤倉岳は手前側の尾根に隠れています。
十和田湖
発荷峠より
二重カルデラ湖として知られています。
十和田湖全体が一つのカルデラで、その中に突き出すようにでている中山半島と御倉半島に挟まれた中湖が内側のカルデラです。
御倉半島先端にある御倉山は西暦915年の噴火でできた溶岩ドームです。
十和田湖南側にある発荷峠展望台からの写真には、北側の外輪山の向こうに南八甲田に属する下岳から乗鞍岳の山が見えます。
少し雲がかかっています。
秋田焼山
八幡平見返峠駐車場から
八幡平の西側にある活火山です。地元では単に焼山と呼んでいるようです。山頂付近に直径が600mほどの火口とみられる窪地があります。
窪地の東側は北からの谷に浸食されていて形ははっきりません。 中央に鬼ヶ城と呼ばれる直径300m高さ30mほどの高まりがあります。
これは溶岩ドームとみられます。写真では火口は、焼山とした最後部の手前側、栂森との間にかろうじてわかる程度です。
周辺に玉川温泉や後生掛温泉といった噴気活動の活発なところが見られる他、山頂近くで時々水蒸気噴火も起こっているようです。
後方の森吉山が高く見えますが、実際には焼山より100mほど高いだけです。
八幡平
岩手山焼走り溶岩流から
八幡平は東西に連なるいくつかの古い火山からなります。最高地点(山頂;1613m)付近はなだらかに盛り上がった形をしていて、
かってはアスピーテ(盾状火山)とされていました。(アスピーテという用語はあまり使われなくなっています)
山頂近くにはたくさんの爆裂火口があり、多くのものは水がたまって沼となっています。
単独で1つの沼のものからいくつかがあわさって1つの沼になっているものもあります。
活火山とされていますが、最近の噴火のようすについてはよくわかっていないようです。
秋田駒ケ岳
八幡平見返り峠から
田沢湖東側の秋田県と岩手県の県境付近は、噴気活動が活発な地域で温泉もたくさん見られます。その南端に位置するのが秋田駒ヶ岳です。
古い火山の北側と南側にそれぞれ別々に、カルデラが作られ中心部にいくつかの噴石丘などの火山地形ができています。
2つのカルデラの間にあるのが、横岳−男岳間に連なる尾根です。その北側は、阿弥陀池を作る凹地の中に男女(おなめ)岳があります。
1970年の噴火は、南側の女岳が中心で、火山弾を飛ばしたり溶岩が流れたりしました。その場所はこちら側からは見えていません。
岩手山
八幡平見返り峠から
盛岡市の北西にある活火山です。山頂部に直径500mほどの火口が開いています。
西側に大きく崩れたできたような凹んだ地形がみられます。凹地の南側は鬼ヶ城から黒倉山、北側は屏風尾根から赤倉岳に連なる尾根になっています。
尾根の凹地側は崖になっていて、凹地は東西2.5km、南北1.5kmの北西側に開いた細長いカルデラのようにも見えます。
凹地の中央部にも直径500mほどの火口があり、水がたまって御苗代湖・御釜湖となっています。
栗駒山
登米市新田 伊豆沼から
宮城県・岩手県・山形県の県境にあります。宮城・岩手側からは栗駒山といいますが、山形側では須川岳と呼ぶようです。
北西側に大きく崩れていて、そこに湿地や火口跡・須川温泉ができています。山の周囲には、溶岩ドーム状の地形がたくさん見られます。
南側にある秣(まぐさ)森・大地森・揚石(あぐろし)山に囲まれた地域には世界谷地と呼ばれる大きな湿地ができています。
富士山
長野県木曽福島付近上空から
大阪から飛行機で東北や北海道に向かうと、岐阜県から長野県に入ったあたりで右側に富士山が見えますという機内アナウンスが入ることがあります。
雲があっても、山頂は雲の上にでていることもよくあります。地上からよりは見える確率は高いようです。
この日は、大阪に向かう飛行機でしたので、高度は低めですがよく見えていました。
山麓に一部雲がかかっているものの裾野近くまで見えているようです。距離は遠めなので、画像処理をしても下の方までははっきりと出てきませんでした。
肘折
山形県大蔵村肘折
山形県のほぼ中央、月山の北東約15kmの所にある1万2千年ほど前に作られたカルデラです。直径は2km程度と小さめです。
中央に小高い丘状の地形があり、その中央は丸くくぼんでいて、火口(鎌金野火口)とされています。
そこからの噴出物があるといわれていますが、その後の調査では見つけられていません。
噴気活動はありませんが、地熱が強くカルデラ底では温泉の噴出が見られます。
鎌金野火口は、右側真ん中くらいにある墓地の向こう側です。左側に見られるのが肘折温泉街です。
山の上は火砕流によって平坦で、そば畑が広がっています。
鳴子(潟沼と胡桃が岳)
宮城県大崎市鳴子温泉潟沼
宮城県北西部にある火山です。直径が7kmほどのカルデラの真ん中にいくつかの溶岩ドームが並んで中央火口丘を作り、
その中心に直径400mの火口湖の潟沼があります。
溶岩ドームは今から1万年ほど前に作られたと考えられています。それ以後の火山噴出物や水蒸気噴火が認められますが、
それが起こった場所は特定できていません。
潟沼周辺には、爆裂火口と見られる穴や、噴気地帯があるほか、溶岩ドーム群の北側には温泉の噴出地がたくさん見られます。
吾妻山(一切経山)
吾妻小富士から
吾妻山は、山形県と福島県の県境にある活火山です。東吾妻山・中吾妻山・西吾妻山と3つの山体群からできています。
その中で最も高いのは西吾妻山の2035mです。
近年の噴火は東吾妻山の一切経山近辺で起こっていて、五色沼・大穴・桶沼・吾妻小富士といった爆裂火口や砕屑丘ができています。
この区域は噴気活動も活発で、植物が育たない場所が広範囲に見られます。
写真奥の一番高く見える山が一切経山、その手前に伸びる尾根の左側に黒く写っている窪地が大穴です。
手前のすり鉢型の窪地は、吾妻小富士の噴火口です。
沼沢(沼沢湖)
福島県金山町沼沢
福島県西部新潟県との県境付近にあるカルデラ湖です。その直径は約2kmで今から約5000年前の噴火によってできたとされています。
周辺には、カルデラ噴火の火砕流が盆地を埋めるようによってできた平坦な台地が見られます。
前方左よりに見える惣山は4万年ほど前にできた溶岩ドームです。
惣山のように沼沢湖を取り囲むようにいくつかの火山が見られますが、どれもカルデラができるより古い時代のものです。
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